日刊IWJガイド・特別公開版「入管における人権侵害は難民だけの他人事ではない! 入管問題を取り上げ続けるシリーズ特集をスタート! 独裁と戦争につながる改憲、緊急事態条項、人権を蹂躙する入管問題を批判し続けるIWJをどうかご支援ください!」2021.05.21号~No.3172号


┏━━【目次】━━━━━━━━━━━━━
■はじめに~入管における人権侵害は難民だけの他人事ではない! 入管問題を取り上げ続けるシリーズ特集をスタート! 5月も3分の2が過ぎましたが、ご寄付は月間目標額の3分の1にとどまっています! 憲法審査会の審議を報じ、独裁と戦争につながる改憲、緊急事態条項、人権を蹂躙する入管問題を批判し続けるIWJをどうかご支援ください!
■【中継番組表】
■19日の憲法審査会詳報!「平成26年参院憲法審の国民投票法附帯決議に照らして、立憲修正案の法改正なくしては改憲発議はできないのは法的に明らか!」立憲・小西洋之議員が維新・松沢成文議員の「身勝手な解釈」発言を論破! 「解釈の齟齬に決着がつかないなら衆院へ送り返すのが参院の矜持」と訴え! 小西議員らの堂々たる主張を見よ! 訊け!
■【緊急シリーズ特集!コロナ禍の陰で着々と進む戦時独裁体制樹立の改憲!今国会での改憲国民投票法強行採決を許すな!! 22】本日午後6時半から2020年11月収録「米中戦争前夜における日本主体の安全保障論(2) バイデン新大統領の誕生で米中関係は? 米中覇権交代がコロナ禍で加速か!? 自発的対米隷従国家・日本はどうする!? 岩上安身によるインタビュー 第1017回 ゲスト 東アジア共同体研究所・須川清司上級研究員」を再配信します!
■<本日の再配信>【緊急シリーズ特集!入管法改悪反対・IWJ_YouTube Live】本日午後4時からウィシュマ・サンダマリさんの葬儀の日に実施された「入管法改悪反対アクション Vol 2 ~ウィシュマさんに想いを寄せて~」を再配信します!
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■はじめに~入管における人権侵害は難民だけの他人事ではない! 入管問題を取り上げ続けるシリーズ特集をスタート! 5月も3分の2が過ぎましたが、ご寄付は月間目標額の3分の1にとどまっています! 憲法審査会の審議を報じ、独裁と戦争につながる改憲、緊急事態条項、人権を蹂躙する入管問題を批判し続けるIWJをどうかご支援ください!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 本日のこの日刊IWJガイドでは、人権を蹂躙する入国管理局の問題に続き、昨日第1報としてお伝えした、参議院憲法審査会での国民投票法改正(改悪)案の審議の詳報を後段でお届けします。

 東京新聞・望月衣塑子記者が、5月20日、名古屋出入国在留管理局で収容中に死亡したスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさんの遺族らが、参院法務委員会を傍聴したことを報じています。委員会で、上川陽子法相は収容中のウィシュマさんの監視カメラ映像の開示に否定的でした。

 望月記者は「(ウィシュマさんの)妹ワヨミさん(28)は、『法相は本当に申し訳ないと思っているのか。日本人やアメリカ人でも同じような対応をするのか。小国のスリランカ人だからこのような対応をするのではないか』と批判した」、「妹ポールニマさん(26)は『スリランカでは、日本は良い国との印象があるのに今回の対応はとても残念。五輪開催国として差別しないというならば、ちゃんと対応してほしい』と話した」と報じています。 

※「小国スリランカだからこの対応か」死亡女性の遺族怒り 入管施設内の監視カメラ、法相「公開しない」(東京新聞、2021年5月20日)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/105488

 与党が今国会での成立を目指していた入管難民法改正案は、ウィシュマさんの事件の問題もあって見送りとなり、事実上の廃案になりました。この改正案は、母国に帰れば命の危険があり、難民申請をしている外国人でも強制的に母国に送還される、退去命令に従わない人に罰則を設けるといった厳罰化を促すものであり、難民条約違反、人権侵害であると批判されていました。

 問題はそれだけには止まりません。ウィシュマさんの事件の前には、東京出入国在留管理局で、全収容者の4割に当たる58名が新型コロナウイルスに感染し、大規模なクラスターを発生させており、収容者の健康を顧みない不適切な対応が問題になったばかりでした。

※初の入管クラスター 収容者58人感染、施設内の閉ざされた実態(毎日新聞、2021年3月6日)
https://mainichi.jp/articles/20210305/k00/00m/040/355000c
 
 入管問題は外国人の問題というだけではありません。入管問題は、自由と人権に関する根本的な問題であり、命と個人の尊厳を大事にしない日本という国のありかたと同根なのです。

 日本は、普遍的な価値観を守っているとは言い難い国です。圧倒的多数で日本の国会を支配している与党・自民党の本音は、2012年の「創成『日本』」(以下、創成日本と表記する)の「憲法改正誓いの儀式」に明らかです。創成日本は、最高顧問に平沼赳夫議員、会長に安倍晋三前総理、副会長に菅総理、下村博文政務調査会長らが並ぶ自民党議員のグループです。

 2012年の集会では、現在衆議院憲法審査会幹事でもある新藤義孝議員(現在、創成日本副幹事長)が「ならば、今奪われている領土を取り戻しましょうよ!北方領土、竹島、主張するだけじゃなくて行動しなければいけないと思います。さらには、尖閣。使っていきましょうよ!軍事利用しましょう!」と呼びかけていました。

 現在衆議院憲法審査会委員の稲田朋美議員(現在、創成日本事務局長代理)は「国防軍を創設する、そんな憲法草案を提出いたしました。/…血を流さなければ国を護ることなんてできないんです!」と述べています。

 そんな中で、元法務大臣の長勢甚遠(ながせ じんえん、現在、創成日本会長代理)議員は、緊急事態条項が書き込まれている2012年版の自民党改憲草案でもまだ足りないと叫ぶように発言しています。

