日刊IWJガイド・非会員版「元自衛官・矢野義昭教授がバフムート陥落は時間の問題、兵站能力で劣り、人的損耗も甚大で『ウクライナ軍はまもなく大敗北を喫し戦争終結』と発表!」2023.3.6号~No.3826号


┏━━【目次】━━━━
■はじめに~元自衛官・矢野義昭教授が「ウクライナ軍はまもなく大敗北を喫し戦争終結」と発表! バフムートは「2014年以降、NATO(北大西洋条約機構)の支援も受けながら全都市の要塞化」された拠点、ウクライナ軍は「人的損耗も甚大、既に崩壊状態」!「9万人から10万人のNATO諸国の軍人」が戦闘現場に!

■IWJは最大の経済的危機です! 2月のご寄付は173件241万6500円、目標達成率62%でした! ご寄付をお寄せいただいた皆さまありがとうございました! 月間の目標額より38%も下回っており、毎月、赤字がたまり続けている状況です!「新たな戦争前夜」にあって、偏向メディアにかわって、正確な情報をお届けすべく、IWJは精いっぱい頑張りますので、3月こそは月間目標額を達成できますよう、緊急のご支援のほど、どうぞよろしくお願いします!

■IWJは、市民の皆さまお一人お一人の会費とご寄付・カンパで運営しています。2月のご寄付者様のご芳名を、感謝を込めて順次掲載させていただきます! IWJの経済危機に手を差し伸べてくださった皆さま、誠にありがとうございます!

■「西側メディアはNATOの宣伝をするちんどん屋に成り下がった。いいわねっ! その通り!」、ご寄付者様からメッセージをいただきました! ここに感謝を込めて紹介させていただきます!

■【中継番組表】

■<シリーズ特集! 福島第一原発事故から12年、進む事故への危機感と恐怖の記憶の風化! 他方、急激に高まる原発への武力攻撃リスク!><IWJ取材報告 1>環境省は法的根拠もなく、福島第一原発事故の「除染土再利用実証実験」を強行しようとしている!~1.24「新宿御苑への放射能汚染土持ち込みに反対する会」発足集会―登壇:満田夏花氏(国際環境NGO FoE Japan事務局長)ほか

■<IWJ取材報告 2>山城博治氏「安保3文書は沖縄が戦場になることを公言している恐ろしい閣議決定! 沖縄は黙ってはいない、私たちは簡単には殺されない!!」~島々を戦場にするな! 沖縄を平和発信の場に! 2.26緊急集会

■愚かな軍拡!! 危機的な日本の経済・財政の現実を直視すれば、日本が軍拡し、戦争に参戦したら、たちまち日本経済・財政も国民の家計も破綻するということが誰にでもわかる!~2月発行の「岩上安身のIWJ特報!」は、2022年10月10日収録の「岩上安身によるエコノミスト・田代秀敏氏連続緊急インタビュー」から抜粋し、詳細な注釈をつけて発行しました!「岩上安身のIWJ特報!」は、まぐまぐ大賞2022のジャーナリズム部門で1位になりました! ぜひ「まぐまぐ」からご登録ください!! バックナンバーの単独購入も可能です! サポート会員になればバックナンバーをすべて読めます! ぜひ、サポート会員に登録を!!
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■はじめに~元自衛官・矢野義昭教授が「ウクライナ軍はまもなく大敗北を喫し戦争終結」と発表! バフムートは「2014年以降、NATO(北大西洋条約機構)の支援も受けながら全都市の要塞化」された拠点、ウクライナ軍は「人的損耗も甚大、既に崩壊状態」!「9万人から10万人のNATO諸国の軍人」が戦闘現場に!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 元自衛官(2006年退官)で、拓殖大学客員教授、日本経済大学大学院特任教授、岐阜女子大学客員教授である矢野義昭氏が3月1日、「ウクライナ軍はまもなく大敗北喫し戦争終結、これだけの証拠 –紛争の東アジア飛び火に備えて日本がすべきこと」と題した記事を『JBプレス』で発表しました。

 矢野氏は、久留米陸上自衛隊幹部候補生学校に入校、以降普通科(歩兵)幹部として、兵庫地方連絡部長、第一師団副師団長兼練馬駐屯地司令などを歴任しました。

※ウクライナ軍はまもなく大敗北喫し戦争終結、これだけの証拠(矢野義昭、JBプレス、2023年3月1日)
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/74137

※矢野義昭のプロフィール(JBプレス、2023年3月5日閲覧)
https://jbpress.ismedia.jp/search/author/%E7%9F%A2%E9%87%8E%20%E7%BE%A9%E6%98%AD

 2022年11月16日、米軍制服組トップであるマーク・ミリー統合参謀本部議長が「ウクライナの軍事的勝利が近く起きる確率は高くない」、「ロシアが撤退するという政治的解決策が存在する可能性はある」と述べました。

※短期的なウクライナの軍事的勝利、確率高くない=米軍制服組トップ(ロイター、2022年11月16日)
https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-usa-pentagon-assessment-idJPKBN2S624Y

 同時期、トランプ政権で国防省顧問を務めたダグラス・マグレガー米陸軍退役大佐も、『アメリカン・コンサーバティブ』で、「西側メディアで人気の高い『ウクライナの勝利』の物語とは裏腹に、バイデン政権はそれと矛盾する情報を遮断しているが、ウクライナは勝利しておらず、この戦争に勝てない」と指摘していました。

※Washington’s Carthaginian Peace Collides With Reality(Douglas Macgregor、The American Conservative、2022年11月29日)
https://www.theamericanconservative.com/washingtons-carthaginian-peace-collides-with-reality/

