住民自治を掲げてきた東海村・国立市の長が語る「首長としての責任」、脱原発達成のためには「護憲」「秘密保護法廃案」が必要 2013.11.24

記事公開日:2013.11.24取材地: テキスト動画
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(IWJ・安斎さや香)

 「お任せ民主主義から市民が街づくりの主人公へ」

 JCO臨界事故の際、辞職覚悟で住民避難指示を出し、福島第一原発事故後は「脱原発」宣言をした茨城県東海村の村上達也元村長と、東京都国立市で環境・景観を守るために市民と奔走した上原公子元市長が11月24日、トークセッションを行い、これからの住民自治のありかたについて、それぞれの思いを語った。

■ハイライト

  • 登壇者 上原公子氏(元国立市長)×村上達也氏(前東海村長)

国立市現市長が元市長を訴える事態に

 トークセッションが行われた一橋大学が位置する国立市は、1999年、「開発より環境」を訴えて初当選した上原市長が誕生した直後、閑静な住宅地の中に巨大高層マンション建設計画が明るみになった。以来5年間にわたって、周辺住民・学校・行政・市長・市議会が連携し、まちぐるみで建設計画に反対する運動が繰り広げられた。マンションの建設は強行されたが、住民の発意で一帯を高さ20mに制限する条例が施行。住民らによる裁判では、日本で初めて最高裁判所が「景観利益」の存在を認めた。10年近く続いたマンション紛争は終結したと思われたが、2009年に別の市民4名が、多くの市民と景観を守るために奮闘した上原元市長を相手に裁判を起こし、上原元市長に対して3124万円を賠償請求。現在、国立市が上原元市長に損害賠償請求する事態となっている。

 景観をめぐる訴訟について、村上元村長は「最終陳述書を見て驚いた。読んで腹がたった。今の市長は何をしているのか。国立市民が7万人も署名をして、マンション建設に抵抗したのに損害賠償とは」と国立市と国立現市長を糾弾。「市民の存在、文化というものが日本の権力筋、自民党・公明党にとって目障りだった。上原元市長をターゲット、スケープゴートにして潰そうとしている」と、住民の意思を無視した行政、権力側の姿勢を強く批判した。

 これからの日本において、村上元村長は「開発発展からの脱却」、「人と環境を大事にする街づくり」の重要性を主張。村上元村長、上原元市長の両氏は、豊かさの原点を考えた場合、経済優先ではなく、住民の命を大切にした、住民主体の街づくりの必要性を強調した。

安倍政権の思惑と特定秘密保護法案

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