家族とともにトルコからドイツへ移住した「フセインおじいちゃん」の奮闘を、ユーモア溢れる視点で描いた映画「おじいちゃんの里帰り」。日本での公開を前に、来日したヤセミン・サムデレリ監督に、岩上安身と同志社大学大学院教授の内藤正典氏がインタビューした。
戦後、多くのトルコ人が労働者としてドイツに移住した。1960年代にドイツに移住したヤセミン監督の祖父は、ドイツにおけるトルコ移民の第一世代にあたる。ドイツ国内における移民というテーマは、政治家や学者などによって、民族間の対立だけがクローズアップされ、シリアスに語られることが多かった。今回、あえてコメディーという手法を選択した理由について、ヤセミン監督は次のように語った。
「ちょっとしたユーモアやジョークのセンスがあれば、対立を乗り越えることができるのではないでしょうか。日常生活の中で、さりげない親切心や丁寧さを見せること。例えば、お天気やサッカーの話しといった何気ない会話でもいいでしょう。日常生活に密着したコメディーを作ることで、シリアスなテーマを笑い飛ばしてしまおうと思いました」。
映画「おじいちゃんの里帰り」は、11月30日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町他でロードショー。ぜひ、ご覧ください。
⇒ 映画公式サイト おじいちゃんの里帰り