今後の国のエネルギー政策の指針となる、新「エネルギー基本計画」案が、11日にも閣議決定される方針であることを受け、4月8日、自民党エネルギー政策勉強会が開かれ、前・原子力委員会委員長代理の鈴木達治郎氏が、計画案に対する見解を述べた。
( IWJ・ぎぎまき)
今後の国のエネルギー政策の指針となる、新「エネルギー基本計画」案が、11日にも閣議決定される方針であることを受け、4月8日、自民党エネルギー政策勉強会が開かれ、前・原子力委員会委員長代理の鈴木達治郎氏が、計画案に対する見解を述べた。
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■ハイライト
2月25日、経済産業省が示したエネルギー基本計画案には、「はじめに」から始まる前文が存在していた。そこには、「福島原発事故に対する深い反省を放念してはならない」という趣旨の一文が盛り込まれていたが、4月に示された与党修正案では、この記述が消されていたことが判明。事故がなかったかのような振る舞いに、自民党内からも批判が相次いでいるという。これについて鈴木氏は、「福島の反省があっての政策であることが大事だった」と話し、与党案に首を傾げた。
2013年7月に定めた予算基本方針で、内閣府・原子力委員会は、「原発事故に係る対応が国の原子力政策の最優先課題」とし、「国は、今なお多くの人々が不安かつ不便な生活を送っていることを片時も忘れることなく、事故収束および賠償の取り組みに全力を尽くさなければならない」と、国の原子力行政をリードする機関として明確な反省の意を示してきた。
しかし、鈴木氏は、このように苦言を呈す。「原子力委員会は小さくて、幾ら引っ張っても(後ろの船は)動いてくれない」。原子力委員会は本来、原子力産業や関連官庁を先導する役割を担ってきたが、ひっぱる側の力が巨大化してしまい、立場が逆転しているのが現状だ。
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