『原発危機と「東大話法」』などの著作で知られる東京大学東洋文化研究所の安冨歩教授が、東京大学駒場キャンパスで、1,2年生向けの講座「生きる上で役に立つ経済学」を開講、IWJは初回オリエンテーションの模様を中継した。
(IWJ・須原拓磨)
『原発危機と「東大話法」』などの著作で知られる東京大学東洋文化研究所の安冨歩教授が、東京大学駒場キャンパスで、1,2年生向けの講座「生きる上で役に立つ経済学」を開講、IWJは初回オリエンテーションの模様を中継した。
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「君たちは頭が狂っている!」
安冨教授は、講義に集まった120名の東大生に対してこのようにぶちまけた。著名な東大教授の重厚な講義を期待して集まった学生達には、戸惑いの表情が浮かんだ。
安冨教授はこう続けた。「大学入試では、生きるために必要のない知識を大量に身につけなければならない。それを日本一頑張った君たちは頭が狂っている。かなり深刻な病気だと思ったほうがいい」――。
安冨教授は、「生きる力」は無駄な知識の吸収によって阻害されると説明する。無駄な知識、つまり「生きるために必要のない知識」を日本一吸収した東大生は、日本一「生きる力」がない学生だということになる。
学生達の表情は暗くなる。著名な東大教授に、「生きる力」がなく「頭が狂っている」と言われてしまったのではしょうがない。
では「生きる力」を身につけるにはどうすればよいのか?そこで安冨教授がこの講義で東大生達に伝えようとするのが「生きる上で役に立つ経済学」だ。しかし、それは普通の経済学とどう違うのだろうか。ケインズか、マルクスか、ゲーム理論か。それとも、まったく新たな概念が登場するのだろうか。
次回の講義は10月23日(水)を予定している。
須原拓磨さん、中継ありがとう。安冨歩:東大生は生きることに役立つものを身につけて欲しい。東大の同僚は権力に近い所にいるので、表面は完璧に取り繕うことができるが、内面が壊れている人もいる。それでは価値を生み出すことができない。