2022年11月4日、午後2時より、東京・衆議院第二議員会館にて、「市民とともに歩み自立したNHK会長を求める会(以後、『求める会』)」の主催により、記者会見「前川喜平さんを次期NHK会長候補に!」が開催された。
会見冒頭、「この15年間、5期にわたり、財界出身のNHK会長が続いている」経緯について、ジャーナリストであり、元NHKチーフプロデューサーの長井暁(さとる)氏から説明があった。
長井氏は説明の最後に以下のように述べた。
長井氏「『指名部会』って、何回もやっても、実際、審議していないんですよ。何もやってないんです。はっきり言うと。(中略)このまま任せると、こういう、放送法を平然と踏みにじるような人物と、自民党の有力政治家が談合・密談して、次の会長が決まってしまうかもしれない。
ということで、我々は、『これは大変だ』ということで、この会を立ち上げて、前川さんを推薦するということになった次第です」
このたびのNHK会長への推薦を受けた理由、そして、その経緯などについて、前川氏は、所信表明の中で、次のように述べた。
前川氏「NHKの会長に就任したあかつきには、っていいますか、その『あかつき』があるかどうかわかりませんが、会長に就任したとすればですね、私は、『憲法』と『放送法』にのっとって、それを遵守して、『市民とともにあるNHK』、そして、『不偏不党』で、『真実のみを重視する』、そういうNHKの在り方を追求して参りたいと思います。
そのためには、番組の編集、あるいは、報道にあたって、完全な自由が保障されなければいけないと、その自由こそがですね、本当に真実を追求することにもなるし、『不偏不党』も、その自由の中でしか実現しない、と思っております。
これは、教育についても言えることですけれども、『政治的中立性』は大事なのですが、『政治的中立性』というのはですね、上から求める『政治的中立性』は、必ず、これは、権力に奉仕する結果になります。
上から『政治的中立性』を求めてはいけないのです。これは、現場の一人ひとりの『心の中』になければいけない。現場が自由である、ということが最も大事なのであって、これは、いかなる分野であれ、報道とか、教育とか、文化とか、表現にかかわる仕事をする、そういう分野では、どの分野にでも言えることだと思います。
まあ、はっきり言えば、経営が余計なことをしないことが一番大事であってですね、これは、文部科学省が余計なことをしなければ、教育が良くなる、ということと同じなんです。(中略)
要するに、政府のいいなりには絶対にならない。そういう公共放送、それこそが本当の公共であってですね、お上に従うことが公共ではないんだと。そういう、本当の意味での公共と言うものを追求していく、ということにしたいと思っております」
また、所信表明の最後に、前川氏は、NHK会長になったら提案したいこととして、次のように述べた。
「それは、この四半世紀ぐらいの間のNHKの在り方を検証する番組を作ってほしいと。これは是非、現場の人たちに頑張っていただいて、そういう番組を作る、ということですね。これは、命令ではなくて、お願い、提案をしてみたいな、と。そんなふうに思っております」
「市民とともに歩み自立したNHK会長を求める会」は現在、賛同署名に取り組んでいる(※)。また、11月22日(火)には、NHK西口前街宣行動(この日はNHK経営委員会の開催日。前川喜平さんも参加予定)。また、12月1日(木)には、NHK経営委員会に申し入れ書と賛同署名を提出し、シンポジウムを開催する予定だ。
- 市民とともに歩み、自立したNHK会長を選んでください!(change.org)
記者会見の詳細は是非、全編動画をご視聴ください。