「世界に背を向けた憲法改正は、亡国の道」 ~「生かそう憲法 守ろう9条」講演 2013.11.3

記事公開日:2013.11.3取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・関根かんじ/奥松)

 「東京オリンピックが決定してから、テレビ局では原発事故や放射能関連の企画に、さらに強い圧力がかかっている」と、おしどりマコ氏──。

 2013年11月3日、京都市の梅小路公園で「市民フェスタ 生かそう憲法 守ろう9条 11・3 in 京都」が行われた。おしどりマコ氏とおしどりケン氏、龍谷大学名誉教授で憲法学者の上田勝美氏が、福島第一原発と憲法改正について語った。市民のリレースピーチでは、脱原発、憲法改正、秘密保護法などについて、それぞれが思いの丈を訴えた。

記事目次

■ハイライト

 和太鼓や笛演奏などが舞台を賑わせたあと、開会の挨拶に立った憲法9条京都の会の世話人、湯山哲守氏が、特定秘密保護法案、日本版NSC設置法案、原発推進政策、NHK経営委員人事などを挙げて、安倍政権の暴走と政権の私物化を指摘した。

東電記者会見に参加するきっかけ

 各参加団体からのメッセージ紹介や数組のライブ・パフォーマンスのあと、おしどりマコ氏とケン氏が登壇した。マコ氏は「福島では雨が降ると、遮蔽の雨、恵みの雨といって喜ぶ。なぜなら、土ぼこりなどで放射性物質が舞い散らないからだ」と、放射線量の高い地域で暮らす人たちの現状を紹介した。

 続けて、マコ氏自身が、かつては鳥取大学医学部で放射線関連の勉強をしていたことから、「福島の原発事故に恐れを抱き、真実を知ろうと東電の記者会見に参加するようになった」と経緯を説明した。そのために芸人としては仕事が減るなど、ジレンマを感じたというが、「戦争中には多くの芸人が、戦争を賛美する『国策漫才』をさせられていた。その当時を知る師匠からは『芸人は、国のためではなく、目の前にいるお客のために漫才をしろ』と教えられた」と、漫才とジャーナリスト活動を続ける姿勢を語った。

 マコ氏は「2011年4月17日、東電に初めて質問したのが『福島第一原発の建屋から出ている煙は何か。放射性物質が含まれているのか』というもの。 回答は先延ばしされ、毎回しつこく問い続けた結果、3ヵ月後に『1時間あたり10億ベクレル』との回答があって驚いた。事故直後はもっと高かったのだろうし、尋ね続けなければ発表されなかったかもしれない」と、当時を振り返った。

オリンピック決定で変化した東電とマスコミの態度

 「9月に東京オリンピック開催が決まってから、東電の記者会見の雰囲気が変わってきた」とマコ氏は指摘する。現在、大きな問題となっている汚染水漏えいについて、東電は「地下水に汚染土壌の混入がある。それは測っているが、数値は公表しない」と断言したという。「以前なら、しつこく問い続けると最後には答えていた。(情報を持っているのに)出さないという回答は初めてだ」。

 重ねて、「この秋、テレビ局では原発事故や放射能関連の企画に、さらに強い圧力がかかったという。また、9月に政府が反原発関係の新しいブラックリストを作り、菅直人や小沢一郎の名前と一緒に、おしどりマコも載っているらしい」と話し、「最近は公安の人が、私たちの『追っかけ』をしてくれている」と会場の笑いを誘った。

秘密保護法で「国策漫才」の時代が再び?

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