 それでも、いまだに日本を含む西側諸国の政府と主要メディアは「ウクライナ優勢、ロシア劣勢」キャンペーンを続けています。

 矢野氏の記事を掲載した『JBプレス』は一方で、矢野氏の記事の3日後となる3月4日、渡部悦和氏による「なぜロシア軍はこれほど弱いのか、中国人民解放軍が徹底分析――台湾統一を見据え、ロシアの失敗から多くを学ぶ目的」と題する記事を出しました。

 「ロシア軍は(思っていたよりもずっと)弱い」、「ロシアは失敗している」といった、いわゆる「ロシア劣勢」キャンペーン記事の典型です。

 渡部氏は、英国防省、戦略国際問題研究所(CSIS)、『エコノミスト』などを引き、「2月末の時点におけるロシア軍の死傷者は20万人で、死者数は6万人に上る可能性」がある、「ロシアは、イランや北朝鮮から弾薬や兵器を入手する努力をしているが、それでは不足を賄えない」ため「中国から弾薬や兵器を入手」しようとしているといった情報を紹介しています。

 渡部氏は東大卒で陸上自衛隊から、外務省安全保障課への出向、ドイツ連邦軍指揮幕僚大学へ留学、防衛研究所副所長、陸上幕僚監部装備部長、第2師団長、陸上幕僚副長を経て2011年に東部方面総監を歴任(2013年退官)した経歴をもつエリート自衛官です。現在は、ハーバード大学アジアセンター・シニアフェローでもあります。

 矢野氏と渡部氏、同じ陸上自衛隊出身者でも、真逆と言ってもいいほど、情勢判断が異なるのは、異様な感じがします。

※なぜロシア軍はこれほど弱いのか、中国人民解放軍が徹底分析――台湾統一を見据え、ロシアの失敗から多くを学ぶ目的(渡部悦和、JBプレス、2023年3月4日)
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/74193

※渡部悦和のプロフィール(JBプレス、2023年3月5日閲覧)
https://jbpress.ismedia.jp/search/author/%E6%B8%A1%E9%83%A8%20%E6%82%A6%E5%92%8C

 IWJは、昨年11月、西側の主要メディアが「ウクライナ軍がヘルソン市を奪還」と、さも「ウクライナ軍が優勢」であるかのように報じた時、ウクライナ軍によるダム破壊計画によって数十万人の住民が被害を受ける可能性があったために、ロシア軍は住民を保護するために戦略的に撤退したことを報じました。

※ウクライナ軍が、ロシアが併合を宣言したヘルソン州の州都ヘルソン市を奪還! しかしロシア軍は、自ら戦略的撤退をしたと発表! さらにカホフカ水力発電所を攻撃したのは、ロシア軍か、ウクライナ軍か!? この点でも、両者でまったく食い違う言い分!(日刊IWJガイド、2022年11月14日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51537#idx-4

 また、2023年に入って、激戦が続くウクライナ東部要衝都市バフムート地域のソレダールをロシア軍が制圧したというニュースを、西側メディアがなかなか報じようとしない中、IWJはいち早くお伝えしました。

※「文字通り自軍の兵士の死体を踏み越えて前進する」激戦が続くバフムート地区で、戦局に転換点! 地下要塞・ソレダール塩鉱山と、幹線道路と鉄道のネットワークをもつ、ドンバスのウクライナ軍部隊への補給路の要衝地・ソレダール市を、ロシア軍側が制圧したと発表! 米国内では外交的解決を求める声と、ウクライナへの軍事支援を緊急に劇的に増加させるべきという声がせめぎ合うが、いずれの立場も「時間はウクライナに味方しない」という1点で共通!(日刊IWJガイド、2023年1月17日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51770#idx-5

 矢野氏の記事に戻ります。

 矢野氏が「ウクライナ軍はまもなく大敗北を喫」すると判断した根拠は、バフムートは陥落寸前であること、兵站能力がウクライナ軍はロシア軍に圧倒的に劣っていること(ミサイル・砲弾など弾薬類の補給能力は10分の1以下)、NATOの見積りの2倍の備蓄量と3倍以上の緊急生産能力をロシア側は保持している可能性があること、ウクライナ軍の人的損耗が甚だしく、すでに崩壊状態に等しいこと、などです。

※ここから先は【会員版】となります。会員へのご登録はこちらからお願いいたします。ぜひ、新規の会員となって、あるいは休会している方は再開して、御覧になってください!

https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

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■IWJは最大の経済的危機です! 2月のご寄付は173件241万6500円、目標達成率62%でした! ご寄付をお寄せいただいた皆さまありがとうございました! 月間の目標額より38%も下回っており、毎月、赤字がたまり続けている状況です!「新たな戦争前夜」にあって、偏向メディアにかわって、正確な情報をお届けすべく、IWJは精いっぱい頑張りますので、3月こそは月間目標額を達成できますよう、緊急のご支援のほど、どうぞよろしくお願いします!

 おはようございます。IWJ代表の岩上安身です。

 いつもIWJをご支援いただきまして、誠にありがとうございます。

 IWJの第13期も半期の折り返しを過ぎ、この3月で8ヶ月目に入りました。

 2月1日から28日までの28日間でいただいたご寄付が確定しました。173件241万6500円でした。これは、単独月間目標額390万円の62%に相当します。ご寄付をお寄せいただいた皆さま、まことにありがとうございました。大切に、効果的に使わせていただきます。

 しかし、月間の目標額額より38%下回っており、毎月、赤字が増え続けていることにはかわりありません! 今月3月こそは、390万円という月間目標額をクリアし、できれば積み上がった赤字部分を少しでも皆さまのお力で削らせていただきたいと存じます! 3月の不足分も含めて、第13期の目標の累積してしまった不足額は1655万4500円に達しています!

 3月の1日から3日までの3日間でいただいたご寄付は、19件、25万1000円となっています。これは月間目標額390万円の6%にあたります。ご寄付をお寄せいただいた皆さま、まことにありがとうございます。

 3月も、どうぞ緊急のご支援をお願いしたいいたします!

