「紛争当事者同士でまとまりそうになると、支援国がかき回す。これが内戦と言えるだろうか」――忘れ去られた「シリア内戦」の今 2015.6.25

記事公開日:2015.7.6取材地: テキスト動画

特集 中東
※7月6日テキストを追加しました!

 「シリアでの紛争を『勧善懲悪、独裁と民主化の闘い』などと煽っているのは、外野のサウジ、トルコ、カタールだ」──。シリアの内戦は重層的で、一般的な「内戦」という言葉では言い表せないと、東京外国語大学教授の青山弘之氏は語った。

 2015年6月25日、東京都府中市の東京外国語大学で、「イスラーム国台頭から1年 特別講演会 忘れ去られた『シリア内戦』の今」が開催された。同大学教授の青山弘之氏と中東調査会研究員の高岡豊氏の講演のほか、共催のサダーカ、学生サークルのシリア研究会からの報告も行われた。


「通信傍受法の大改悪」を弁護士らが批判――盗聴が捜査機関に乱用され「自白を迫る手段」として使われる可能性も 2015.6.23

記事公開日:2015.7.6取材地: テキスト動画

特集 共謀罪(テロ等準備罪)法案シリーズ|特集 秘密保護法
※7月6日テキストを追加しました!

 「これは改正ではなく大改悪だ」

 「6・23盗聴法院内学習会」が2015年6月23日(火)、参議院議員会館で開かれた。講師として招かれた山下幸夫弁護士は、現在国会で審議をされている刑事訴訟法改正案の中の通信傍受法(いわゆる盗聴法)について、こう苦言を呈した。

 日本共産党の清水ただし議員は、「違法な取調べが行われ、任意でない自白が取られるという危険をなくし、冤罪を生まないことが、今回の法改正の本来の目的だった。しかし、実態は警察の権力を拡大するものになっている」と訴えた。


【岩上安身のニュースのトリセツ】「対中国脅威論」の荒唐無稽――AIIBにより国際的孤立を深める日本~ 安倍総理による論文「セキュリティ・ダイヤモンド構想」全文翻訳掲載 2015.7.4

記事公開日:2015.7.4 テキスト

 我々の今後にとって重要な文書であり、しかも目の前にあるにも関わらず、マスメディアが見て見ぬふりをして、一切触れようとしないものがある。米国から日本への露骨な指示書。その米国の指示に添って日本を動かす計画書である。これは、陳腐な陰謀論のお話ではない。

 たとえばCSISの「第三次アーミテージレポート」。あるいはヘリテージ財団「クリングナー論文」。そしてもう一つが、我が安倍総理が英文で発表した「セキュリティ・ダイヤモンド論文」だ。このどれもが、英文でネットで発表され、我々の眼前にあるのに、日本の主要メディアは、素知らぬ顔をして、正面からまともに取り上げようとしない。


「これは言論弾圧そのものだ」――“潰さなあかん”と名指しされた琉球新報、沖縄タイムス両編集局長が海外プレス向けに会見! 自民議員発言にブルームバーグ記者「背筋凍った」 2015.7.2

記事公開日:2015.7.4取材地: テキスト動画

※7月4日テキストを追加しました!

 自民党による言論弾圧の動きには海外メディアも注視している。

 自民党の若手議員による勉強会「文化芸術懇話会」で、大西英男氏、井上貴博氏、長尾敬氏らが「沖縄メディアは左翼勢力に乗っ取られている。2つの新聞によって沖縄の世論がゆがんでいる」「マスコミを懲らしめるには、広告料収入がなくなるのが一番」などとメディアの弾圧を画策した。講師に招かれた作家・百田尚樹氏も「沖縄の2つの新聞は絶対潰さなあかん」などと煽った。

 日本外国特派員協会は2015年7月2日、自民党議員らに名指しされた沖縄タイムス、琉球新報の編集局長を招き、記者会見を開催した。


【緊急アップ!】「なんか自民党、感じ悪い!」雨の国会前で3000人が「戦争法案」反対の声! 古賀茂明氏「来年の参院選なんて悠長なことを言っていたら終わり」 2015.7.3

記事公開日:2015.7.4取材地: テキスト動画

 「国会議員何やってんだと、こんなに集まってんだぞって声を上げていきましょう。後ろから蹴っ飛ばして『頑張れ』って言ってやりましょう!」——。

 集まった市民に対し、「SEALDs(シールズ)」の奥田愛基(あき)さんが訴えた。若者たちの有志主催で行われる毎週金曜夜の国会前「戦争法案」反対抗議は、2015年7月3日、5回目をむかえた。強い雨にもかかわらず、抗議にはこれまでで一番多い3000人が参加。「人を殺すな」「安倍政権は沖縄守れ」「戦争法案、絶対反対」の声をあげた。


「愛するわが自民党と日本が誤った道に踏み出さないよう、もう一度考え直して欲しい」――自民党・村上誠一郎衆院議員が涙の訴え 外国特派員協会で会見 2015.6.30

記事公開日:2015.7.3取材地: テキスト動画

※7月3日テキストを追加しました!

