国際環境NGOのグリーンピース・ジャパンは10日(木)、衆議院第一議員会館で記者会見を開き、福島第一原発から20キロ圏内に位置する「避難指示解除準備区域」の福島県田村市で、政府が除染作業をする際の上限として定めている毎時0.23μSvを上回る放射線量を検出したと発表した。
田村市は、11月に「避難指示解除準備区域」を解除することが検討されている。今回、田村市での調査にあたった放射線防護アドバイザーのヤン・ヴァンダ・プッタ氏は、「除染が済んだ所でさえ、39%の地域では毎時0.23μSvを上回っている」と指摘し、政府が進める除染作業の効果に疑問を投げかけた。
環境副大臣を務めた経験を持つ民主党の生方幸夫衆議院議員は、環境省の職員に対して、一箇所を徹底的に除染した上で、そこに被災者と集中的に住まわせるべきと要請したことを明かした。当時生方氏は、「個別の家を除染していくと、隣の家は戻らないから除染しない。こっちは戻るから除染する。これでは意味がない」と指摘したという。