「民主主義を揺るがしかねない」パブコメの公開を前に閣議決定に突き進む政府に批判の声〜子ども・被災者支援法 2013.10.10

記事公開日:2013.10.10取材地: テキスト動画
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(IWJ・ぎぎまき)

 政府は、パブリック・コメントを公開する前に「子ども・被災者支援法」の基本方針案を閣議決定する方針を明らかにした。10日に開かれた院内集会の場で、復興庁の阿部直樹政策調査官が報告した。

 集会に参加したのは福島県をはじめ、佐賀県、栃木県、大阪府、京都府に住む被災当事者や支援者など約100名。明日予定されている閣議決定の前に、最後の交渉を行った。

■ハイライト

  • 内容  11:30~ 事前集会 / 12:00~ 復興庁交渉 / 13:00~ 各地からの報告集会
  • 主催 「子ども・被災者支援法」を活かそう市民の会

一度、決定してしまった基本方針を変えるのは難しい

 基本方針を策定するにあたっては、被災当事者の声を反映するのはもちろん、検討過程の透明性を確保し、情報を公開する義務が法律によって定められている。しかしこれまで、基本方針案に対する説明会を東京と福島の2カ所で開催したのみで、政府主導の意見聴取会が開かれたことはない。「市民が主催した集会に参加させていただき、意見を頂戴してきた」と復興庁は主張しているが、市民らの要望は基本方針案にはほとんど反映されていないのだ。

 その上、パブコメに寄せられた5000件近くに及ぶ意見が、どれだけ修正案に反映されているのか分からないまま、政府は明日、閣議決定に持ち込もうとしている。それに対し会場からは、「手順が逆だ。パブコメの対応について公開し、十分な説明を行ってから閣議決定すべきだ」「民主主義を揺るがしかねない対応ではないか」と厳しい声が相次いだ。

 交渉に参加した社民党の福島みずほ議員は、「一度、基本方針が閣議決定しまうと、枠組みを変えるのは今後難しくなる。今の段階で、国民の声を反映して欲しい」と訴えた。

パブコメを公開しない理由

 1年2ヶ月も基本方針の策定を放置したあげく、なぜパブコメを無視してまで閣議決定を急ぐのかーー。そもそも、被災当事者からの意見を十分に反映できていないことは、復興庁自身も認めている。急ぐ理由を問われた阿部政策調査官は明確な回答を示せず、スケジュールありきの対応が露呈した形となった。

 「美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会」の島田清子氏はIWJのインタビューに対し、「今回は、基本方針案に対し、全国の自治体も厳しい意見書を提出している。政府は混乱を避けるため、意図的にパブコメの公開を閣議決定の後にしたのではないか。それだけ圧力を感じているのだろう」と、語った。

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