 現在、国会で審議中の安保関連法案に対して、与党で唯一公の場で反対の声を上げている自民党・村上誠一郎衆議院議員が、2015年6月30日に日本外国特派員協会主催の記者会見を行なった。

 村上氏は、「我々の親父や祖父の時代は、法律案を出すときには、縦・横・斜め・筋交いから質問が出たときにパーフェクトな答えができるような法案以外は出さないようにしていた」と述べ、今回の安保法案がそれとは対照的で、「質問が出て、明確に答えられないような、違憲性の疑義のある法案を出すのは、もう一回、踏みとどまって考える必要がある」と訴えた。


安保法制「合憲派」2人の学者が会見 「侵略を再び起こさないか」の指摘に百地章氏が反論「なぜ、日本が権力を行使した場合だけ侵略に繋がるのか」 2015.6.29

記事公開日:2015.7.3取材地: テキスト動画

※7月3日テキストを追加しました!

 今国会で審議中の安保法制をめぐり、2015年6月4日の衆院憲法審査会で参考人として招かれた3人の憲法学者が、全員「違憲」と断じた。与党・自民党推薦の長谷部恭男・早稲田大学教授までが違憲だと表明したことで今、潮目が変わったとの見方が強まっている。

 これに対し、菅官房長官は「まったく違憲ではないという著名な憲法学者もたくさんいる」と反論したものの、名前を3人しか挙げられなかった。そのうちの2人、百地章・日本大学教授と西修・駒沢大学名誉教授が、6月29日に日本外国特派員協会で記者会見を行なった。


築地市場移転先の豊洲新市場用地、都のずさんな土壌汚染対策の実態が発覚――法が定める帯水層底面調査を333区画で未実施 2015.6.23

記事公開日:2015.7.3取材地: テキスト動画

特集 築地市場移転問題
※7月3日テキストを追加しました!

 東京都が来年2016年11月に開場を予定している豊洲新市場。中央区の築地市場を江東区の豊洲へ移転する計画だが、移転予定地が東京ガスの工場跡地であることから、環境基準をはるかに超える汚染物質が見つかっている。環境学者からも「日本最大級の汚染地帯」と指摘する声が聞かれている。

 築地市場移転による豊洲新市場計画に反対するシンポジウムが2015年6月23日、明治大学駿河台キャンパスで開かれ、この問題に詳しい有識者らが、豊洲新市場計画の数々の問題を指摘した。


「私の娘がマタハラのない平和な社会で成長していけるように、裁判で闘う」 ~妊娠、出産で企業に追いつめられたマタハラ被害者たちが過酷な実態を語る 2015.6.24

記事公開日:2015.7.3取材地: テキスト動画

※7月3日テキストを追加しました!

 「妊娠がわかると、突然解雇を告げられた」「育児休暇を終えて職場復帰すると、説明もなく雇用条件が変更された」「妊婦でも特別扱いしないと言われた。せっかく宿した子を、会社が堕ろせと言っているのと同じ」──。

 働く女性が、妊娠や出産をめぐって職場で不当な扱いを受けるマタニティハラスメント(以下、マタハラ)の実態を、被害を受けた女性たちが明らかにした。被害女性たちは、労働組合や弁護士を通した交渉、労基署や労働局への相談などを行ってきたが、「マタハラは企業への罰則がない」という現状では解決に至らず、やむを得ず裁判で闘っている。


「首相官邸を包囲せよ」――国民の声を聞くか、内閣総辞職か!? 「安保法制」「秘密保護法」「社会保障」など12のイシューで安倍政権にNO! 0724首相官邸包囲に向けて会見 2015.7.1

記事公開日:2015.7.2取材地: テキスト動画

 「安倍総理と内閣の総辞職を要請します」――。

 政府与党が招致した参考人を含め、3人の憲法学者が国会で安保法案を「違憲」と断じ、その後も、元内閣法制局長官らが集団的自衛権の行使を可能とする法案の廃案を求めてから世論の潮目は変わった。安倍内閣支持率も低下し、今国会での安保法制成立反対の声は8割を超えている。しかし、政府は、7月15日をめどに衆院での強行採決を見込むなど、学者や国民による反対包囲網を押し戻す形で強硬姿勢を強めている。


敵に攻められて初めて危機がわかる? 安倍政権の言う「存立危機事態」の曖昧さを自衛隊OBらが指摘 〜「自衛隊を活かす会」シンポジウム 2015.6.20

記事公開日:2015.7.2取材地: テキスト動画

※7月2日テキストを追加しました!

