2023年9月14日(木)、大阪市内において、「財務省による森友文書『不開示決定』に対して赤木雅子氏が取り消しを求めた裁判判決後の記者会見」が行われた。会見に参加したのは、生越照幸弁護士、松丸正弁護士、阪口徳雄弁護士、高須賀彦人弁護士。
本件は、赤木俊夫さんが改ざんの経緯をまとめた「赤木ファイル」で判然としなかった具体的な指示系統や実態を明らかにするため、もともと財務省にあった文書(一連の問題を捜査していた大阪地検に財務省と近畿財務局が任意提出した文書)で、本来公開請求に基づき公開されるべきものが、検察に任意提出したために、財務省が「地検の捜査に支障を及ぼすおそれがある」として、文書の存否も明らかにせずに不開示としたため、不開示決定されたものを、取消公開するように求めた裁判である。
しかし判決は、文書の存否が明らかになれば、検察の捜査手法や捜査対象の範囲が推測されるおそれがあるとの国側の主張を受け入れ、「将来起こる同種事件で罪証隠滅が容易になる可能性がある」と指摘。不開示決定は妥当で、同省などに裁量権の逸脱はないと判断した。
対象になったのは、一連の問題を捜査していた大阪地検に財務省と近畿財務局が任意提出した文書。徳地裁判長は判決理由を「捜査手法や対象が推知され証拠隠滅が容易になるなど、将来の刑事事件の捜査に支障が及ぶ恐れがある」として、不開示決定は適法だとして同省などに裁量権の逸脱はないと判断した。
生越弁護士は「判決理由が国の主張通りだった。国と裁判官はグルなのか!?」と司法権の放棄に等しい判決に怒りを露わにした。また赤木雅子氏が、国の主張をそのまま丸呑みしたような判決の理由に呆然とし、一時体調を崩された旨も伝えられた。
高須賀弁護士も、「結局最終的には、裁判所による特定情報という言い方で、どんな文書が検察庁に任意提出されたのかということ、捜査の手法や捜査の範囲がわかるという言い方をしているが、例えば捜査手法の中に、いかなる内容や内容をまた形式の資料をいかなる方法で入手したかがわかると書いてあるだけ。
渡された文書の標目のようなものが出てくるだけで、そこから一体何がわかるのかが全く読み解けない。認定された行政の内容範囲/通数がわかる文書なのだから、書いてあることや捜査対象の範囲は確かにわかるけれども、そこからいきなり『将来の刑事事件の捜査にも支障が生じる』という言い方になっている」と不可解な判決理由に憤りを禁じ得ない模様だった。