長勢議員「憲法草案というものが発表されました。私はあれを見てですね、正直言って不満があります。

 一番最初にどういってるかというとですね。国民主権、基本的人権、平和主義。これは堅持するって言ってるんですよ。

 この三つをなくさなければですね、ほんとの自主憲法にはならないんですよ。(会場から大拍手)

 ……例えば人権がどうだとかいわれたりすると、平和がどうだとかいわれたりすると、おじけづくじゃないですか。
 
 それは我々がずっとずっと小学校の頃から教え込まれて来たからですよ」

※国民の権利没収改憲ムービー 憲法改正誓いの儀式(小畑幸三郎、2016年6月19日)
https://www.youtube.com/watch?v=h9x2n5CKhn8

 「国民主権、基本的人権、平和主義をなくさなければ、ほんとの自主憲法にはならない」とはどういう意味なのでしょうか。その発言に大拍手を送る創成日本の議員は何を考えているのでしょうか。これこそが、「自由で民主的」な自民党の本音なのです。

 ここではたと立ち止まって考えるべきは蹂躙されているのは難民の人権だけなのか、ということです。

 難民に対しては、他人事と思っている日本人は、残念ながら少なくないでしょう。右派的、ネトウヨ的思考の持ち主ならば、難民を見下しつつ、「日本に生まれて、日本国民でよかった」「日本国民ならば、基本的人権は守られる」と思っているはずです。

 しかし、自民党の本音は違うのです。この国の国民から主権をはぎとり、基本的人権をなくしてしまえ、というのが、自民党の本音なのです。

 改憲が断行されていない今の段階でも、日常においても、思い当たることは少なくありません。

 徹底的に国民をPCR検査から遠ざけてきたコロナ対策、福島第一原発事故の被災者は、広島・長崎の被爆者は、水俣病患者は、と考えていけば、この国を支配してきた自民党の本音が見えてきます。

 「国民の生命と生活が第一」「どんな人の人権も尊重されなくてはならない」という現行憲法の理念の下での政治が嫌で嫌でたまらないのです。元法相で、憲法や法律について十分に理解しているはずの長勢氏が、憲法の最大原則といわれる平和主義、基本的人権、国民主権を全否定する発言をし、それを聞いた安倍晋三前総理らは、同意するように拍手していました。彼らは本気で9条だけでなく、憲法の理念全体を憎んでいるのだと実感します。

 国民が難民に対する人権政策に無関心でいれば、やがて、自民党による緊急事態条項を入れた改憲によって人権を保障している憲法が根こそぎ覆され、難民と同様に基本的人権を奪われ、難民と同様の無権利な奴隷状態に置かれることになることは火を見るよりも明らかです。

 日本政府は、一方では中国のウィグルなどでの人権侵害を責め、日本は欧米と並んで、自由、人権、民主主義などの普遍的価値を守る陣営にいる、などと喧伝していますが、実際には国際人権規約に違反した状況にあります。

 それだけではありません。この後、もっと人権侵害を進めていこうとすらしています。現行の日本国憲法36条が、戦前戦中の拷問の横行への反省にもとづき、「第三十六条 公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる」と定めているのに対して、自民党の2012年案においては、この「絶対に」をわざわざ割愛しています。外国人だけではなく、日本人であっても、過去も今も、不当逮捕や人質司法によって、人権が侵害さてきました。不当な拘禁と自白の強要は、冤罪の犠牲者を数々生み出してきました。この上、憲法から拷問を「絶対に」禁じる、という言葉を削いでいこうとしているのです。拷問が容認されるようになることは明白でしょう。

 この第36条改憲条文の問題については、『前夜・増補改訂版』(2015年)に、岩上安身と梓澤和幸弁護士、澤藤統一郎弁護士の鼎談で梓澤弁護士が雄弁かつ涙ぐみながら話していますので、ぜひ以下の関連記事、鼎談の動画などを御覧ください。

※【特別掲載!】基本的人権を停止させ、国民が「公の機関」の指示に従う義務をうたう「緊急事態条項」を警戒せよ!~『前夜・増補改訂版』より抜粋第2弾!「第九章 緊急事態」をアップ! 2016.6.17
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/309929

※「国民主権、基本的人権を制約する憲法改悪の企みが迫っている!」 ~自民党の憲法改正案についての緊急鼎談・梓澤和幸弁護士×澤藤統一郎弁護士×岩上安身 2015.10.27
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/272308

※【第63号】 岩上安身のIWJ特報!―自民党の憲法改正草案は立憲主義に反している 澤藤統一郎弁護士、梓澤和幸弁護士インタビュー 2012.12.28
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/64643

※【第73号】岩上安身のIWJ特報! ― 自民党の憲法改正草案についての鼎談・第2弾~澤藤統一郎弁護士、梓澤和幸弁護士インタビュー(前編) 2013.1.25
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/56678

※【第74号】岩上安身のIWJ特報!― 自民党の憲法改正草案についての鼎談・第2弾~澤藤統一郎弁護士、梓澤和幸弁護士インタビュー(後編) 2013.1.25
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/59081

 欧米と肩を並べて人類の普遍的価値を掲げ、中国共産党政府によるウィグル人等への人権侵害を告発するならば、まず自民党は自国において、人権の尊重というその普遍的価値を実現してからいうべきでしょう。

 国民主権、基本的人権、平和主義といった普遍的価値をすべて否定した自民党の2012年版の改憲草案も、現在の緊急事態条項を含む改憲4項目も、破棄すべきです。そのどちらにも入っている緊急事態条項こそは、すべての人権を一夜にして踏みにじることを可能にする悪魔の条項なのです。

 IWJは、今国会で成立しようとしている国民投票法改正案こそ、緊急事態条項を含む自民党改憲案への入り口であるとして緊急シリーズ特集を展開しています。さらに、基本的人権を蹂躙する入管問題シリーズ特集も並行して展開していきます。

 入管問題シリーズ特集の第1弾として、本日午後4時から、名古屋入管に収容され、3月に亡くなったスリランカ人、ウィシュマ・サンダマリさんの葬儀の日に実施された「入管法改悪反対アクション Vol 2 ~ウィシュマさんに想いを寄せて~」を再配信します!

