「水俣病被害を切り捨てて、幕引きを図ろうとしている」~水俣病被害者原告団、国会議員に協力要請 2014.4.3

記事公開日:2014.4.3取材地: 動画
このエントリーをはてなブックマークに追加

(記事:IWJ ぎぎまき、記事構成:岩上安身)

 「公害」は死語ではない。昭和40年代に一大社会問題としてピークを迎えた公害問題は、汚染源が特定され、汚染に歯止めがかかってから約半世紀が経過しても、被害者の苦しみは今なお続いている。福島第一原発事故による環境汚染の長期にわたる影響が懸念される今だからこそ、「公害病」の原点、水俣病の被害者の「現在」に目を向ける必要がある。

 水俣病は、化学工業企業のチッソがメチル水銀を含む有害な工場廃液を熊本県水俣市周辺の八代海沿岸海域にたれ流して魚を汚染し、その魚を食べた人々に中枢神経疾患を引き起こした公害病である。環境汚染による食物連鎖によって引き起こされた人類史上最初の公害病として世界に知られる。

 水俣病の被害は世代を継いで引き継がれる。水俣病公式に確認されたのは1956年。その前後に生まれた世代の被害者を「第2世代」と呼ぶ。その世代の被害者の認定と救済がおぼつかない。

 3月31日、水俣病被害者互助会第2世代訴訟の一審判決が下された。熊本地方裁判所は、原告8人のうち3人を水俣病と認定する一方、残り5人の症状について、水銀汚染との関連はないとして、請求を棄却した。

 4月3日、熊本県から上京した原告や弁護団らは、参議院議員会館を訪ね、国会議員と面会。判決の結果報告と、今後の協力要請を行なった。

 水俣病と認められなかった5人については、家族に認定患者がいるかどうかが重要視された。弁護団事務局長の平郡真也氏はこれを、「納得がいかない。被害の実態を反映していない指針だ」と訴えた。

■ハイライト

  • 関係議員への協力要請 と 互助会訴訟判決と今後の課題
  • 日時 2014年4月3日(木) 16:00~
  • 場所 参議院議員会館(東京都千代田区)

風評被害を招くと、申請を拒否

 「原告の一人の父親は、ずっとチッソに勤めていた。会社への恩義があるということで、認定申請をしていない。漁協の中で認定申請者が出ると、魚が売れなくなるから、組合員に申請をさせないというケースもある。さらに、申請しても、多くは判断条件を満たさず、切り捨てられる。水俣病認定された患者の数は、実際の被害のごく一部にすぎない」

 「風評」によって経済的損失が出るから、という理由で、「実害」がおさえこまれ、弱い立場の被害者が泣き寝入りさせられる、という構図は、昨日今日始まったことではない。半世紀前からあった現実なのだ。

 佐藤英樹原告団長は、今回の判決で水俣病と認定された原告の一人だが、判決の内容には納得してないという。

 「水俣病の被害がどこまで広がっているのか、国や県は調べようともしなかった。家族にいるか、いないかという判決は残念で情けない。裁判所がこんなに閉鎖的でいいのか」。

 そう訴えた佐藤原告団長はじめ原告らは、被害の実態に即した認定基準の見直しを求めている。

安倍総理「水銀による被害を克服した」

(…会員ページにつづく)

アーカイブの全編は、下記会員ページまたは単品購入よりご覧になれます。

一般・サポート 新規会員登録単品購入 330円 (会員以外)

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です