リニア新幹線沿線住民ネットワーク主催の院内集会「リニアと国の責任―JR東海はリニアに持ちこたえられるか?」が2015年3月18日(水)、参議院議員会館会議室で行われた。千葉商科大学大学院客員教授の橋山禮治郎(れいじろう)氏と弁護士で法政大学名誉教授の五十嵐敬喜(たかよし)氏の講演・鼎談が行われ、国土交通省との政府交渉も実施された。
(IWJ・松井信篤)
特集 リニア新幹線
※4月2日テキストを追加しました!
リニア新幹線沿線住民ネットワーク主催の院内集会「リニアと国の責任―JR東海はリニアに持ちこたえられるか?」が2015年3月18日(水)、参議院議員会館会議室で行われた。千葉商科大学大学院客員教授の橋山禮治郎(れいじろう)氏と弁護士で法政大学名誉教授の五十嵐敬喜(たかよし)氏の講演・鼎談が行われ、国土交通省との政府交渉も実施された。
記事目次
■ハイライト
千葉商科大学院客員教授の橋山禮治郎氏は、ドイツのリニア計画について解説。ドイツでは、リニアを電車として扱わずに、磁気浮上鉄道基本法および同需要法という新法を作ったと説明した。
客観的にリニアが事業として成り立つかを判断・総合的に評価した結果、ドイツ連邦議会は利用者に便益がないと判断。リニアを事業として認めなかった。
橋山氏は、「リニア計画は新幹線と呼びません」と述べ、その違いについて解説した。現状では、新幹線には、新幹線整備法が存在する。同法には、「新幹線鉄道による全国的な鉄道網の整備を図り、主要都市間の有機的・効率的連結、もって国民経済の発展及び国民生活領域の拡大並びに地域の振興に資することを目的とする」と明記されているが、リニア計画は、これに該当しないという。
また、交通政策審議会における政府答申では、次のように述べられている。
「新幹線は安全性、信頼性、省エネ性、速達性、ネットワーク性、定時制、建設費用等の点では優れているが、リニアの方が高速性の点で優れているのでリニアが適当である」
この発言は、裏を返すと、リニアが新幹線より優れているのは「高速性」のみだということになる。
当時、国交大臣だった大畠章宏衆議院議員は、国会での審議や閣議決定なしに、リニアを承認しており、新法を作るなどの議論は、現在に至るまで、全く行なわれていないという。橋山氏は、今までの計画を凍結し、鉄道方式がいいのか、採算は合うのか、国民のためになるのかなどを含め、国民的議論にしていく必要性を主張した。
橋山氏は、JR東海社長が会見で「リニアは絶対ペイしない」と発言していることを指摘。国の将来を決める鉄道計画に国会が何の関与もせず、指導・勧告しない、認可凍結などの措置も講じられていない現状に「百年の計を見誤る」と警鐘を鳴らした。
そして、認可凍結をした上で、最低でも幅広い議論を2年以内にやれば代替案は出てくるはずで、国会議員から国民まで、大きな政策転換のマインドを持つ必要があると説明した。
(…会員ページにつづく)
リニアが新幹線より優れているのは「高速性」のみ!? 多くの懸念を残し、責任の所在もなく、議論も満足にされないまま進むリニア建設問題 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/239535 … @iwakamiyasumi
リニアと浜岡の再稼動はセットです。もちろん、赤字になっても税金で補填。
https://twitter.com/55kurosuke/status/584103927823511552
もんじゅ並