 詳しくは後段の記事を御覧ください。

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【緊急シリーズ特集!入管法改悪反対・IWJ_YouTube Live】16:00~
「入管法改悪反対アクション Vol 2 ~ウィシュマさんに想いを寄せて~」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

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 それにしても、です。大手メディアもネットニュースも週刊誌も含めて、今、改憲発議に直結する改憲国民投票「改悪法」が可決・成立の一歩手前、ギリギリの瀬戸際にあるという危機感について、IWJ以外にどれだけのメディアが報じているでしょうか?

 憲法審査会において、どの会派のどの議員が、どのような考えにもとづいて何と発言したのかは、すべての国民にとって知るべき重要な情報のはずです。

 しかし多くのメディアは、採決の結果だけを報道し、この憲法審査会の審議の具体的な内容をほとんど伝えません。

 IWJはこれまで、2012年に自民党改憲草案が発表されて以来一貫して、自民党の改憲案、とりわけ緊急事態条項の危険性を訴え続けてきました。

※これこそ「ナチスの手口」!9条を含めすべての現行憲法秩序を眠らせ、日本改造を行う「緊急事態条項」 この上ない危険性!!
https://iwj.co.jp/wj/open/%E7%B7%8A%E6%80%A5%E4%BA%8B%E6%85%8B%E6%9D%A1%E9%A0%85%E7%89%B9%E9%9B%86

 与党はコロナ禍に乗じて憲法に緊急事態条項が必要だと喧伝していますが、その主張には正当で具体的な根拠は何一つありません。

 一方、信念と志のある野党議員の多くは、こうした「ふわっとした」イメージによる改憲プロパガンダを論理的に論破しています。しかし、メディアがこれを報じなければ、有権者にはほとんど伝わりません。国民の代表である国会議員が、国会でどういう議論をしているのかという事実を知ることは、有権者が誰に自分たちの命と暮らしを預けるべきなのか、それを見極める上で、とても重要な情報であるはずです。

 憲法審査会でどのような審議が行われたかは、新聞や雑誌の売り上げには結びつきません。ネット広告のアクセスも稼げないでしょう。

 しかしIWJがこれまで報じ続けてきたように、この国民投票法改正(改悪)案は、この後改憲発議、緊急事態条項の創設、内閣による独裁、米国の対中戦争への参加(日本が「捨て駒」となる代理戦争)、日本が原発を抱えたまま戦場になる、という一連の惨劇への最初の一歩になりかねません。今が、重要な分岐点かもしれないのです。

 IWJは皆さまからのご寄付・カンパと会費で活動しているからこそ、こうした報道を続けることができます。

 IWJは、自由と民主主義・法の支配・人権を守り抜くだけでなく、極右・極左の両方の全体主義にも反対し、平和を維持しながら国民主権にもとづく日本国家の自立を求めるべく、報道・言論活動を行ってきました。

 そうした報道・言論活動をIWJ設立以来10年続けることができたのは、特定のスポンサーに頼らず、IWJの姿勢に共感してくださる一般市民の皆さまのご支援によって支えられてきたからです! 改めてそのことに感謝申し上げます。本当にありがとうございます!

 しかし、今後、そうした、権力の言いなりにならない、独立した報道・言論活動が続けていけるのか、今からが、正念場です!

 緊急事態条項が発令されれば、報道・言論の自由は間違いなくなくなります。報道・言論を統制する「政令」を内閣が出せば、「法律」と同等の効力をもつからです。言論の自由を定めた現行憲法秩序はすべてフリーズし、違憲の「政令」が乱発され、言論・報道の自由は殺されることは間違いありません。米国とその傀儡政権にとって都合のよい報道・情報だけが、あたかも「報道の自由」がまだ認められている「平時」であるかのような顔をして、とぼけてまかり通ることでしょう。

 真の報道の自由、真の言論の自由がなくなっても、新聞・テレビはそしらぬ顔で存在し、権力に迎合した情報をたれ流していくことだろうと思います。すべてが「官報」化しても、「ビジネス」としての「報道」もどきは続くのです。

 しかし、IWJは、現行憲法の理念に立った、権力から独立した真の報道・言論を貫くつもりです! 日本国憲法第21条には「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」と定められています。この「表現の自由」を定めた憲法を、私たちは、自ら守りぬかなくてはなりません!

 しかし、緊急事態条項が憲法に書き入れられ、現行の憲法秩序が侵されて、独裁内閣の出す「政令」が万能となれば、この憲法21条の「表現の自由の保障」も空文化してしまいます。IWJは発行停止、アカウント停止になり、動画もテキストもすべて削除されるかもしれません。

 独裁権力と真正面から戦って、日本の破滅につながるその愚かさ、過ちを批判し続け、妥協せず、節を曲げず、節を貫き通して、そのあげくに弾圧されてつぶされるというなら、それはそれで、岩上安身として、IWJとしては本望ではあります。

 しかし、そのはるか手前で、財政危機によって、つぶれてしまったら、あまりに無念で、死んでも死にきれません。

 日本国憲法は第12条で、「国民の努力」の必要性を説いています。「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。又、国民はこれを濫用してはならないのであって、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ」。

 IWJは、小さいながらも、草の根からの「公共性」をもつネットメディアとして、存在し活動し続けてきました。「皆さまのNHK」が「公共放送」をうたいながら、上からの「公共性」=政治権力への迎合、押しつけに与してきたのとは、正反対です。

 NHKの受信料は、強制力をもって徴収される税のごときものですが、IWJの活動費は、すべて、草の根の市民の皆さまからの、自発的な意志による、会費とご寄付・カンパによってまかなわれています。

 「草の根民主主義」「草の根言論の自由」の実現がここにある、と我々は思っています。IWJを支えてくださっている皆さまは、実は、憲法12条における「国民の不断の努力」を重ねられている方々であり、しかも「公共の福祉のために利用する責任」を果たされている方々なのです。

 そうした方々に、自発的に支えられて、私たちIWJが、日々、権力に忖度しない報道・言論のために活動できています。皆さまに支えられて、私たちもまた憲法12条に定められている「国民の不断の努力」の一部を担えていることを誇りに思います。そしてそれと同等に責任、そして使命感をひしひしと感じています。

 5月のご寄付・カンパは、5月20日時点で85件、151万8300円です。

 IWJへのご支援をお寄せくださった皆さま、本当にありがとうございます。岩上安身とIWJスタッフ一同、心より感謝を申し上げます。

 しかしながら、この金額は、5月以降の新たな月間目標額である467万5000円に対して33.7%にとどまっています。5月もすでに3分の2が過ぎましたが、目標額の3分の1という状況です。

 IWJにご期待いただける方は、少額でもけっこうですので、ぜひご支援をお願いいたします! 1人でも多くの方々からご支援いただき、1歩でも2歩でも月間目標額に近づきたいと思っています!

