「安倍首相の言葉は、あきらかに嘘」 ~緊急集会「原発汚染水流出事故と柏崎刈羽原発 ~再稼働どころではない!柏崎刈羽原発の廃炉と支援法実現を求めて~」 2013.10.13

記事公開日:2013.10.13取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・奥松)

 「福島の汚染水問題は、ようやく判明してきたところ。柏崎刈羽の再稼働審査を先行するのはおかしい」と阪上武氏──。

 2013年10月13日、東京都千代田区の日比谷図書館で、緊急集会「原発汚染水流出事故と柏崎刈羽原発 ~再稼働どころではない!柏崎刈羽原発の廃炉と支援法実現を求めて~」が行われた。

 阪上武氏が福島第一原発の汚染水問題を、新潟の金子貞男氏が「柏崎刈羽原発の再稼働は、なぜ許されないか」を語り、満田夏花氏は骨抜きにされた原発事故子ども・被災者支援法を「あきらめずに変えていこう」と訴えた。

記事目次

■ハイライト

  • 登壇者
    新潟から 金子貞男氏(原発からいのちとふるさとを守る県民の会)
    阪上武氏(原子力規制を監視する市民の会)、満田夏花氏(FoE Japan)ほか

福島の漁業者の怒り

 はじめに阪上氏が、福島第一原発の汚染水流出事故の状況を語った。「福島第一原発では、直径12メートルのタンクが2日半で満杯になるペースで汚染水が増え続けているが、8月20日以降、そのタンクから汚染水が流出していたことが発覚した。原子力規制庁は、測定ポイントT-1の海水が1リットルあたり1ベクレルからずっと下がらないことを問題視している。南側のT-2でも、最近、濃度が上がっており、『汚染水を湾内に押さえている』という安倍首相の言葉は、あきらかに嘘だ」。

 続けて、「ストロンチウム90とセシウム137が同じレベルで検出されている。炉心の水はストロンチウム90が濃い。その水が外に出ていると推測されるが、安倍首相の発言に引きずられて規制庁も遠慮するのか、『影響ないだろう』などと言う。また、規制委員会の田中委員長は『アルプスで処理しきれないトリチウムは薄めて基準値以下にすれば外に出してよい』『福島県人は覚悟を』と新聞のインタビューで語っている」と憤った。「漁業では、底魚のカレイ、メバルに放射能の影響が出ている。最近、福島沖での試験操業が始まったが、獲って、すぐ捨てるような形になるだろう。まだまだ予断を許さない状況で、福島の漁業者は怒っている。安倍首相の汚染水コントロール発言は、ほとんどの人が信じていない」。

地下水のジレンマ

 福島第一原発に流れ込む地下水問題についても、阪上氏は厳しい見通しを語った。「福島第一原発は、他の原発に較べて特に地下水が豊富という特殊性がある」とし、「流れ込む地下水を完全に止めたらどうなるか。原子炉建屋には500ヵ所ほどの穴ができていると判明しており、その状態で地下水がなくなると、今度は冷却水が穴から外に出てしまう。一定水位を保ちながら、地下水の流入を止め、格納容器も冷やし続けるという、非常に難しい対応を迫られている」。

 さらに、「地下水をせき止める凍土方式も、本当にできるのか疑問が出ている。これまでトンネル工事などの一時的な対応でしか使っていない工法で、長期間にわたって実施した前例はない」と懸念を示した。その上で、「汚染水問題は、ようやく判明してきたところ。これに先んじて、他の原発の再稼働を審査するのはおかしい」と述べた。

 「財務省が、東電を破綻させないスキームをとったゆえに、柏崎刈羽の再稼働への動きが強まり、被災者への賠償、汚染水対策、廃炉処理の経費をけちるという、まずい状況となった。逆に言えば、柏崎刈羽の再稼働をさせなければ、このスキームは崩れる。東電を破綻させて、銀行の4兆円の融資は棒引きで責任を取ってもらうべき」と阪上氏は主張した。

泉田新潟県知事をどうみるか

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