秘密保護法を廃案に! 反対集会で10000人の市民が訴え 2013.11.21

記事公開日:2013.11.21取材地: テキスト動画
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(IWJ 原佑介)

 2013年11月21日(木)、約10000人もの市民が夜の日比谷公園に集結した。「特定秘密保護法案」を廃案に追い込むためだ。

 自民・公明両党は、みんなの党、日本維新の会との修正協議を終えた。週明け2013年11月26日にも秘密保護法案は衆院を通過し、今臨時国会で成立すると見通しだ。

 そんな中、秘密保護法の廃案を訴える市民らが21日、日比谷野外音楽堂で反対集会を開催。会場内に入りきらないほどの参加者が野音に押し寄せた。参加者は、主催者発表で1万人を超えた。

■全編動画

  • 18:30~ 反対集会
  • 19:30~ 国会請願デモ

集会・デモに参加した人々の思い

 IWJは、会場を訪れた参加者にインタビューした。出版労連に所属しているフリーライターの男性は、集会に参加した理由について、「雑誌ではフリーランスが多く働いている。規制がかかれば、フリーがまっ先にやられかねない」と話し、「新聞が書かないことを雑誌が書き、正社員の記者が取材しきれないことをフリー記者がやる場合があるからだ」と説明した。

 さらに、「労働組合では、毎年秋にはボーナス闘争(秋季年末闘争)をやるが、出版労連のこの秋一番の重点は、ボーナスよりも秘密保護法を止めること。決議をあげ、経営者も反対してほしいと働きかけを行った」と、強い危機感をもつ出版労連の実態を明かした。

 「おしゃべりの女の舌ぬく秘密法」というプラカードをもった主婦とみられる女性は、「こんな法律ができれば、安心しておしゃべりもできない。自分たちにも関係がある、とっても怖い法律だ」と語った。

「力及ばずして負けるのは仕方がない。力尽くさずして挫けるのは拒否する」

「幾度となく法案の採決の噂が流れてきたが、採決されずに今日、集会を迎えられたことは『勝利の一歩』だ」

 主催者挨拶で登壇した海渡雄一弁護士はこう語り、「首相を『第三者』にする?  ふざけるな。60年後に開示など、ふざけている。ここの何人が60年後に生きているかわからないというのに。絶対にこの法案を完全廃案に追い込もう」と会場に訴えた。

 壇上では、民主、共産、社民などの国会議員が、次々と秘密保護法反対の挨拶を行った。作家・落合恵子さんは「どこまで民主主義をバカにして、どこまで一人一人の市民をバカにする政権なのか。ふざけるな!」と、安倍政権への怒りを隠さない。

「権力はいつだって情報を隠してきた。今、戦わねば越えられない。『力及ばずして負けるのは仕方がない。力尽くさずして挫けるのは拒否する』。怒りましょう」と呼びかけた。

 新聞労連の日々野敏陽氏は、「戦争は秘密から始まる。我々は、『二度と戦争のためにペンを、カメラを回さない』と、先輩から受け継いできた。この法案は、ジャーナリストなどの発信者をなめ切っている。政府発表以外は報道するな、と言っているのだ」と怒りを滲ませる。

 続けて、「『報道は中立』と言われているが、この法案に限っては、ありえない。我々の存在を否定し、闇に葬ろうとしているのだから。国際ジャーナリスト連盟からも、21日、厳しい批判が届いた。厳しい状況だが、巻き返しは可能だ」と話した。

永田町を埋めた長蛇のデモ隊列

 デモ隊は、国会議員への請願のため、永田町に向かうコースと、秘密保護法の危険性を街頭に訴える銀座コースの二手に分かれた。19時半に出発したデモ隊の列は途切れることなく、長く続いた。永田町コースの最終梯団が、解散地点である自民党前に到着した頃には、すでに22時を回っていたという。

 デモを終え、海渡弁護士は、「こんなにたくさんの人が集まってくれた。国会の状況を、これで変えたい。変える力になった」と、デモの成功に喜びをみせた。落合恵子さんは、「特定秘密保護法案は、民主主義に対するテロリズム。法案の修正には意味がなく、廃案に持っていかなければならない。こんなに大勢きて元気をいただいた」と語った。

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