生活の党代表 小沢一郎氏は、5月19日(月)の定例記者会見において、集団的自衛権を巡る最近の議論について、「不可解な議論・言葉が横行している」と批判した。また、安倍総理による「個別的自衛権では対応できない事例の説明」については、「安倍さんの話はよくわかりません」と疑問を呈した。
(記事:薊一郎)
特集 小沢一郎/陸山会事件|特集 集団的自衛権
生活の党代表 小沢一郎氏は、5月19日(月)の定例記者会見において、集団的自衛権を巡る最近の議論について、「不可解な議論・言葉が横行している」と批判した。また、安倍総理による「個別的自衛権では対応できない事例の説明」については、「安倍さんの話はよくわかりません」と疑問を呈した。
記事目次
■全編動画
公明党の支持団体である創価学会が、「集団的自衛権の限定的容認は、本来なら憲法改正してやるべき」と主張したことについて、小沢氏は「筋論から言えばその通りだ」と語った。また、あらかじめ特定できない事象に対して、政府の解釈でどうにでもなるということに、公明党は危惧の念を持っているのだろうとの考えを述べた。
そのうえで、「生活の党の主張は従来通りである」と改めて強調。「『グレーゾーン』とか、『駆けつけ警護』などの意味は不明だ。国連事務総長の要請でPKOに参加するならわかるが、『駆けつけ警護』など意味不明だ。不可解な議論・言葉が横行している」などと批判を展開した。
日本維新の会とみんなの党の有志が自主憲法制定会を立ち上げようとしていることについて意見を求められると、小沢氏は、「自主憲法」という言葉をどのような意味で主張しようとしているのか不明だと批判した。
そして、「第3国の占領下で意思表示を制約されていたために現憲法の効力を認めないとし、その上で新たに憲法を制定しようと主張しているのか、それとも現憲法を認めた上で改正しようとしているのか不明だ。言葉の意味をハッキリさせなければ論評のしようがない」と語った。
石破幹事長や安倍総理は、集団的自衛権で米国の戦争に巻き込まれてイランやアフガニスタンに行くことは、「安倍政権においては起きない」と発言している。これについて小沢氏は、「集団的自衛権を一般的に認めるならば、行こうと思えば行けると解釈したいということじゃないだろうか」と分析した。
安保法制懇の報告書で提示された、「個別的自衛権では対応できない事例」について、安倍総理の会見の説明について感想を求められた小沢氏は、「安倍さんの話はよく分かりません、何を言っているのか」と述べた。
続けて、「日本人の生命・財産が侵された(または侵される)という事態に対処するため、時の政権の判断で軍隊の派兵が必要となれば、論理的には個別的自衛権の発動ということになる。安倍首相は、個別であろうが集団であろうが、そのようなことを国民が受け入れがたいと思って、そういうトーンで話しているのではないか」と解説した。
そして、「理論的には、日本人の生命・財産が侵されれば、時の政権の判断で、個別的自衛権を発動することは可能性としてはあるということだろう」、との解釈を述べた。