 今期末まで、残すは今月下旬と、6月、7月の2ヶ月強。先月4月も月間目標額に到達できませんでした。このままでは、7月末の期末を大幅な赤字で迎えることが濃厚となってしまいます!

 経理が、3月末時点で様々な要素(支出を必死に切り詰めたり、岩上安身の報酬を全額カットしたことなども含めて)を考慮に入れ、改めて試算し直したところ、今期の赤字転落を避けるためには、今後、第11期の期末となる、7月末までの約4ヶ月の間に、寄付・カンパが最低でもあと1800万円必要であるという結果が出ました。

 ここに、4月のご寄付の合計金額397万5000円が加わりましたので、今期の残り3ヶ月間(92日間)のご寄付の目標額は、1402万5000円となりました。これを3ヶ月で割ると、5月、6月、7月で毎月467万5000円をご寄付・カンパでお願いしなければならなくなります。

 赤字が重なれば、これまでのような独立したジャーナリズム活動を維持して、IWJを存続させていくことは困難になってしまいます。

 現在、IWJ代表の岩上安身は自身の報酬を100%カットし、今期末まで「ただ働き」のまま、「手弁当」どころか「持ち出し」で、日々の激務に取り組んでいます。しかし、岩上安身個人にしわ寄せをする「異常」な状況が続いては、この先、IWJが存続し、活動し続けることはできません。

 IWJは、岩上安身個人からこれまで993万5000円借り入れており、まったく返済できておりません。

 他方、岩上安身が、IWJの危機に直面しても、これ以上私財を投入できないのは、すでに1000万円近い金額をIWJに貸しており、しかもIWJから報酬を得ることなく「ただ働き」で働き続けているので、貯金は増えることなく、日々減り続けており、これ以上IWJに私財を投じれば、貯金が本当に底を尽いてしまうからです。

 つまり、岩上安身が「無報酬」を余儀なくされるような「異常」な状態が続くと、岩上安身がつなぎ資金を貸すこともできなくなり、IWJは行き詰ってしまうのです。

 4月末までに、多くの方々からご寄付・カンパをいただきましたが、それらはすべてIWJの運営にあて、岩上安身への返済には1円も回しておりません。この点は、ぜひ誤解のないよう、ご理解ください。

 岩上安身も一人の人間であり、生活者であり、扶養しなければならない家族もいます。老後の貯えを削ることにも限界があります。

 今期、IWJが赤字転落した場合、岩上安身がこれ以上個人でIWJを支えるのは不可能です。

 会費収入については、コロナ禍による会員の減少に伴い、前期比20%減の予想となっています。この現実は大変重くのしかかっています。

 前期の会費収入は8322万円でしたが、今期の予想はマイナス1672万円の6650万円になるだろうと予測しています。これは、あくまで現状で会員数が下げ止まり、維持されると仮定した予測です。会員数がさらに減れば、もっと状況は厳しくなるでしょう。

 会員数の減少に伴う会費の減少により、なおさら、ご寄付・カンパでのご支援が本当に重要になってきています。

 前述の通り、IWJが特定のスポンサーや権力に対して、顔色をうかがうことなく、独立した自由な報道と言論をこれまで展開できてきたのは、市民の皆さまのご支援があってのことです。

 私たちは、ご寄付や会費という形で、市民の皆さまから託された期待に、独立メディアとして使命を果たすことで、こたえたいと思っています。

 日本を破滅へと導く、改憲による緊急事態条項の導入にも徹底して反対し、その後に起こりえるであろう、米中の覇権闘争の「捨て駒」として日本がいいように使われ、戦場とされてしまうことにも、断固として反対し、抵抗を貫きます!

 権力とスポンサーに日和り、保身に走る数多の既存メディアのような無様な背信は絶対にいたしません!

 改憲による緊急事態条項によって、自滅に至る戦争への突入を阻止すべく、徹底的に戦い抜くためには、IWJの姿勢に共感し、IWJを支えてくださる市民の皆さまのご支援、ご協力が、どうしても必要です!

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◆中継番組表◆

**2021.5.21 Fri.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・Ch5】9:15~「河野太郎新型コロナワクチン接種推進担当大臣記者会見」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch5

 河野太郎新型コロナワクチン接種推進担当大臣記者会見を中継します。これまでIWJが報じてきた河野太郎氏関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E6%B2%B3%E9%87%8E%E5%A4%AA%E9%83%8E
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【IWJ・Ch4】10:45~「上川陽子 法務大臣 定例会見」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch4

 上川陽子 法務大臣 定例会見を中継します。これまでIWJが報じてきた法務大臣関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E6%B3%95%E5%8B%99%E5%A4%A7%E8%87%A3
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【IWJ・Ch6】14:15頃~「茂木敏充 外務大臣 定例記者会見」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch6

 茂木敏充 外務大臣 定例記者会見を中継します。これまでIWJが報じてきた外務大臣記者会見関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E5%A4%96%E5%8B%99%E5%A4%A7%E8%87%A3%E8%A8%98%E8%80%85%E4%BC%9A%E8%A6%8B
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【緊急シリーズ特集!入管法改悪反対・IWJ_YouTube Live】16:00~「入管法改悪反対アクション Vol 2 ~ウィシュマさんに想いを寄せて~」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