 IWJの内部留保も底を尽き、キャッシュフローが不足したため、私、岩上安身が、個人的な私財から、500万円かつ2回にわたってIWJにつなぎ融資しました。

 私がこれまでにIWJに貸し付けてまだ未返済の残高は約600万円。これにつなぎ融資1000万円と合計すると、IWJへの私の貸し付け残高は約1600万円にのぼります。

 私の貯えなどたかがしれていますから、この先も同様の危機が続けば、私個人の貯えが尽きた時、その時点でIWJは倒れてしまいます。

 皆さまにおかれましても、コロナ禍での経済的な打撃、そしてこのところの物価上昇に悩まされていることとお察しいたします。

 しかし、ご寄付が急減してしまうと、たちまちIWJは活動していけなくなってしまいます。IWJの運営は会員の方々の会費(最近の流行語ではサブスク)とご寄付・カンパ(最近の用語でいえばドネーション)の両輪によって成り立っていますが、それが成り立たなくなってしまいます。

 2023年、「新たな戦争前夜」を迎えて、私、岩上安身とIWJは、少しでも正確な情報を皆さまにお届けできるように、その結果として、日本が戦争突入という悲劇に見舞われないように、無謀な戦争を断固阻止するために全力で頑張ってゆきたいと思います。

 先月、2月における、最も特筆すべきエポックメイキングな出来事は、ピューリッツァー賞を受賞した経歴をもつ、米国屈指の独立調査報道ジャーナリストであるシーモア・ハーシュ氏が、米国が、ノルウェーと協力し、ドイツとロシアを直接つなぐ天然ガスパイプライン・ノルドストリームを爆破したという驚愕のスクープを出したことでしょう。日本の新聞・テレビなどのメインストリームメディアは、一切このスクープを報じませんでした。

 IWJは、全文の仮訳を進め、全4回を号外でお送りしました。

※【IWJ号外】ドイツとロシアを結ぶ天然ガスパイプライン・ノルドストリームを爆破したのは、米国だった! ピューリッツァー賞を受賞した米国の最も著名な独立調査報道ジャーナリスト、シーモア・ハーシュ氏が大スクープ!(その1~4)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e3%82%b7%e3%83%bc%e3%83%a2%e3%82%a2%e3%83%bb%e3%83%8f%e3%83%bc%e3%82%b7%e3%83%a5

 私は、ロシア軍がウクライナに侵攻して1年となる2月24日の岸田総理会見で、ハーシュ氏のスクープについて岸田総理に直接、質問しました。

 私が「日本政府は、このノルドストリーム爆破疑惑について、独自に検証や調査を行なっているのでしょうか?」と質問したのに対し、岸田総理は、「米政府は完全なるフィクションであるという評価をしております」「ノルウェー外務省もナンセンスと言っています」「多くの国においてこうした記事に関しては、否定的な評価がされている」とはぐらかし、日本政府・日本国総理としての判断を示しませんでした。

※【IWJ代表:岩上安身質問】ノルドストリーム爆破疑惑について、日本は独自に検証や調査を行なっているのか?岸田内閣総理大臣記者会見ー令和5年2月24日(Movie IWJ)
https://www.youtube.com/watch?v=9uUrTxr_Mss

※はじめに~岩上安身が岸田総理に対して会見で質問!~(日刊IWJガイド、2023年2月25日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51926#idx-1

 このウクライナ紛争は、米国主導の戦争です。

 ハーシュ氏のスクープが事実であれば、米国は、同盟国のドイツも多額の出資をしたノルドストリーム・パイプラインを爆破し、ドイツとロシアの仲を引き裂き、ウクライナを戦場にして、欧州とロシアの友好的な関係を完全に破壊し、欧州に天然ガスと石油を高値で売りつけて市場を奪い取ったということになります。

 IWJでは、独自のIWJ検証レポートで、ノルドストリームの成り立ちから、爆破に至るまで、断続的に連載し、米国がノルドストリームを何としても阻みたいと思っていた事実をお伝えしています。3月3日・4日には、この日刊IWJガイドで、第5弾をお届けしました。ノルドストリームの建設の経緯で、米国が他国のプロジェクトというのに、どれだけ不当に介入する制裁を操り出していたことか、これまで日本ではまったく報じられなかった事実をお伝えします。

※IWJ検証レポート!「米国が狙った独露間の天然ガスパイプライン・ノルドストリームの阻止!! その5」~トランプ氏は2024年大統領選へのキックオフイベントで、もし自分が大統領だったら、24時間以内にウクライナ紛争を解決できる」とスピーチ!(日刊IWJガイド、2023.3.3号)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51950#idx-6

※IWJ検証レポート!「米国が狙った独露間の天然ガスパイプライン・ノルドストリームの阻止!! その5(続編)」~2017年、米国は制裁第1弾「敵対者に対する制裁法(CAATSA)」を発動! 爆破されたノルドストリームを一番邪魔に思っていたのは米国だった! しかし米国の制裁を振り切って2018年「ノルドストリーム2」着工!(日刊IWJガイド、2023.3.4号)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51958#idx-7

 ハーシュ氏のスクープが事実であれば、米国は、国家テロを起こして、他国を都合よく操作する、邪悪な帝国主義国家である、という疑惑が急浮上したことになります。こんな「帝国」によって、日本はウクライナと同様に、次に米国が仕掛ける対中戦争の「代理戦争」のコマとされるかもしれないことに、日本国民は真剣な疑念と危機感を抱く必要があります。

 岸田文雄総理は、1月早々に昨年末閣議決定した「改定版安保3文書」を携えて訪米、バイデン大統領と会談し、日本の軍拡をバイデン大統領から賞賛されて岸田総理は鼻高々でした。