 「われわれ(自衛隊)は、中国が脅威だと一度も言ったことはない」──。このように明言した陸上自衛隊OBの渡邊隆氏は、武力行使の新三要件について、「(国の)存立危機事態とは、どういうことか不明だ。政府は『それは、時の政権が認定する』と言うが、その答えは(防衛に)失敗した時にしかわからない」と指摘。敵に攻められて初めて危機がわかる法案の不備を批判した。

 現行憲法の下での自衛隊の可能性を探り、提言をしている自衛隊を活かす会が、2015年6月20日、大阪市の福島区民センターで、シンポジウム「新『安保』法制で日本は危なくなる!?」を開催した。東京外国語大学教授の伊勢崎賢治氏の主催挨拶に続いて、桜美林大学教授の加藤朗氏、陸上自衛隊元陸将の渡邊隆氏、大阪弁護士会前会長の石田法子氏が発表を行い、審議中の安保関連法案について議論した。後半は、元内閣官房副長官補の柳澤協二氏がファシリテーターを務め、加藤氏、渡邊氏、石田氏と質疑応答を行なった。


福島第一原発、地下水を汲み上げ浄化後に海へ放出するサブドレン運用、地元漁協の意見集約段階~東京電力定例記者会見 2015.7.2

記事公開日:2015.7.2取材地: テキスト動画

 2015年7月2日17時30分から、東京電力で定例記者会見が開かれた。福島第一原発の地下水を汲み上げ浄化し海へ放出するサブドレンの計画は、地元漁協に説明、意見集約を待っている段階だということが報告された。質問があれば受け、追加の説明会を要求されれば受けるという。


「愛という言葉が出てくる憲法前文、それを受けたものが憲法9条です」若手弁護士がやさしく解説する改憲問題 ~学習会「戦争法を阻止するために」 2015.6.27

記事公開日:2015.7.2取材地: テキスト動画

※7月2日テキストを追加しました!

 「日本は、他国とのいざこざを解消するための手段として、武力を持たない。国際法上では認められる交戦権(戦争をする権利)だが、日本は認めない。9条は、日本という国は、戦争を一切行わないと宣言している」──。明日の自由を守る若手弁護士の会の高木野衣弁護士は、こう力説した。

 今国会は、2015年9月24日まで延長されることが決まった。安全保障関連法案に関する審議を深めることが期待されているが、「日本のあり方」を変える同法案をめぐっては、もっと国民的議論が盛り上がり、その結果が安倍晋三政権への支持率に反映されねばならない。

 しかし、ひと口に「安保法案」といっても、実際は11本の法案が同居している。国民が能動的にその中身を理解しようとしない限り、きちんとした把握は難しい。一般市民がテレビの国会中継を見ても、「議論が細かすぎる」と辟易するのではないか。


【第204-213】岩上安身のIWJ特報!知られざる福沢諭吉 侵略の肯定、そしてヘイトスピーチ~名古屋大学名誉教授・安川寿之輔氏インタビュー 2015.7.2

記事公開日:2015.7.2 テキスト独自

 「『強い日本』。それを創るのは、他の誰でもありません。私たち自身です。『一身独立して一国独立する』。私たち自身が、誰かに寄り掛かる心を捨て、それぞれの持ち場で、自ら運命を切り拓こうという意志を持たない限り、私たちの未来は開けません」――。

 これは、2013年2月28日、第183回通常国会における、安倍総理の施政方針演説の中の冒頭の一節である。


「戦後70年を検証せずに、日本の未来は語れない」――柳澤協二氏らが国際地政学研究所ワークショップで討議、「戦後世代の日本人は近現代史に疎いのが弱点」との指摘も 2015.6.17

記事公開日:2015.7.2取材地: テキスト動画

 国際地政学研究所は、2015年の通年テーマに「戦後70年」を掲げている。7月には、同研究所としてのメッセージを発表する予定だ。

 国際地政学研究所理事長の柳澤協二氏は、2015年6月17日、東京都内で開かれた同研究所のワークショップで、安倍晋三首相が今夏に戦後70年談話を出そうとしている件について、「謝罪を繰り返すのではなく未来志向にする、としているが、戦後の70年で日本に起きた変化を、どう検証するかという課題もあり、それをやらずに日本の未来を語ることは不可能だろう」と語った。