2021年5月に収録した、入管法改悪反対アクション Vol 2 ~ウィシュマさんに想いを寄せて~を再配信します。これまでIWJが報じてきた入管法関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E5%85%A5%E7%AE%A1%E6%B3%95
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【IWJ・エリアCh5・東京】18:10~「原発反対八王子行動(スタンディング)」
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 「キンパチデモ実行委員会」主催の原発反対八王子行動を中継します。これまでIWJが報じてきたキンパチデモ実行委員会関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/kinpachi-demo-executive-committee
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【緊急シリーズ特集!コロナ禍の陰で着々と進む戦時独裁体制樹立の改憲!今国会での改憲国民投票法強行採決を許すな!! 22・IWJ_YouTube Live】18:30~「米中戦争前夜における日本主体の安全保障論(2) バイデン新大統領の誕生で米中関係は? 米中覇権交代がコロナ禍で加速か!? 自発的対米隷従国家・日本はどうする!? 岩上安身によるインタビュー 第1017回 ゲスト 東アジア共同体研究所・須川清司上級研究員」
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 2020年11月に収録した、岩上安身による須川清司氏インタビューを再配信します。これまでIWJが報じてきた米中関係関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e7%b1%b3%e4%b8%ad%e9%96%a2%e4%bf%82

[記事URL] https://iwj.co.jp/wj/open/archives/484505

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◆中継番組表◆

**2021.5.22 Sat.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ_YouTube Live】17:00~「岩上安身による 山添拓参議院議員インタビュー」
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 岩上安身による山添拓参議院議員インタビューを中継します。これまでIWJが報じてきた山添拓氏関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E5%B1%B1%E6%B7%BB%E6%8B%93
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【緊急シリーズ特集!コロナ禍の陰で着々と進む戦時独裁体制樹立の改憲!今国会での改憲国民投票法強行採決を許すな!! 23・IWJ_YouTube Live】19:30~「米中戦争前夜における日本主体の安全保障論(3)バイデン政権でも米軍の戦略に変化なし? 米中両国のミサイル戦略の狭間で日本列島全土が戦場になる!! 岩上安身によるインタビュー 第1018回 ゲスト 東アジア共同体研究所・須川清司上級研究員 」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

 2020年11月に収録した、岩上安身による須川清司氏インタビューを再配信します。これまでIWJが報じてきたバイデン関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e3%83%90%e3%82%a4%e3%83%87%e3%83%b3

[記事URL] https://iwj.co.jp/wj/open/archives/484696

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

不当判決! 獣医学部の建築設計図面、費用見積書、理事会の議事録などすべて非開示の判決に原告「これは何らかの力が働いたとしか思えない!」~5.18加計学園問題に関する情報公開請求訴訟 判決言い渡し後の記者会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/492109

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■19日の憲法審査会詳報!「平成26年参院憲法審の国民投票法附帯決議に照らして、立憲修正案の法改正なくしては改憲発議はできないのは法的に明らか!」立憲・小西洋之議員が維新・松沢成文議員の「身勝手な解釈」発言を論破! 「解釈の齟齬に決着がつかないなら衆院へ送り返すのが参院の矜持」と訴え! 小西議員らの堂々たる主張を見よ! 訊け!

 昨日のこの日刊IWJガイドでもお伝えしましたが、5月19日に参議院憲法審査会が開催され、衆議院で可決された与党提出の「日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案」と、立憲民主党の提出した「日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案」の審議が始まりました。

※参議院憲法審査会が始まる! 日本維新の会は立憲民主党の修正案をさらに修正する提案を用意している! なんと、それは、CM規制を設ける3年の間、「改正原案の審議や発議を妨げない」とする修正案!(日刊IWJガイド、2021年5月20日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/48824#idx-4

 参院憲法審での審議の前に、これまでの衆院憲法審での審議過程を簡単に整理します。

 衆議院の憲法審査会では、2007年に制定され、2014年に一部改正された「日本国憲法の改正手続に関する法律」、いわゆる国民投票法について、自民党が2018年の第196回国会に、7項目の修正をかかげた改正案を提出しました。7項目は「投票環境向上のため」という主張のもと、公職選挙法の改正に内容をあわせたもので、これ自体にも大きな問題点を孕んでいます。

※「日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案」提案理由説明(衆議院憲法審査会)
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kenpou.nsf/html/kenpou/196shuho42teian.pdf/$File/196shuho42teian.pdf

 自民、公明、維新、国民民主は、足掛け4年、8国会を経てなお継続審議となっているこの改正案について、「審議は尽くされた」として採決を求めていましたが、立憲民主はCM規制などが必要だとして、また、共産党も与党提出の改正案では国民投票法の問題点が残されたままの欠陥法であり、そもそもコロナ禍で改憲議論をしている場合ではないと主張して採決に反対していました。

 これに対して与党側は、「CM規制については採決後に改憲本体論議と並行して行うと約束する」と表明して、改正案の採決を訴えていました。

 立憲民主党は4月28日、「法律の施行後3年を目途に、投票人の投票に係る環境を整備するための事項及び国民投票運動等のための広告放送やインターネット有料広告の制限、運動資金規制、インターネットの適正利用の確保を図るための方策その他の国民投票の公平及び公正を確保するための事項について検討を加え、必要な法制上の措置その他の措置を講ずる」とする附則を修正案として提出し、与党がこれを丸飲みすることを条件に採決に応じると表明しました。

※日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案 趣旨説明(衆議院憲法審査会第204回国会修正案)
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kenpou.nsf/html/kenpou/2040506shuuseian-shushisetumei.pdf/$File/2040506shuuseian-shushisetumei.pdf

 5月6日に行われた憲法審査会では、立憲民主の修正案について、維新の足立康史議員や国民民主の山尾しおり議員が与党側に「改憲発議を制限するものか?」「憲法議論の機会を狭めるものか?」と質問し、「この規定があることによって憲法本体の議論ができないということはまったくありえない」「発議の提案も縛られないという風に我々は理解しております」との答弁を引き出しました。

