福島原発事故の収束作業にあたる若い世代の放射能被曝を減らすため、退役技術者や技能者を中心とするシニア世代で結成した「福島原発行動隊」は1月22日、参議院議員会館で集会を開き、今後の活動について話し合った。
行動隊の結成は、事故直後の2011年4月。国や東京電力に提言をし続けながら、一日も早い収束作業に従事することを目指してきた。しかし、過去3年間、福島第一原発の事故現場で作業にあたったことは未だない。その理由は、既存の原子力管理体制のままでは、国や東電が、行動隊を正式な収束作業チームとして受け入れることが難しいからだという。
- 報告 東京電力との定例協議(2014/1/14)
- 討議 福島原発行動隊(SVCF)は、いまなにをすべきか、できるか
東電や規制委員会のデータを分析し、公開
行動隊の活動の1つに、原発ウォッチャー・チームがある。東電や原子力規制委員会が公開するデータを分析し、毎月、福一の現状や収束作業の進行を報告書にまとめ、ホームページ上で公表している。そのほかにも、自治体や企業からの要請で放射線量測定も行うなど、現場での活動が実現するまでの間、地道な活動を続けてきた。
行動隊は今、「汚染水タンク見まわり隊」を結成し、活動することを目指しているという。そのために、東電と協議を重ね情報収集も重ねているが、やはり、実現するまでの道は険しい。事故が風化していく中、活動に必要な寄付も集まりにくくなっていると話したメンバーの一人は、行動隊の活動や精神について広く知ってもらうよう、今後は広報活動にも力を入れようと呼びかけた。