文鮮明は米共和党主流に食い込んでいた! ブッシュ元大統領(父)はウルグアイで文の神学校に尽力! 布教のため育成の日本人女性4800人が8000万ドル資金洗浄! Free Press記事全文仮訳!【後編】 2022.8.20

記事公開日:2022.8.20 テキスト
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(文・IWJ編集部 文責・岩上安身 2022年8月18日加筆・アップ)

 別記事で前編をお伝えしたFree Pressの記事「カルト・リーダーでCIAアセット(スパイ)、ブッシュ・ファミリーの友人の文師死す」全文仮訳の後編である。

 なぜ統一教会が、警察の摘発を止めさせるほど強い影響力を、自民党政権に対して持つのか? それは、統一教会が米国の権力中枢に、その資金力で食い込んでいるからではないか? との仮説を裏付けるのが、Free Pressの記事である。

 記事前半では、そもそも統一教会を韓国中央情報局(KCIA)が作ったこと。終戦後、戦争犯罪人として投獄された笹川良一氏と児玉誉士夫氏をCIAが釈放し、笹川氏が文鮮明氏の資金源となったこと。彼らが「世界反共連盟」などを結成、レーガン政権をはじめ米共和党の政治家に食い込んで、「イラン・コントラ事件」等で暗躍したこと。特に2代にわたり大統領を務めたブッシュ父子との特別な関係を明らかにした。

 後編では、ブッシュ(父)元大統領はじめ米共和党との密接な関係をさらに詳述する。

 文氏は、ブッシュ氏と提携し「彼を大統領にした」と主張した。ブッシュ氏が東京ドームで5万人を前に文師夫妻を称揚した、謝礼1千万ドルともいわれる講演。ブッシュ氏がウルグアイの文氏の神学校開設に尽力し、日本人女性4200人を育成したが、彼女たちは8000万ドルの資金洗浄で告発されたことなど、文氏とブッシュ氏との根深い関係の証拠は枚挙にいとまがない。

 また、文氏はフォード元大統領など数々の共和党の大物に小切手をばらまき、「米国最大の洗脳者と非難されている男が、共和党の主流に入ってきた」と評された。

 さらに、統一教会はトランプ前大統領支持層と重なる右派一般大衆にも浸透していることから、次回大統領選にトランプ氏が出馬すれば確実に関与すると推測される。

 一方、Free Pressの記事が、文氏の高額なプロパガンダ装置として紹介した「ワシントン・タイムズ」紙に関しては、ジェフ・ベゾスやビル・ゲイツ、マーク・ザッカーバーグなど、主要ネット企業創業者が1.4兆円から数百億円に上る寄付をしているという驚くべき情報がある。彼らは文氏の「共犯」と言わざるを得ないだろう。

 ビルゲイツ氏は、統一教会と自民党の関係が表沙汰になり、大騒ぎされていたただ中の8月18日に東京都内の自民党本部を訪れた。統一教会を介して深い仲にあるともいえるビル・ゲイツを自民党幹部は、何を話し合ったのだろうか !?

 詳しくは、記事本文を御覧いただきたい!

記事目次


▲ジョージ・ハーバート・ウォーカー・ブッシュ(父ブッシュ)第41代米大統領(Wikipedia

文鮮明氏は「ブッシュ副大統領(父ブッシュ)と提携し、彼を大統領にした」と主張!

 以下から「カルト・リーダーでCIAアセット(スパイ)、ブッシュ・ファミリーの友人の文師死す」後編である。

 「文は保守派の中で一躍脚光を浴びた。1982年、タブロイド紙『ワシントン・タイムズ』が創刊されたのだ。ブッシュ副大統領(父ブッシュ)は、政治的に強力な文の組織と提携することの価値をすぐに見抜き、文はこの提携によってブッシュを大統領にしたと主張している。

▲「ワシントン・タイムズ」のウェブサイト
https://www.washingtontimes.com/

 ある元ムーニー(統一教会信者)のウェブサイトによると、1988年のブッシュ対デュカキスの戦い(1988年の合衆国大統領選挙。共和党の現職副大統領のジョージ・H・W・ブッシュが当選)の時、文師は信奉者たちに、もし悪のデュカキス(マイケル・デュカス マサチューセッツ州知事(当時))が勝ったら、米国からお前たちを追い出すと脅したそうである。

▲1988年の米国大統領選挙の前夜(1988年11月7日)、UCLAのポーリー・パビリオンで行われたキャンペーン集会でのマイケル・デュカキス。大統領選敗北後はカリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策学部教授を務めた。(Wikipedia、Photo taken by Hal O’Brien

文氏は、米国で脱税で1年収監されるも、州知事選挙に関与! 『ワシントン・タイムズ』損失1100億円以上でも、盟友・笹川良一氏の競艇収益で補填!

