2022年9月10日、午後1時45分より、東京都中野区の映画館「ポレポレ東中野」にて、映画『原発をとめた裁判長』の初日舞台挨拶が行われた。
樋口英明・福井地裁元裁判長、河合弘之弁護士、二本松営農ソーラー代表・近藤恵氏、小原浩靖監督が登壇し、観客やメディアとの質疑応答を行った。
このドキュメンタリー映画『原発をとめた裁判長』は、2014年5月に関西電力大飯原発の運転停止命令を下した樋口英明・福井地裁元裁判長の「原発は日本列島で頻発する地震に対して脆弱である」とする「樋口理論」の紹介を一方の軸としている。
そして、もう一方の軸として、311の放射能汚染により、一度は農業の廃業を余儀なくされた農業者・近藤恵氏が「営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)」(農地上での太陽光発電)事業に復活の道を見出す姿が描かれている。
この「樋口理論」と「自然エネルギー」を車の両輪として、「脱原発」への希望をつむいで見せようとするのがこの映画だ。
- ポレポレ東中野 上映スケジュール(ポレポレ東中野公式サイト)
舞台あいさつで、樋口氏は次のように述べた。
「私が講演会などで訴えてきたのは、原発がいかに非常識なものかということと、もうひとつは、原発の訴訟というものがそんなに難しい訴訟じゃない、ごくごく当たり前のことをわかっておれば、当然『止める』という結論になるはずなのです。
それを皆さん、思い込むんですね。裁判官も思い込んでいます。『原発はそれなりに安全にできているんじゃないか』と。その思い込みを払しょくしたくて、この映画に参加しました。この映画がそういう機運を広めるきっかけになればいいと思います」
この日12時10分からの映画の上映は、満席札止めであった。
この映画をまだ見ていない方々、これから見る方々へ、小原監督は、次のように語った。
「この映画は、特に若い人たちに見ていただくために作りました。
原発の映画っていうと、結構ものものしい映画が多いんですけれども、この作品は、すごく希望に満ちた作品になっております」
舞台挨拶、および質疑応答の詳細については、ぜひ全編動画を御覧いただきたい。