 しかし国会での議論と承認がなされなくても、閣議決定し、米国からの承認があれば軍拡のアクセルを踏んでしまう岸田政権は、日本の主権を米国に丸投げしたも同然です。米国を守るために日本が代わりに犠牲となり、日本は米中の「代理戦争」の戦場とされてしまいます。

 上記の24日の岸田総理会見で、私は、「米国は誠実な同盟国なのかどうか、疑いの出ている中、日本の安全保障を米国に丸ごと委ねていていいのか」、「有事の際の自衛隊の指揮権まで米国に渡してしまっていいのか」と問いました。

 岸田総理は「自衛隊及び米軍は、各々独自の独立した指揮系統に従って行動をする、これはいうまでもないこと」などと、自衛隊の指揮権は独立して存在しているかのように述べました。しかし、この総理の発言は、事実と異なります。従来の幕僚長を事実上廃止し、新たに米軍との「統合司令部」を設置する「安保3文書」の改定は、自衛隊を米軍の司令下におく「2軍」にしてしまうものです。

 昨年12月15日に私がインタビューした、元外務省国際情報局長・孫崎享氏は、「日本がミサイルみたいなものを持つ。しかし、(ミサイルを撃つ目的地を指示するのは米国で)日本人自身が判断はできないんですよ」と語っています。

孫崎氏「これ(ウクライナ紛争)、日本でも同じことが起こるんですよ。例えば、ロシアの戦車がいますよね。それを『撃て』と。じゃ、その『撃て』という指示がどこから来るのか。

 当然ながら、(ロシアの戦車の位置などの情報は)情報衛星で取っているわけです。その情報衛星は誰が運営しているかと言ったら、ウクライナ人が運営してるわけじゃないわけだから、アメリカですよね。

 だから、戦争で『どこに撃て』という指示は、ウクライナは引き金を引いてるかもしれないけれども、指示はアメリカから来ているわけですよ。

 例えばロシア(領内のロシア空軍基地の)飛行場に(ウクライナ側がドローンで)撃ちましたよね。『このポイントに撃った方がいい』というのをウクライナ人が判断しましたか。してないんですよ。

 おそらく、それと同じことは東アジアで起こるんですよ。日本がミサイルみたいなものを持つ。その時に、どこか、目的地に向かって撃つ。しかし、その目的地を日本人自身が判断はできないんですよ」

※「ウクライナと同じで戦場になってガチャガチャになるのは日本だけ」~12.15 岩上安身によるインタビュー第1107回 ゲスト 元外務省国際情報局長 孫崎享氏インタビュー 2022.12.15
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/512936

 自衛隊が米軍と司令部を統合してしまい、自身で状況判断するための目と耳(情報衛星他)をもたず、独自に判断する頭(内閣に直結した独立した司令部)をもたない、そんな日本が、安全保障において、米軍から独立した主権をもつ、といくら岸田総理が口先だけで言っても、自衛隊のリアルな現実を国民に説明していることにはなりません。

 2月28日、衆議院本会議は与党の賛成多数で、「安保3文書」の改定を踏まえ、防衛費を大幅増額した2023年度予算案を可決しました。過去最大の114兆3812億円に上る2023年予算案は、参議院が仮に可決せずとも、3月中に自動成立してしまいます。

 日本は、このまま米国追従を続け、米国の一極覇権を支えるために、日本自らは世界最悪の財政危機に直面しているというのに、米国の要請に従って、軍拡という重い財政支出を重ねてゆくのはあまりに愚かではないでしょうか!?

 そもそも日本が依存している米国は、誠実な、信頼に値する同盟国といえるのでしょうか!?

 日本は、米国への依存から脱却をはかり、独立した主権国家として、「敵」を作らない、多極的な外交姿勢をめざすべきではないでしょうか?

 皆さまにはぜひ、マスメディアが真実を伝えない、こうした問題について、IWJが追及を続けてゆくために、どうか、会員登録と緊急のご寄付・カンパによるご支援をどうぞよろしくお願いしたく存じます。

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みずほ銀行
支店名 広尾支店
店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル

城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル

ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
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 どうか、ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます!

岩上安身

■IWJは、市民の皆さまお一人お一人の会費とご寄付・カンパで運営しています。2月のご寄付者様のご芳名を、感謝を込めて順次掲載させていただきます! IWJの経済危機に手を差し伸べてくださった皆さま、誠にありがとうございます!

 2月は28日間で、173件241万6500円のご寄付・カンパをいただきました。ご寄付をくださった皆さま、本当にありがとうございます。

 ここに感謝のしるしとして、掲載の許可をいただいた方84名様につきましては、順に、お名前を掲載させていただきます。また、弊社ホームページにも掲載させていただくと同時に、ツイッター、フェイスブック等のSNSにて告知させていただきます。

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T.M. 様
T.Y. 様
吉田 純司 様
T.I. 様
H.I. 様
庄司 芳幸 様
N.A. 様
N.H. 様
藤田利光 様
小松伸吾 様
松本益美 様
小田嶋 義美 様
H.I. 様
Y.N. 様
Y.S. 様
T.Y. 様
塩川晃平 様
白川智隆 様
金 盛起 様
荒井伸夫 様

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 皆さま、インフレの激しい情勢下、誠にありがとうございました。

 いただいたご寄付は、大切に、また有効に活用させていただきます。

 今後とも、ご支援をよろしくお願い申し上げます。

■「西側メディアはNATOの宣伝をするちんどん屋に成り下がった。いいわねっ! その通り!」、ご寄付者様からメッセージをいただきました! ここに感謝を込めて紹介させていただきます!

 ご寄付者様からメッセージをいただきました。

 メッセージひとつひとつに、岩上安身が返信を書かせていただきます! ぜひ嬉しい励ましのメッセージ、あるいは、ご質問やご提案などにもお答えしますので、お寄せください! ただし、会員の方で、ご寄付者様からのメッセージのみとさせていただきます!