※衆院憲法審査会で国民投票法改正案が可決! 修正案提出で採決に応じた立憲民主は「CM規制が措置されるまで改憲発議できない」と主張するが、採決前に「発議の提案は縛られない」と自公に言質を取られてしまう!小西洋之参院議員が、岩上安身によるインタビューで示した危機感が現実に!!(日刊IWJガイド、2021年5月7日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/48764#idx-4

 さらにこの日の憲法審で維新の足立議員は、「立憲の修正案に第2稿を追加し、改憲原案の審議や発議を妨げないとする」という追加の修正案を用意していると表明しました。

※憲法審査会(衆議院インターネット審議中継、2021年5月6日)
https://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=52094&media_type=

 そして、5月19日の憲法審では、自民党の逢沢一郎衆議院議員が与党案の趣旨説明を、立憲民主党の奥野総一郎衆議院議員が修正案の趣旨説明を行い、続いて各会派の代表者が意見表明を行いました。

 自民、公明、維新、国民民主が改憲議論を進めるべきだと訴えました。

 これに対して立憲民主は幹事の那谷屋正義議員が「CM規制や運動資金に一定の規制がなければ公平公正な国民投票にならない。まずは原案と修正案で指摘された問題点を徹底議論すべきだ」と訴えました。

 また、共産党の山下芳生議員は「現行の国民投票法はCM規制や最低投票率など根本的な問題が残されたままの欠陥法。自民党がまとめた改憲4項目を憲法審で議論するための呼び水として提出されたものだ」と、鋭く本質をつきました。

 この意見表明に続いて行われた委員間の意見交換では、さらに重要な発言が続きました。

 立憲民主党の小西洋之議員は、立憲民主党提出の修正案について、前述の意見表明の中で那谷屋議員が「(改憲審議や発議について)各党で見解の大きな隔たりがある」と述べたこと、また、維新の松沢成文議員が「与党、各党まったく異なる見解」だと指摘したことを受けて、次のように表明しました。

 「2会派が、この法案について、その解釈について大きな疑義を示したということは、非常に大きな問題だというふうに考えております。

 ただ、その上で、松沢幹事のご指摘の『身勝手な解釈』。立憲の主張でございますが、これはまったくあたらないというふうに思います。

 法令の解釈は、平成26年の当委員会の附帯決議にも記されている通り、法令の文言、そして立法者の意思、そして立案の背景経緯、そして議論の積み重ねがあるものは、全体の整合性、そうしたものから論理的に確定されることとなっております。

※日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議 (参議院、2014年6月11日)
https://www.sangiin.go.jp/japanese/gianjoho/ketsugi/186/f905_061101.pdf

 修正案についての立法者の意思は、明確でございます。

 奥野(総一郎)発議者、衆議院の会議録でございますが、『資金の見える化とかCMの総量規制とか、こうしたものなしに、国民投票法は実施できませんよ。まず、これを改正する、必要なところを改正する』ということであります。つまり、法改正なくしては発議はできないということを明確に言っております。

 そして、『3年目途』も、『3年以内に法改正すべきものはしなければならない』、そのように言っているわけでございます。

 そして、この修正案が作られた経緯背景でございますが、先生方もご承知の通り、平成19年国民投票法は、民放連がCM規制を自主規制で行うという、国会での約束をもとに作られました。

 5月22日、衆議院では船田(元)発議者が『そうした自主規制を条件として立案をした』ということまで述べているところでございます。

 であるが故に国民投票法は欠陥法であり、CM規制等を行わなければ、改正議論や発議の前提を欠いているというのが、我が党の一貫した主張であり、修正案はそうした立法の経緯をもとに提出をされたものでございます。

 そして、これに対して自民党は、またある党などは、衆議院においては『この立憲の修正案はこれまでの自民党の主張と軌を一にする。すなわち7項目は成立させましょう、ただその後にCM規制の理論、そしてそれと同時並行で改憲の議論をしましょう、ということを我々は言っていた』と。だから自民党の主張とこの修正案は軌を一にするんだということをおっしゃっているわけでございますけど、今申し上げた規定の立法意思、あるいは規定の経緯に照らして、そうした主張が間違いであるということは当然のことでございます。

 なお、その条文、国民投票の公平及び公正を確保するためというふうに書いてありますので、CM規制は欠陥法という理解でありますので、公平公正を害するという理解でございますので、それが直されない限りは、改正の発議は当然法的にできないこととなるわけでございます」

 小西議員はさらにその後、2回目の発言機会を得て、以下のように訴えました。

 「立憲修正案の与野党の決定的な齟齬でございますが、こうした国民投票法の齟齬すら解決できない憲法審査会が、改憲の議論なんかできるわけがないというふうに、国民から見たら思うと思いますので、この齟齬を決着をつける、我々の責任をもって決着をつける、で、解釈によって決着がつかないのであれば、もう修文をして衆議院に送り返す、それぐらいの決意を良識の府に所属する議員として、そういう矜持をぜひ、皆さまに共有を申し上げまして私の意見とさせていただきます」。

 一方、自民党の藤末健三議員、赤池誠章議員は、「コロナ禍をふまえ、憲法に災害緊急事態の章の新設を」と訴え、緊急事態条項に感染症の大規模な蔓延も明記すべきだと主張しました。

 さらに、自民党の和田政宗議員は、「世界のほとんどの国が憲法に緊急事態条項があり、我が国においても過去、大日本帝国憲法においても緊急事態に対応する条項があったことを考えれば、憲法の構成上、本来必要なものが抜け落ちていると言ってよく、我が国憲法においても緊急事態条項の創設が必須であるといえます」と、憲法改正の必要性を訴えました。

 こうしたコロナ禍を奇貨として惨事便乗改憲プロパガンダを繰り広げる改憲派の議員に対して、立憲民主や共産の議員からは鋭い反論が繰り返されました。

 立憲民主の杉尾秀哉議員は「与党の中からはこのコロナ禍に乗じて『ピンチをチャンスに』とか『コロナは憲法改正の実験台』などという発言が相次いでおりまして、こうした火事場泥棒的で不謹慎極まりない発言に対しては満腔の怒りを込めて抗議いたします」と批判しました。

