政府は12月6日、「原発を重要なベース電源」と位置づけるエネルギー基本計画の原案をまとめた。拙速に「原発ゼロ」方針破棄を進める一方、福島第一原発事故の原因究明や、被災者への補償などについては、十分とは言いがたい。
12月9日(月)、東京都渋谷区代官山のカフェラウンジUNICE(ユナイス)で、「第28回ロックの会」が行われた。映画「ミツバチの羽音と地球の回転」の鎌仲ひとみ監督をオーガナイザーに迎え、「子供被災者支援法の今とこれからすべきこと」をテーマにトークセッションが行われた。
ロックの会は、女優の松田美由紀氏、映画監督の岩井俊二氏、音楽プロデューサーの小林武史氏、環境広告サステナ代表であるマエキタミヤコ氏、そして岩上安身の5人が発起人となり、月に1回開催されている。
「チェルノブイリ事故の甲状腺への悪影響は2086年まで続く可能性」
鎌仲氏は、チェルノブイリから300km離れたベラルーシ・ミンスク市の取材の模様を映像を交えて報告した。
甲状腺検査について「福島では子どもの甲状腺に少し異常が見られても2年後で大丈夫と言われています。ベラルーシでは年に2度はエコー検査を受けて下さいと大人に対してやっている」と述べた。
また、甲状腺ガンの子どもの発症ピークが終わった後、大人を含めた甲状腺ガンの発症率が増加している現状について、専門家から「チェルノブイリ事故の甲状腺への悪影響は2086年まで続く可能性がある」との発言があったという。
子ども被災者支援法の理念をゆがめている
福島県いわき市議会議員の佐藤和良氏は、ICRPが提示した年間20mSvの被曝線量を採用していることについて、「20mSvは国が福島へ帰還させる目的で設定されたものです。子ども被災者支援法の理念をゆがめ、ひろく東北関東の子どもたちを救うことにはなっていない」と伝えた。
福島みずほ議員「秘密保護法廃止法案を」
この日は福島みずほ議員がゲストとして訪れ、12月6日に成立した秘密保護法について、「秘密保護法廃止法案を出そうと思ってる。この法律は戦争と原発推進のためです」と訴えた。