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 西側メディアはNATOの宣伝をするちんどん屋に成り下がった。

 いいわねっ! その通り! あまりに気に入ったから、追加で寄付します。

 IWJさんの報道だけが頼りです。これからも頑張って下さい。

(N.T. 様)

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 N.T. 様

 ありがとうございます!

 日本のマスメディアはもちろんですが、欧米のマスメディアも、日本ほどひどくはないかもしれませんが、ウクライナ紛争に関しては、反ロシア、ロシア恐怖や憎悪という感情をベースに、きわめて偏った報道・論評を約1年間も続けていることは事実ですし、非常に残念なことです。

 IWJで何度か報じたように、NATOへの拒否、NATOは出ていけ、ロシアとウクライナは即時停戦を、といったプラカードを掲げたデモが、欧州各国のあちこちで、何度も行われています。しかし、IWJ以外の新聞・テレビなどのマスメディアで、こうした欧州市民のNATOへの反発や批判の声を上げる市民の姿や動きを伝えるメディアは、日本ではほぼ皆無です。

※日本のマスメディアが伝えない欧州の現実! インドメディア『WION』が、フランスの「反NATO」デモをレポート!「NATOから離脱しよう!」、「Let’s get out of NATO!」「NATOのためにフランスはウクライナの『巻き添え被害』を受けている」! フランスの高級紙『ル・モンド』は、石油会社従業員による賃上げデモを報じるも、「反NATO」デモはスルー!? 米英NATOウクライナのために、『巻き添え被害』を恐れているのは日本も同じ!! メディアの情報操作によって、その事実にすら気づかない日本国民!(日刊IWJガイド、2022年10月17日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51419#idx-6

 「誰も伝えなかったとしたら、事実は存在しなかったことになる」というのは、真理です。

 ウクライナの戦況報道を伝える地上波の報道番組を見ていると、ウクライナはもちろん、米国も、欧州も、もちろん日本も、どこの国のどんな市民も、1人残らず、何の迷いもなく、「戦い続けるウクライナ」を応援している、という建て付けで構成されています。まるで、ワールドカップにおける日本代表チームの応援番組のようです。

 これが当たり前、という感覚を醸成し続ける、というのは、戦争プロパガンダであって、報道ではありません。

 IWJは、こうした「米欧日その他」の国々のメディアの「北朝鮮化」に抗い続け、真実をお伝えし続けたいと思います。

 どうぞ、今後ともご支援のほど、よろしくお願いいたします!

 岩上安身


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◆中継番組表◆

**2023.3.6 Mon.**

調整中

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◆中継番組表◆

**2023.3.7 Tue.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ_YouTube Live】15:00〜「岩上安身による 神奈川新聞記者 田崎基氏インタビュー」
視聴URL(冒頭以降は会員限定)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/420867

これまでIWJが報じてきた田崎基氏の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e7%94%b0%e5%b4%8e%e5%9f%ba

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

環境省は法的根拠もなく、福島第一原発事故の「除染土再利用実証実験」を強行しようとしている!~1.24「新宿御苑への放射能汚染土持ち込みに反対する会」発足集会―登壇:満田夏花氏(国際環境NGO FoE Japan事務局長)ほか 2023.1.24
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/513722

馬奈木弁護士が行った不同意性交は、上下関係で逃げ道を遮断する最も典型的な『エントラップメント』型ハラスメントのど真ん中!~3.3 馬奈木厳太郎弁護士によるセクハラ被害者本人と代理人弁護士による記者会見 2023.3.3
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/514486

「広島では『はだしのゲン』を教育材料にはしないとしたついでに、第5福竜丸(被曝)の件も教科書から削除されるらしい。こんなバカみたいなことは、安倍の国葬が終ってから特にひどい」~3.4 原発反対八王子行動 2023.3.3
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/514491

「水道水に起因するのか? 依然、高い数値がでた沖縄のPFAS血中濃度」原田准教授 ~12.18「血液検査から見えてきた沖縄のPFAS汚染!」原田浩二 京都大学准教授 講演会 2022.12.18
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/512968

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■<シリーズ特集! 福島第一原発事故から12年、進む事故への危機感と恐怖の記憶の風化! 他方、急激に高まる原発への武力攻撃リスク!><IWJ取材報告 1>環境省は法的根拠もなく、福島第一原発事故の「除染土再利用実証実験」を強行しようとしている!~1.24「新宿御苑への放射能汚染土持ち込みに反対する会」発足集会―登壇:満田夏花氏(国際環境NGO FoE Japan事務局長)ほか

 1月24日(火)午後7時から、四谷地域センターにて、「新宿御苑への放射能汚染土持ち込みに反対する会」の発足集会が開かれました。

 2011年3月11日に起きた東京電力福島第一原発事故で、放射性物質が環境中に放出されました。放射性物質を含んだ除染土は回収され、福島県内にある「中間貯蔵施設」を仮置場(2045年度まで)として、現在、保管されています。

 環境省は、それら除染土を、東京都の新宿御苑、埼玉県所沢市の環境調査研修所、茨城県つくば市の国立環境研究所へ、「除染土再利用実証実験」のためとして、運び込む計画を示しています。

※環境省 新宿御苑 実施予定の実証事業に関する説明会
http://josen.env.go.jp/chukanchozou/facility/recycling/outside_fukushima_prefecture/pdf/info_session_221221.pdf

※県外最終処分に向けた取組(環境省)
http://josen.env.go.jp/chukanchozou/facility/effort/

 除染土を「再利用」する根拠は、「平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法」、通称「放射性物質汚染対処特措法(以下、特措法)」です。

