2011年11月10日(木)11時、参議院議員会館において、「福島原発行動隊 第11回院内集会」が開かれた。
福島原発行動隊は、福島第一原発事故の収束作業に当たる若い世代の被曝を軽減するため、若者に比べて放射能による影響が少ないとされる60歳以上の退役技術者や技能者を中心とする高齢者が現場に赴いて行動することを目的として結成された公益社団法人である。
理事には理系・文系問わず様々な経歴の高齢者が名を連ねている。また、行動隊には約600名が隊員として登録しており、東京電力や政府に対して福島第一原発や周辺の立入禁止区域への赴任許可を申請しているが、許可が下りないため、現在のところは、政府や東電に対する提言、国会議員への啓蒙を目的とした院内集会の実施、シンポジウムの開催、放射線のモニタリング、福島第一原発の現状分析などを行っている。
- 日時 2011年11月10日(木)
- 場所 参議院議員会館(東京都千代田区)
集会では、福島県内などで放射線量の測定を行うモニタリングチーム、ウォッチャーチームの活動内容などを報告した。モニタリングチームからは、モニタリングチームのメンバーは62名在籍するが、継続的に責任感を持ってモニタリングを行うには少なくとも100名は必要となるため、現状では約40名不足していることを報告。
その上で、同チームが専門機関による放射線測定要員の育成研修を9月から受講しており、育成研修を修了した人をリーダーとし、行動隊内での講習会を地域ごとに開くことで、「モニタリングに興味を持ちチームに参加する隊員が増えることに期待している」との考えを報告した。
ウォッチャーチームは、「東京電力が発表する情報量は膨大だが、報道されるのはごく一部に過ぎず、さらに報道関係者が専門的な内容を理解しきれておらず、福島原発で何が起きているのかが正しく伝わっていない」との意見を報告し、原子力分野の専門知識を有する4名で構成する同チームを10月から立ち上げた意義を強調した。その上で、原子炉建屋や汚染水、除染などの課題について分析結果を報告した。