 文自身は、クリーン・ハンドを欠いていた。文は1982年に脱税で有罪判決を受け、1年間米国の刑務所に収監された。

▲米ネバダ州ラスベガスで講演する文鮮明(2010年)。(Wikipedia、David Roberts

 また、1982年には、オハイオ州コロンバスのオハイオ州立大学を拠点とする文の組織が、ジョン・ケーシック(元オハイオ州知事)を第12区の連邦議会議員に当選させることに貢献した。湾岸戦争の間、ムーニーたちが後援した全米自由連合(American Freeedom Coalition)は、国中で『軍隊を支持する』集会を組織した。

▲統一教会系組織が拠点としたオハイオ州立大学(Wikipedia、Robert Chriss

▲ジョン・ケーシック 元連邦議会議員 元オハイオ州知事。1982年の下院選挙で、統一教会系組織が当選に貢献した。(Wikipedia、Office of Ohio Governor John R. Kasich)

 フロントライン・ドキュメンタリー(米国の公共放送サービスで放映されているドキュメンタリー番組)では、ワシントン・タイムズ紙は文のプロパガンダの中で最も高価なものであり、その損失は8億ドル(約1106億円)に上ると推定されている。

▲ワシントン・タイムズの編集室(2008年)(Wikipedia、David All

 それでもフロントライン・ドキュメンタリーは、旧友の笹川(良一)が日本の高速艇ギャンブル産業を事実上独占していたため、米国の金庫に継続的に金が流れ込むようになっていたと主張している。

▲笹川良一氏(1990年代)(Wikipedia、Pnuao)

▲笹川良一氏が1962年設立した「日本船舶振興会」は、1996年一般呼称を「日本財団」に、2011年正式名称を同じく改称。その財源には、モーターボート競走法の規定によって、競艇の売上金の約2.6%(2007年3月、モーターボート競走法の改正がされる前は約3.3%)が充当されている。(Wikipedia、Lombroso

ブッシュ(父ブッシュ)前大統領が東京ドームで5万人に「文師夫妻は世界で最も重要な活動」と語った謝礼は1千万ドル!?

 ブッシュとムーニーの関係は、1995年9月に、文の妻が設立・指導するムーニーのフロント組織である『世界平和女性連合』のために、前大統領(父ブッシュ)が日本に1週間近く滞在すると発表したときに、大きな論争を引き起こした。

※本記事は「note」でも御覧いただけます。単品購入も可能です。
https://note.com/iwjnote/n/ndfd6e322bbc7

<ここから特別公開中>

▲世界平和女性連合のホームページ
https://wfwp.jp/

 ブッシュは、ムーニーの洗脳と強制に対する非難を軽視した。ニューヨーク・タイムズ紙は、ブッシュの存在は『このグループ(ムーニーズ)に正当性を与えていると一部で見られている』と指摘した。

 長い間ムーニーのメンバーであったS.P.シモンズは、ポートランド・プレス・ヘラルドに社説を書き、ブッシュは『文が支払ったと言われる百万ドルを必要とせず、教会の歴史をよく理解していた』と指摘した。他のニュースソースは、前大統領の出席のための金額を1千万ドル(約9億4000万円)(※)とした。ブッシュは文夫人と演壇を共にし、東京ドームに集まった5万人の観衆を前に演説を行った。ブッシュは信者たちに『文師夫妻は今日、世界で最も重要な活動をしている』と述べた」

※1995年平均1ドル=94.0596円(世界経済のネタ帳、USドル/円の為替レートの推移(年次)

▲文鮮明夫人・韓鶴子(ハン・ハクチャ)氏。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)総裁、世界平和女性連合・天宙平和連合総裁。(Wikipedia、オークランド259

「文氏はフォード元大統領など共和党の大物に小切手を!」「米国最大の洗脳者が、共和党の主流に入ってきた!」文氏だけが知るという「神のすべての秘密」とは「夫は妻の性器の所有者」!