 「同時に今回の法改正で憲法論議を加速させる条件が整ったかの如き議論は、あまりに早計、筋違いで憲法軽視も甚だしい」と厳しく批判しました。

 共産党の吉良佳子議員は、「国民投票法改正案は安倍・菅会見とセットになっています」と述べ「実際、菅首相は5月3日の憲法記念日に『国民投票法改正案の成立は憲法改正への議論を進める最初の一歩』と言いました。さらには衆議院での憲法審査会においても、自民党議員から『国民投票法案の採決はひとつの通過点。憲法論議をさらに粛々と活発に進めていく』などの発言が相次いでいることを見ても、国民投票法改正案の成立と改憲議論を進めることがセットになっていることは明らか」と指摘しました。

 さらに吉良議員は改憲による緊急事態条項について、根本的な批判を加えました。

 「コロナ禍における緊急事態宣言と憲法に緊急事態条項を盛り込むことは全く違います。憲法に緊急事態条項を設けることは、内閣が緊急事態と定めれば、無制限に憲法のない状態を作り出せるということです。

 コロナ禍における緊急事態宣言が、新型コロナ特措法にもとづくものであり、人権侵害の暴走を止める歯止めとして現行憲法が機能していることと比較すれば、憲法停止の状態を作る緊急事態条項は全く別物であることは明らかです」。

 また、立憲民主の打越さく良議員は、菅総理の5月3日の右派の憲法集会でのビデオメッセージについて、「緊急事態条項について『極めて重要な課題』とおっしゃいましたが、7日の記者会見で緊急事態条項がなければ取れない対策を問われて、『これは憲法改正につながるわけですけれども』と前置きした上で、『ワクチンの国内治験が3、4ヶ月くらいはかかってしまいますので、接種も遅れてしまう』とおっしゃいました。ワクチンの試験は憲法ではなく医薬品医療機器等法の問題で、それもすでに同法14条の3の特例で承認審査が大幅に短縮されております」と指摘しました。

 打越議員はその上で「改憲が必要ではないどころか法的手当もされています」と述べ、「行政のトップでかつ、国会議員でもある菅総理までこのような誤解をしているということは、改憲について議論を急ぐ状況にはありません」と痛烈に批判しました。

※政府が東京と関西圏の緊急事態宣言延長と愛知、福岡の追加を発表! 場当たり的な宣言発令や延長の効果はなく、政府の無策が明らかに! 会見で緊急事態条項を憲法に加える根拠を問われた菅義偉総理は、馬脚を現し、しどろもどろで、中身のある答弁ができず、惨事便乗プロパガンダであることが露呈!(日刊IWJガイド、2021年5月8日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/48769#idx-3

 立憲民主と共同会派を組む社民の福島みずほ議員は、「今まさに憲法改正の議論を、憲法改正の手続き法の議論をするときでしょうか? 今国民は命と暮らしを守れないと必死の思いで来ています。政治の出番です。しかし政府与党は国民の命や暮らしにまったく関心を持たず、自分達の関心ごとである憲法改正とその手続き法の成立に精力を注いでいます。国民に背を向ける政治には退陣してもらうしかありません」と訴えました。

 福島議員はさらに、緊急事態条項について「緊急事態条項は内閣限りで法律と同じ効力を持つ政令を作ることができるというものです。国会無能論で、国会における法律の成立なくして基本的人権を制限できるものを内閣で作るのです。これはナチスドイツの国家授権法と同じです」と、端的に言い表しました。

 その上で福島議員は「憲法改正にも、自民党日本国憲法改正草案にも、自民党の4項目改悪案にも反対であり、投票環境を悪化させ、国民の意見を反映できない国民投票法案には重大な欠陥があります」と表明し、「憲法を生かす政治を行うべきであります。憲法を変えないからコロナ対応できないのではなく、命と暮らしを守る考えがないためにコロナに対応できないという政治の無策を、憲法に押し付けないで欲しい」と、改憲勢力の、コロナ改憲ショック・ドクトリンのあざとい企みを正面から批判しました。

※憲法審査会(参議院インターネット審議中継、2021年5月19日)
https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php

■【緊急シリーズ特集!コロナ禍の陰で着々と進む戦時独裁体制樹立の改憲!今国会での改憲国民投票法強行採決を許すな!! 22】本日午後6時半から2020年11月収録「米中戦争前夜における日本主体の安全保障論(2) バイデン新大統領の誕生で米中関係は? 米中覇権交代がコロナ禍で加速か!? 自発的対米隷従国家・日本はどうする!? 岩上安身によるインタビュー 第1017回 ゲスト 東アジア共同体研究所・須川清司上級研究員」を再配信します!

 IWJは今国会での国民投票法「改悪」案の成立、戦時独裁体制の樹立につながる緊急事態条項の入った自民党改憲に強く反対を表明し、その危険性を訴えるため【緊急シリーズ特集!コロナ禍の陰で着々と進む戦時独裁体制樹立の改憲!今国会での改憲国民投票法強行採決を許すな!!】を連日お届けしています。

 憲法に自民党改憲案の緊急事態条項が組み込まれてしまえば、いつでも、いつまででも独裁が可能になってしまいます。そして、その目的は、米軍の「捨て駒」として、集団的自衛権の行使容認と安保法制のもとで、日本が原発を抱えたまま、中国を相手にした米国の戦争に自動参戦するための戦時独裁体制の樹立にあります。

 そこで本日午後6時半から、昨年11月10日に収録した「岩上安身によるインタビュー 第1017回 ゲスト 東アジア共同体研究所・須川清司上級研究員」を再配信します。このインタビューは、バイデン政権の誕生によって米中関係がどう変わり、日米同盟や日本の安全保障にどういう変化をもたらすのかについて、岩上安身が安全保障の専門家である東アジア共同体研究所の須川清司上級研究員にうかがったシリーズの2回目です。

 須川氏は、民主党に勤務して政策調査会および役員室部長代理として外交・安全保障等を担当。その後、米ブルッキングス研究所客員研究員、内閣官房専門調査員、民主党の政策調査会部長等を歴任し、2020年4月から東アジア共同体研究所の上級研究員を務めています。