 同法の基本方針で、「5.除去土壌の収集、運搬、保管及び処分に関する基本的事項」に、「また、仮置き場の確保等の観点から、除去土壌について、技術の進展を踏まえつつ、保管又は処分の際に可能な限り、減容化を図るとともに、減容化の結果分離されたもの等汚染の程度が低い除去土壌について、安全性を確保しつつ、再生利用等を検討する必要がある」との記述があります。

 しかし、これは閣議決定による基本方針であり、「国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である」国会で定められた法律ではありません。

※平成二十三年三月十一日に発生した東北 地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法基本方針(環境省、2011年11月11日)
https://www.env.go.jp/press/files/jp/18581.pdf

 特措法は、「除去土壌の処理の基準等」における第41条で、「除去土壌の収集、運搬、保管又は処分を行うものは、環境省令で定める基準に従い、当該除去土壌の収集、運搬、保管又は処分を行わなければならない」と定めています。これら条文に「再利用」という文言はありません。

※平成二十三年法律第百十号 平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法(e-Gov)
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=423AC1000000110

 仮に「再利用」するならば、その為に定められた「クリアランス制度」があります。資源エネルギー庁は、「クリアランス制度」について、以下のように説明しています。

 「『クリアランスレベル』とは、放射能レベルがきわめて低く、人の健康に対する影響を無視できるレベル(年間0.01ミリシーベルト)であるものを指します。そのレベルは、自然界の放射線から受ける放射線量(日本平均で年間約2.1ミリシーベルト)の100分の1以下に相当します」、「クリアランスレベル以下の廃棄物のうち、原子力規制委員会による確認を受けたものについては、”放射性廃棄物として扱う必要のないもの”、つまり産業廃棄物として、再利用または処分できる制度が設けられています。それが、『クリアランス制度』です。この制度は、2005年の『原子炉等規制法改正』によってさだめられました」。

※廃炉からのゴミをリサイクルできるしくみ「クリアランス制度」(経済産業省資源エネルギー庁、2019年2月15日)
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/clearance.html

 しかし、環境省は、「再利用する」ための原子炉等規制法で定められたクリアランス基準の「100ベクレル」を確認しておきながら、その80倍に値を引き上げた「8000ベクレル」を、「処理する」ための基準として、持ち出しています。

 これは「再利用」のための基準ではなく、「処理」のための基準です。環境省は、以下のように説明しています。

 「1.原子炉等規制法に基づくクリアランス基準※(100Bq/kg)について廃棄物を安全に再利用できる基準です。運転を終了した原子力発電所の解体等により発生するコンクリート、金属を想定し、原子力発電所や一般社会での再利用を推進するために定めた基準です。廃棄物を再生利用した製品が、日常生活を営む場所などの一般社会で、様々な方法(例えばコンクリートを建築資材、金属をベンチなどに再生利用)で使われても安全な基準として、放射性セシウムについて100Bq/kg以下と定められています」

※100Bq/kg と 8,000Bq/kg の二つの基準の違いについて(環境省廃棄物・リサイクル対策部)
https://www.env.go.jp/content/900481585.pdf

 環境省は、「再利用」の法的根拠がなく、原子力規制委員会が確認し、「再利用」できる基準を定めたクリアランスレベルも守らず、「除染土再利用実証実験」を強行しようとしているのです。

 1月24日の集会に登壇した、国際環境NGO、FoE Japan事務局長の満田夏花(みつたかんな)氏は、次のように指摘しました。

 「原発事故前は、環境中に放射性物質が拡散することは想定されていませんでした。原子炉等規制法とかが律していたんです。つまり、環境中の放射性物質については、いまだにきちんとした、それを律するための法律がない状況が続いているんです。

 それが、今のような状況を引き起こしているという風に考えられ、本来であれば(大気汚染防止法や水質汚濁防止法、土壌汚染対策法等のような)放射性物質汚染防止法とか、そういうものが必要だということだと思います」

 集会呼びかけ人の平井玄氏は、「新宿という街は、いろんな人が集まる街なので、いわば関東圏の交差点のような所ですね。ですから、運動の作り方もいろいろ工夫して、皆さんとやっていきたいと思います。演劇人も音楽家も、物書きの方もいろんな方、映画人もたくさんいますから、その人たちと協力してやっていけたらなと思います」と、述べました。

 そのほか、「さよなら原発in所沢連絡会」の村上三郎氏、Zoom形式による参加で、「NPO法人福島県有機農業ネットワーク」の菅野正寿氏、集会にアピール文を届けた「原発いらない福島女たちの会」の黒田節子氏、「原子力資料情報室」共同代表の伴英幸氏、竹林舎(NPO法人市民放射能監視センター)、「さようなら原発1000万人アクション事務局」の方々から、汚染土再利用への反対と、集会への連帯のメッセージが訴えられました。

 詳細は、ぜひ全編動画を御覧ください。

※環境省は法的根拠もなく、福島第一原発事故の「除染土再利用実証実験」を強行しようとしている!~1.24「新宿御苑への放射能汚染土持ち込みに反対する会」発足集会―登壇:満田夏花氏(国際環境NGO FoE Japan事務局長)ほか
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/513722

■<IWJ取材報告 2>山城博治氏「安保3文書は沖縄が戦場になることを公言している恐ろしい閣議決定! 沖縄は黙ってはいない、私たちは簡単には殺されない!!」~島々を戦場にするな! 沖縄を平和発信の場に! 2.26緊急集会

 「争うよりも愛しなさい」――。

 2月26日、沖縄県庁前県民広場で、このようなキャッチコピーを掲げて、平和集会が開催されました。主催は「島々を戦場にするな! 沖縄を平和発信の場に! 2.26緊急集会」実行委員会です。

 スピーチに立った、沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松氏は、遺骨と向き合って、いつも「どうしてこの人たちは、殺されなければいけなかったのだろうか? 沖縄が戦争になることを避けることはできなかったのだろうか?」と考えてきたと語りました。