 「翌年には、文は、オークランドからワシントンD.C.まで、一連の『家族の価値』会議を後援した。サンフランシスコ・クロニクル紙は、『ワシントンでは、文はジェラルド・フォード元大統領やジョージ・ブッシュ、共和党の大統領候補ジャック・ケンプ、キリスト教連合の指導者ラルフ・リードのような共和党の大物に対して小切手を発行した』と報じている。

▲ジェラルド・フォード第38代米大統領(Wikipedia、デイヴィッド・ヒューム・ケナリー

▲1988年米大統領選挙の共和党候補、ジャック・ケンプ氏。(Wikipedia、Department of Housing and Urban Development

▲キリスト教連合初代事務医局長ラルフ・リード氏(Wikipedia、Gage Skidmore

 パデュー大学の社会学教授であるアンソン・シュープは、長い間、文鮮明を観察してきたが、『米国最大の洗脳者と非難されている男が、共和党の主流に入ってきた』と言った。

 文は家族の価値会議で、『神のすべての秘密』を知っているのは自分だけだと宣言した。サンフランシスコ・クロニクル紙によれば、そのうちの一つは、『夫は妻の性器の所有者であり、その逆もまた同じ』というものであった。

 サンフランシスコ・クロニクル紙は、文の言葉を引用している。『フォード大統領やブッシュ大統領、世界平和統一家庭連合の第一回世界大会に出席された皆さんは有名ですが、皆さんが今知っていることがあります。ここに性器が嫌いな人がいますか。今までは、性器を大切にすることを美徳と思っていなかったかもしれませんが、これからは大切にしなければなりません』

ブッシュ元大統領尽力のウルグアイの神学校で日本人女性4200人育成! 彼女たちが8000万ドルを資金洗浄!

 1996年11月、ブッシュ長老はアルゼンチンのブエノスアイレスに到着し、新しく作られた文のスペイン語の週刊誌『ティエンポス・デル・ムンド(世界の時代)』をめぐる論争に巻き込まれた。11月23日に行われた同誌の創刊記念晩餐会で、ブッシュは主賓としてスピーチし、事態を丸く収めた。

 その後、ブッシュ元大統領は、文とともに隣国のウルグアイを訪れ、文のモンテビデオ神学校の開設に尽力し、中南米に統一教会の教えを伝える4200人の若い日本人女性の育成を支援した。

 セント・ピーターズバーグ・タイムズ紙によると、この若い日本人神学生たちは後に、ウルグアイの銀行を通じて8000万ドル(約110億6000万円)を資金洗浄したことで告発された。タイムズ紙はまた、ジェリー・ファルウェル師のリバティ大学が破産に直面したとき、文が数百万ドルの融資と助成金で救済したことも報じている」

同性愛反対や銃規制反対で保守層にアピール! ブッシュ親子を大統領に押し上げたのは、統一教会とCIAの影のネットワーク!

 「1997年にニューヨーク・タイムズ紙は、文が『ここ数年、結婚以外の性的禁欲の支持や同性愛反対のような共通目標を強調することで、この国の保守的なキリスト教徒に手を差し伸べている』と書いた。文はまた、憲法修正第2条(国民が銃を持つ権利を規定)を支持する人々にもアピールしている。1999年3月、ワシントン・ポスト紙は、このカルト教祖がセイロ社(Saeilo)を通じて利益の大きいカール・アームズ社(Kahr Arms)(注)を所有していると報じた。

注)セイロ社(Saeilo) 金型製造のためのCAD制作会社 カール・アームズ社(Kahr Arms)米国ペンシルバニア州に本社を置く銃器製造メーカー

▲カール・アームズ社ホームページ
https://www.kahr.com/

 ジョージ・H・W・ブッシュとジョージ・W・ブッシュの親子を大統領に押し上げたのは、ムーニーズとCIAを中心とする影のネットワークなのである。最近、『メシア』の新聞(ワシントン・タイムズのこと)はオバマ大統領を攻撃することにほとんどの時間を費やしている。

 ワシントン・タイムズの他に、統一教会はユナイテッド・プレス・インターナショナル(UPI)などのビジネス・ホールディングスを所有していた。文はしばしば主要メディアで、信者の集団結婚を取り仕切る姿を見せた。さらに重要なのは、CIAとブッシュ・ファミリーとの文の便宜的な結婚である。文の米国政治の腐敗は、今も続いている」。

統一教会はトランプ前大統領支持層と重なる右派一般大衆にも浸透! 次回大統領選にトランプ氏出馬なら確実に関与!

