2022年2月2日午後4時30分より、東京都千代田区の司法記者クラブにて、2021年衆議院選挙における1人1票裁判東京高裁判決後の記者会見が開催された。
この訴訟は、2021年10月に行われた衆院選における一票の格差が、最大2.08倍であったことを、「投票価値の平等原則」を定めた憲法に反するとしたもの。弁護士グループが、東京など1都10県の小選挙区の選挙無効を求めて提訴した。
訴訟は全国14の高裁、および高裁支部で起こされており、2月1日から3月9日の日程で、判決の言い渡しが行われることになっている。
2月1日、最初の判決言い渡しとなった高松高裁は、「違憲状態」と認定した。
- 「著しい不平等で違憲状態」 昨秋衆院選の「一票の格差」 高松高裁(朝日新聞デジタル、2022年2月1日)
一方、この日の東京高裁の判決では、三角比呂裁判長は「(格差が)2倍を超えたのは(格差是正措置の)想定と異なる人口の移動によるもの」として「合憲(違憲状態ではない)」との判断を下した。
高松高裁と東京高裁とで判断が分かれた格好となった。原告側は、この判決を不服として上告の構えだ。
登壇した原告訴訟代理人の一人、久保利英明弁護士は「合憲」判決を受けて、次のように述べた。
「(現在の一票の価値には)歪みがある。それでいいんでしょうか? これは、憲法には『国民主権』と書いてあるのに、『違憲』ではないでしょうか? こんな選挙をしていていいんでしょうか?
こんな選挙で選ばれた国会議員に本当に正当性があるんですか、ということを申し上げてきた。それが今日の東京高裁はまったく納得できない理由でこういう結論になっていますので、我々としては最高裁まで争う。この方針は間違いない」。
記者会見の詳細についてはぜひ、全編動画を御覧いただきたい。