JR東海が2027年に東京-名古屋間での開業を目指すリニア中央新幹線について、同社が公開した「環境影響評価準備書」(環境アセス)の内容が不十分だとして、沿線の住民らで作る「リニア新幹線沿線住民ネットワーク」が、計画の凍結をJR東海側に求めるよう、環境省と国土交通省に要請した。
時速500キロを超えるリニア新幹線は強い磁気の力で走行するため、人体や環境への影響が懸念されている。「リニア・市民ネット」事務局長の懸樋(かけひ)哲夫氏は、電磁波の測定値に関して、JR東海が「情報を隠している」と指摘した。
懸樋氏によると、JR東海は住民に対する説明会で配布する資料には、12ヘルツまでしか記載がないという。しかし、懸樋氏によると、リニア新幹線が走行実験を行った際、50ミリガウスから100ミリガウスを超える高い数値が観測されたという。
懸樋氏は「電磁波の影響で小児白血病を発症する可能性がある」と語り、JR東海と国の対応を批判した。