 以上が、Free Pressの記事「カルト・リーダーでCIAアセット(スパイ)、ブッシュ・ファミリーの友人の文師死す」の全文仮訳の後編である。

 この記事からわかるように、統一教会は、米国共和党の主流派に完全に食い込んでいる。

 ブッシュ親子を大統領にしただけでなく、その後も、中南米での布教活動に利用し、日本人女性の信者4200人を使い、マネーロンダリングという明白な犯罪行為に関与させているのだ。

 驚くのは、統一教会は、米国の権力者だけでなく、右派一般大衆にも食い込んでいるということだ。米国のクリスチャン・シオニストや全米ライフル協会の支持者など、トランプ前大統領を支持した右翼層と価値観の上で巧妙に同期している。

 この記事から想像できるのは、統一教会は、2016年の大統領選でドナルド・トランプ大統領の勝利にも深く関与したに違いないということだ。

 2021年9月12日に開催された統一教会系の集会「シンクタンク2022 希望前進大会」では、安倍晋三元総理の前に、トランプ前大統領がビデオメッセージを寄せている。

 仮に2024年の大統領選にトランプ氏が出馬することになれば、統一教会が支援し、関与するのは確実だろう。

 そして米国の権力への接近の要所要所で活躍するのは、マインドコントロールを受けて、完全に自分を見失い、文鮮明をメシアだと錯覚して、その「奴隷」と化した信者たちなのだ。

『ワシントン・タイムズ』紙に、ジェフ・ベソスやビル・ゲイツ、マーク・ザッカーバーグなど、主要ネット企業創業者が1.4兆円から数百億円を寄付!

 さらに、驚くのは、この記事の中に出てきた文鮮明の高額なプロパガンダ装置である『ワシントン・タイムズ』紙である。

 この関連団体のワシントン・タイムズ財団には、アマゾンやグーグル、フェイスブック、ツイッター、マイクロソフトなど、米国の主要インターネット企業の創立者たちが、「ドナー(寄付者)」として名を連ねているのだ。

 アマゾン創立者のジェフ・ベゾスが、102億ドル(約1兆4000億円)、ブルームバーグの創立者のマイケル・ブルームバーグが、16億ドル(2200億円)、ツイッターとスクエアの共同創立者でCEOのジャック・ドーシーが11億ドル(約1500億円)、前グーグルCEOのエリック・シュミットとウェンディ・シュミット夫妻が、4億6960万ドル(約649億円)、マイクロソフトの共同創立者ビル・ゲイツとメリンダ・ゲイツが、1億5700万ドル(約217億円)、フェイスブックの共同創立者マーク・ザッカーバーグと小児科医のプリシラ・チャンが、1億2000万ドル(約166億円)などとなっている。

▲アマゾン創立者のジェフ・ベゾス氏(Wikipedia、Steve Jurvetson

▲ブルームバーグの創立者のマイケル・ブルームバーグ氏(Wikipedia、Bloomberg Philanthropies

▲ツイッターとスクエアの共同創立者でCEOのジャック・ドーシー氏(Wikipedia、David Shankbone

▲前グーグルCEOのエリック・シュミット氏(Wikipedia、Charles Haynes

▲マイクロソフトの共同創立者ビル・ゲイツ(Wikipedia、United States Department of Health and Human Services

▲元ビル・ゲイツ夫人でビル&メリンダ・ゲイツ財団共同会長のメリンダ・ゲイツ氏(Wikipedia、World Economic Forum

▲フェイスブックの共同創立者マーク・ザッカーバーグ(Wikipedia、Anthony Quintano from Honolulu, HI, United States

▲マーク・ザッカーバーグ夫人で小児科医のプリシラ・チャン氏(Wikipedia、TechCrunch

 個人としては、桁違いの寄付額だ。

 ビル・ゲイツの寄付活動を見ればわかるように、こうした人々は、目的と戦略を持って寄付している。

 こうした米国のインターネット企業は、文鮮明の極右的なプロパガンダ新聞の「共犯」であり、その結びつきに、経済的・社会的・政治的な利益があると見て、間違いないだろう。

※これは日刊IWJガイド2022.7.21号~No.3598号に掲載された記事に8月18日時点の情報を加えて加筆・修正したものです。

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