「マスコミ懲らしめなければ」自民党勉強会での発言に懲りない大西英男議員、過去にはセクハラ野次やNHKへの圧力も 〜「TPPで聖域は守られない」!? 岩上安身のインタビューで暴露した自民党の本音とは 2015.7.1

記事公開日:2015.7.1 テキスト

 「マスコミを懲らしめるには広告料収入がなくなることが一番だ。われわれ政治家には言えない。ましてや安倍首相は言えない。文化人、民間人が経団連に働きかけてほしい」

 自民党若手議員が、作家の百田尚樹氏を招いて2015年6月26日に開いた勉強会で、堂々と「言論弾圧」発言を行った大西英男氏。党から厳重注意処分を受けたにも関わらず、30日には国会内で記者団に再び「マスコミを懲らしめなければ」と語った。


戦場で、人を殺し、殺される国へ ―― 「戦争法案」のどこが問題か。憲法学者・愛敬浩二名古屋大学教授が徹底解説! 2015.6.24

記事公開日:2015.7.1取材地: テキスト動画

 「大切なのは、この70年間、海外の戦場で、ひとりも殺さず、ひとりも殺されなかった戦後日本が、戦場で人を殺し殺される国へと転換する、という観点だ」――。

 安全保障関連法案を、「戦争法案」「平和法案」「安保法案」、いずれで呼ぶか。「安保法案」の呼称を用いる愛敬氏は、その理由から、法案の本質、問題点を論じる。

 2015年6月24日(水)、名古屋YWCAビッグスペースで名古屋大学大学院法学研究科教授であり、国民安保法制懇のメンバーでもある愛敬浩二氏が講演した。


地学、歴史、哲学、教育──。アカデミズム「14研究団体」が安保法案撤回を要求 ~「憲法9条が蹂躙されかけている」と非難 2015.6.24

記事公開日:2015.7.1取材地: テキスト動画

※7月1日テキストを追加しました!

 2015年6月4日に行われた衆議院の憲法審査会で、憲法学者の長谷部恭男氏、小林節氏、笹田栄司氏の3人全員が「安保法案は憲法違反」と表明。政府・与党が進める、集団的自衛権の行使を可能にするなどの安全保障関連法案の動きは、これによって「潮目が変わった」と見る向きが多い。

 つまり、この「違憲表明」で、安倍晋三政権の非立憲型政治に対する憲法学者らの怒りが目立つものとなり、「憲法学者 v.s. 安倍政権」の構図が、国民から見えやすい場所に作られたと言える。6月14日のテレビ朝日「報道ステーション」で発表された、憲法学者を対象にした安保法案に関するアンケートの結果では、回答者151人のうち84.1%が「安保法制は違憲」としている。


美浜原発3号機、期限切れで審査打ち切りか、運転不可の可能性を示唆~田中俊一原子力規制委員長定例記者会見 2015.7.1

記事公開日:2015.7.1取材地: テキスト動画

 2015年7月1日(水)14時30分より、東京・六本木の原子力規制庁で田中俊一・原子力規制委員会委員長による定例会見が行われた。美浜原発3号機は、運転開始後40年を越える来年2016年11月30日までに再稼働に必要な審査に合格することが時間的に厳しく、委員長は運転不可になる恐れもあるとの考えを示した。


「沖縄の歴史も知らず、簡単に沖縄のメディアを潰せると思うな」――反撃の狼煙上がる! 百田尚樹氏に「絶対潰さなあかん」と名指しされた沖縄2紙の記者が語った“覚悟”! 2015.6.30

記事公開日:2015.6.30取材地: テキスト動画

 沖縄の歴史も知らずに、そう簡単に沖縄のメディアを潰せると思うな――。

 自民党の報道弾圧に反撃の狼煙があがった。

 6月25日に開かれた自民党の勉強会で作家・百田尚樹氏が「沖縄の二つの新聞社は絶対に潰さなあかん」などと発言し、その場にいた自民党議員らも「沖縄の特殊なメディア構造をつくってしまったのは戦後保守の堕落。左翼勢力に完全に乗っ取られている」「マスコミを懲らしめるには、広告料収入がなくなるのが一番」などと同調した。

 メディアはこれを問題視して大々的に報じ、野党も連日国会で責任を追及。波紋が広がっている。