2013年06月01日(土)14時から、東京都台東区浅草にある浅草三業会館にて、「シンポジウム6.1 築地の女将が市場を語る」が行われた。築地市場で働く女将と旦那衆からの市場移転を懸念する訴え、津軽三味線とデキシーランドジャズ演奏、築地市場移転問題弁護団の大城聡弁護士と東京中央市場労働組合書記長の中澤誠氏との対談など、豊富な内容で、築地市場移転の反対意見表明が繰り広げられた。
(IWJテキストスタッフ・関根/奥松)
2013年06月01日(土)14時から、東京都台東区浅草にある浅草三業会館にて、「シンポジウム6.1 築地の女将が市場を語る」が行われた。築地市場で働く女将と旦那衆からの市場移転を懸念する訴え、津軽三味線とデキシーランドジャズ演奏、築地市場移転問題弁護団の大城聡弁護士と東京中央市場労働組合書記長の中澤誠氏との対談など、豊富な内容で、築地市場移転の反対意見表明が繰り広げられた。
■ハイライト
第2部の「築地の女将が市場を語る」が始まり、壇上、3名の築地の旦那衆、女将衆が出揃った。はじめに、旦那衆代表で青果商卸の南雲雅雄氏が先陣を切り、「自然環境は、すべてに連鎖している。日本には、おもてなしの心と、匠の心もある。自然共生と文化・芸術、科学技術のある新しいライフスタイルの築地に、再生しようではないか」と訴えた。
次に、「トンカツ豊ちゃん」女将、長田光子氏が話をした。「築地場内には、39店舗の食堂がある。13店舗が寿司屋で、洋食が4店、中華、どんぶり物、喫茶店など、いろいろな飲食店舗が営業している。何しろ仕入れるところがすぐ近くなので、食材がいい。私は専業主婦だったが、17年前に主人が先立ったので、店を切り盛りしてきた。今回、移転問題が起こり、土壌汚染のある新天地はいかがなものか、と奮い立った」と語った。長田氏の店は、亡父が大正9年、当時の日本橋市場に開店して以来、市場内で90年以上続いている老舗である。
続いて、マグロ仲卸の女将、岩井令子氏が「主婦目線で見た、築地を語ってみたい」とマイクを握った。「隣のお店は、近海ものの鮮魚を扱っていて、魚も温暖化の影響を受けていた。以前は近海で獲っていたのが、遠洋漁業による魚が増えている。また、築地のいいところは、地盤がしっかりしていること。3.11でも、液状化は起こらなかった。老朽化は否めないが、復興建築といい、関東大震災直後に建てられた頑丈な建築物だ」と話した。
司会者から「市場は、どんなところなのか」と尋ねられた南雲氏は、「青果では、各農協が仕分けしたものが、築地に回ってくる。鮮魚も同様。セリは、この20年で電子取引に移行し形骸化している。そして、今、国がやろうとしていることは、市場を、東北・北陸に各1市場、関東に6市場、中部2市場、関西3市場に集約しようとしていることだ。あとはネット取引でまかなう方針。つまり、『手に入らない食材はあきらめろ、そのかわりTPPが、安い食材を補填する』ということのようだ。しかし、市場とは、皆さんが考えている以上に、食の安全を守っている。それを言いたい」と答えた。
第3部は、築地の仲卸業者が主宰するデキシーランドジャズバンドと、津軽三味線のミニコンサートを1時間ほど披露。第4部では、「いま築地に問う」というテーマで、東京中央市場労働組合書記長の中澤誠氏と、築地市場移転問題弁護団事務局の大城聡弁護士によるトークセッションを行なった。
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