 具志堅氏によると、沖縄戦の生き残りのお年寄りたちに「沖縄戦に反対することはできなかったのですか?」と尋ねると、みんな、「当時は戦争反対を口にすると、すぐに捕まった。自由にものが言えなかった」と答えるのだということです。

 「今はどうにかかろうじて(戦争反対が)言える」と述べた具志堅氏は、「私たちが今選択すべきは、避難やシェルターについてではなく、沖縄を戦場にさせないということです」と訴えました。

 また、台湾有事への懸念について、具志堅氏は「日米両軍が攻撃しなければ始まらない」と述べ、「自衛隊とアメリカに戦争の引き金を引かせないために、私たちが声を上げなければならない」と呼びかけました。

 具志堅氏は「人を殺してはいけない」、「自分が殺されることを認めてはいけない」、「自分で自分を殺してはいけない」という「大事な3つのこと」をあげた上で、「沖縄戦では日本軍から命令され、我々はそれ(に反すること)を受け入れてしまった」と指摘し、こうした過ちを、もう絶対に避けなければならないと訴えました。

 沖縄平和運動センター元議長の山城博治氏は、「アメリカにバイデン政権が登場してから、あまりにも『戦争、戦争』と、戦争を始める準備の声高な声が届いている。日本政府もそれに巻き込まれるように軍備増強に走っている」と指摘し、「政府が進めている、沖縄を滅亡させるこのような軍事政策を、断じて許すわけにはいかない」と訴えました。

 山城氏は、昨年閣議決定された新安保3文書について、「国会での議論も、国民世論も、まして沖縄の話も聞かないで、沖縄が戦場になるということを公言している、恐ろしい閣議決定だ。許せない話だ」と批判し、「(沖縄が)丸ごと食いつぶされる」と訴えました。

 山城氏は「怒涛のように襲いかかる日本政府、ウチナー(沖縄)を丸ごと戦場にして恥ともしない、再び沖縄戦を惹起させて恥ともしない日本政府、ヤマト政府に、沖縄は黙ってはいない。私たちは簡単には殺されないと伝えていきたい」と、決意を語りました。

 その一方で山城氏は、この集会の準備を通じて「怒りと憎しみに満ち溢れている憎悪の世界には入っていけない」という若者世代との議論があったことを明らかにし、「戦場に行くのは我々世代ではなく、まさにそういう若者たちだ」と述べて、世代を超えた団結を呼びかけました。

 4年前の2019年2月24日に実施された沖縄県民投票では、7割以上が辺野古埋立てに反対を表明しました。「辺野古」県民投票の会元代表の元山仁士郎氏は、「これで辺野古基地建設が止まるんじゃないか、必ずやこの訴えは日本政府に、日本の方々に届くんじゃないかと信じていたが、今、うるま市や普天間基地、嘉手納基地の問題はもちろん、宮古島、石垣島、与那国島にも自衛隊が配備され、まさに琉球列島、沖縄一帯が再軍事化されているという状況だ」と指摘した上で、次のように語りました。

 「私たちは、友人や知人、家族や親戚と『何で沖縄戦って起きたんだろうね』ということを話す必要があるのではないでしょうか。

 『やっぱり軍備は必要なんじゃないか』という方もいらっしゃるかもしれません。しかし、『じゃあ、どこにどの程度の軍備が必要なの? こんなに大きな基地がいっぱいあるのに、どこに、また必要なの?』と。

 また、ウクライナのこともよく話題に出されますし、1年が経ちましたけど、基地が狙われるんですよね。じゃあ、基地の周辺に住んでいる私たちって、大丈夫なのかな、というふうなことを訴えていかないといけないと思います。

 そして、戦争が終わったあとも、女性への暴力、弱者への暴力、孤児の問題。(沖縄戦では)孤児が、一人で生活をしていかないといけない方達もいたわけです。

 そういうこともちゃんと考えて、戦争を本当にやった方がいい、軍隊が必要だと言っているのかというようなことを、みんなで話していく必要があると思います。

 そしてその輪を、台湾だとか中国だとか韓国だとか北朝鮮、アメリカ、日本へと、どんどん広げていく必要があると思いますし、自分自身もその取り組みを続けていきたいと思います」

 このほか、会場では、与那国島、石垣島、宮古島の市民団体や、集会に参加した市民らによるリレートークが続きました。

 詳しくは、ぜひ全編動画を御覧ください。

※山城博治氏「安保3文書は沖縄が戦場になることを公言している恐ろしい閣議決定! 沖縄は黙ってはいない、私たちは簡単には殺されない!!」~島々を戦場にするな! 沖縄を平和発信の場に! 2.26緊急集会
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/514384

■愚かな軍拡!! 危機的な日本の経済・財政の現実を直視すれば、日本が軍拡し、戦争に参戦したら、たちまち日本経済・財政も国民の家計も破綻するということが誰にでもわかる!~2月発行の「岩上安身のIWJ特報!」は、2022年10月10日収録の「岩上安身によるエコノミスト・田代秀敏氏連続緊急インタビュー」から抜粋し、詳細な注釈をつけて発行しました!「岩上安身のIWJ特報!」は、まぐまぐ大賞2022のジャーナリズム部門で1位になりました! ぜひ「まぐまぐ」からご登録ください!! バックナンバーの単独購入も可能です! サポート会員になればバックナンバーをすべて読めます! ぜひ、サポート会員に登録を!!

 IWJではメルマガサイト「まぐまぐ」で、「岩上安身によるインタビュー」をテキスト化し、詳細な注釈をつけて「岩上安身のIWJ特報!」として、毎月発行しています。

 2月は、急激な円安と物価上昇について、10月10日収録の「岩上安身によるエコノミスト・田代秀敏氏インタビュー」から抜粋し、詳細な注釈をつけて、第590号から第593号まで4本の記事を発行しました!

※「円安で日本は『買い負け』、マグロの大トロなんて東京では食べたこともないが、上海で中国人に奢ってもらったという日がくる!?」~岩上安身によるインタビュー第1102回 ゲスト エコノミスト・田代秀敏氏 2022.10.10
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/511372

 2013年3月から2期連続で日本銀行総裁を務める黒田東彦(はるひこ)氏が、2023年4月8日で退任します。

 第2次安倍政権のアベノミクスのもと、「異次元の金融緩和」「黒田バズーカ」などと呼ばれた大規模な金融緩和策を実施し、株価を押し上げる一方で、国債の大量買入れによる財政規律の低下、市場の機能低下なども招いた黒田総裁の後任には、経済学者で元日銀審議委員の植田和男氏が決定しています。

 植田氏は2023年2月24日、衆議院で日銀総裁候補として所信表明を行い、「今の金融緩和政策は適切だ」と述べて、黒田総裁の方針を継続する姿勢を示しました。

 「アベノミクス」の提唱者である安倍晋三元総理が死去したことで、大規模な金融緩和政策の修正を始める可能性も想定されましたが、植田氏はそれを否定しました。

 ですが日本の政府債務残高は、対GDP比257%、先進国の中では最悪です。すでに財政状況は「敗戦時レベル」を超えており、実際に日本を含む東アジアにおいて緊張が高まり、膨大な戦費がかかったら、平時の現在ですら危機的な日本の財政は確実に破綻し、開戦しても、戦争を継続する能力を失うでしょう。

 田代氏は、中央銀行が単独で国債の発行残高の半分以上を保有する現状を、「資本主義の歴史上、前代未聞の異常事態」と指摘。この事態を生んだ動きを、破局に向け邁進し、ブレーキをかけることのできなかった日本陸軍のエリートになぞらえます。

 なお、田代氏は、「週刊現代」の取材を受けて、「長期金利が2~3%上昇すれば、借金を重ねている中小企業はバタバタと倒産し、住宅ローンを抱える個人も不動産の投げ売りを迫られます。当然、景気は急激に落ち込み、日本株も暴落するでしょう(※)」とコメントしています。

※まさかの日銀新総裁 植田和男氏就任で株価は7月大暴落へ
(『週刊現代』、2023年2/25号)
https://wgen.kodansha.ne.jp/archives/83512/

 新しい日銀総裁に就任した植田和男氏が、金融緩和の「出口戦略」に舵を切るのかどうか、注目されます。

 以下、2月末に発行した、IWJ特報のタイトルと目次です。IWJ会員ではない方も、ぜひご購読ください。

(第590号目次)
◆中国でGDP成長目標割れ! 世界最大のマーケットである中国経済の減速は、低迷し続けている日本経済のさらなる重石となる!
◆アベノミクスの「プラス」の副産物とされた「株価上昇」「インバウンド」は今や見る影もなく、日本の通貨、株式、債券がすべて売られる「トリプル安」に!
◆AIによって株価が激しく変動する「鉄火場相場」の出現! 日本の株式市場はサイコロを振って「丁、半」とやるようなマネーゲームに!
◆日本国債の半分以上を保有する日銀は、もう限界!「日銀に代わる引き受け手」を財務省の斎藤理財局長が模索! しかしどこに引き受け手がいるのか!?

(第591号目次)
◆かつて全国民に買わせた戦時国債を価値のない紙くずにしてしまった「黒歴史」がある日本! 政府は国債の新しい引き受け手に国民を想定!?
◆「前代未聞の金融緩和」の結果が今。日銀が国債購入をやめるなら「前代未聞の何か」をしなければならない! しかし、それが何であるかは、自民党の政治家はもちろん、財務省の「プロ」の官僚も「わからない」と答えるだろう!

(第592号目次)
◆雪だるま式に膨らんできた日本の政府債務は先進国の中でもダントツ! これは「黒田日銀」の大罪!?
◆日本政府の債務残高は対GDP比256.2%! マネー戦争の「敗戦処理」は緊急事態条項で銀行封鎖を行い、国民全員から財産を根こそぎにする財産税を再び強行すること!?
◆「ドル一強」で米国では産業の空洞化も? グーグルは「安い通貨の日本」で「安い労働者」を集めて「安いデータセンター」を新設!

(第593号目次)
◆米国はコロナ・パンデミックで未曾有の財政出動を実施。米国債の利回りは急上昇、同時にMMT理論は下火に! 日本の通貨・円は世界中の通貨の中で一人負け!これが円安の現実!
◆戦後日本の「交易条件の推移」を知らないと、日本の貿易収支の構造的変化がわからない!! この経済状況をウクライナ危機と絡めるのは「地政学的妄想」!かつてない金融緩和をズルズル続けた上にパンデミックが起きた結果が今!
◆日本が貿易立国だった時代は、すでにはるか昔の話! 企業物価指数は戦後5番目の急上昇。コスト高に耐えきれない企業が、今後、価格転嫁して、消費者物価が急上昇したら、年率20%近いインフレに! 財政も危機的で、パンデミックにインフレ、交易条件も悪い、こんな最悪な条件がそろっている日本で戦争をするというのは、「台風が直撃する時にピクニックをやろう」というようなもの!

 「岩上安身のIWJ特報!」は、まぐまぐ大賞2022のジャーナリズム部門で1位になりました!

 まぐまぐ大賞2022は、2022年にもっとも輝いたメルマガを読者投票とまぐまぐ審査で選出するものです。

 「岩上安身のIWJ特報!」は、2021年の「まぐまぐ大賞2021」のジャーナリズム部門でも第2位に選ばれており、昨年ついに1位を獲得しました。

※まぐまぐ大賞2022部門別賞
https://www.mag2.com/events/mag2year/2022/list.html?cid=journalism&aid=77

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IWJ編集部(岩上安身、六反田千恵、前田啓)

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