 著書に『米朝開戦』(2007年、講談社)、『外交力を鍛える』(2008年、講談社)等があり、東アジア共同体研究所発行の『Alternative Viewpoint』に「米中対立時代の安全保障論議」と題するレポートを連載しています。

※Alternative Viewpoint(東アジア共同体研究所)
https://www.eaci.or.jp/archives/?category=17

 インタビューの中で須川氏は、米大統領選でトランプ氏が7100万票以上を獲得して7500万票のバイデン氏と接戦となったことをふまえ、「前回の大統領選と違うのは、今回はトランプがどういう大統領なのかを分かった上で、これだけの人がトランプ氏に投票した人が半分いた。『トランプのアメリカ』を支持する人は多い」と指摘しました。

 その上で須川氏は、「それは、それ以前の過去の米国の政策の決定者が作り上げてきた、米国の価値観や社会のあり方というものを反映している」と語り、こうした分断が今や米国だけではなく、ドイツをはじめとした欧州や日本にも広がっていると危惧しました。

 須川氏は、コロナを徹底的に抑え込んで経済成長を維持した中国と、国内の分断で感染者が増加し、経済が落ち込んだ米国を対比し、「あとで振り返った時にコロナへの対応、あるいはその対応を左右した国の性格の違いが、米中の歴史的な分岐点になるんじゃないかと思う」と指摘しました。

 そして、バイデン政権のスタートに伴う日本への影響について、トランプ大統領が在日米軍経費を4倍に増やすよう要求したことを念頭に、「バイデン政権になれば、軍も含めて官僚同士が交渉する。バイデン政権になれば、過去4年間政権から出ていた人が戻ってくる。その人たちと日本の官僚の間では、過去に『握り合い』ができている」として、「在日米軍駐留経費の負担増については、トランプよりもバイデンの方が『やさしい』だろう」との見解を示しました。

 その一方で、「米国の防衛費はトランプの時ほど増やせない。しかし近代化しなければならないところもあるので、同盟国への防衛費負担増の要求はあるだろう」と予測。さらに「第一列島線に中距離ミサイルを配備したいという国防総省の議論の積み上げを踏まえ、中距離ミサイルの日本配備はバイデンの方がむしろ対日要求を強める可能性がある」と分析しました。

 詳しくはぜひ、本日の再配信をご視聴ください。

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【緊急シリーズ特集!コロナ禍の陰で着々と進む戦時独裁体制樹立の改憲!今国会での改憲国民投票法強行採決を許すな!! 22・IWJ_YouTube Live】18:30~
米中戦争前夜における日本主体の安全保障論(2) バイデン新大統領の誕生で米中関係は? 米中覇権交代がコロナ禍で加速か!? 自発的対米隷従国家・日本はどうする!? 岩上安身によるインタビュー 第1017回 ゲスト 東アジア共同体研究所・須川清司上級研究員
視聴URL:https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

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■<本日の再配信>【緊急シリーズ特集!入管法改悪反対・IWJ_YouTube Live】本日午後4時からウィシュマ・サンダマリさんの葬儀の日に実施された「入管法改悪反対アクション Vol 2 ~ウィシュマさんに想いを寄せて~」を再配信します!

 本日午後4時から「入管法改悪反対アクション Vol 2 ~ウィシュマさんに想いを寄せて~」を再配信します。

 5月16日(日)13時より大阪市北区の扇町公園にて、入管事件を闘う大阪弁護士有志の会主催による「入管法改悪反対アクション Vol.2 ~ウィシュマさんに想いを寄せて~」が行われました。WJではこの模様を中継するとともに、主催者等に取材しました。

 名古屋出入国在留管理局に収容され、3月に亡くなったスリランカ人のウィシュマ・サンダマリさんの葬儀の日に合わせて開催されたものです。

 主催した入管事件を闘う大阪弁護士有志の会の中井雅人弁護士は、開催を告知したツイッターで次のように述べました。

 「政府・与党は、名古屋入管で亡くなったスリランカ国籍女性ウィシュマさんの死亡原因を明らかにしないばかりか、その他多くの入管の構造的問題について、国会においてほとんど議論に応じていません。しかし、政府・与党は、早ければ5月12日、遅くとも同月17日には採決を強行する構えです」

※中井雅人弁護士のツイート(午後11:08 · 2021年5月11日)
https://twitter.com/nakaimasahito/status/1392119374815764481

 「そこで入管事件を闘う大阪弁護士有志の会は、ウィシュマさんの葬儀がとりおこなわれる5月16日に合わせて、第2回目の集会+デモを開催することとしました。ウィシュマさんを偲ぶとともに、人の命が失われるという最悪の事件を二度と起こさせないと決意し、入管法改悪に強く反対し、廃案を求めます。」

※中井雅人弁護士のツイート(午後11:09 · 2021年5月11日)
https://twitter.com/nakaimasahito/status/1392119692978884609

 「同日、趣旨を同じくする有志弁護士によるデモや街宣行動が仙台・千葉・東京・名古屋でも開催される予定です。全国の市民の力を結集し、民主主義を結実させましょう。
なお、集会時には、ソーシャルディスタンスを適宜確保していただくようお願い申し上げます。」

※中井雅人弁護士のツイート(午後11:09 · 2021年5月11日)
https://twitter.com/nakaimasahito/status/1392121408914804738

 当日の集会には多数の団体が参加してアピールを行いました。

 共産党前参議院議員の辰巳孝太郎氏、カトリック大阪大司教区シナピス、トライ・外国人労働者・難民とともに歩む会氏、立憲民主党の尾辻かな子衆議院議員、日本ビルマ救援センター、Save Immigrants Osaka、在日本済州島四三犠牲者遺族会、フリーライターのリ・シネさん、社民党副党首の大椿ゆう子氏、れいわ新選組の大石あきこ氏、定岡由紀子弁護士、上林恵理子弁護士が登壇しました。

 その中で、Save Immigrants Osakaの中野里佳氏によるスピーチをご紹介します。

 中野里佳氏「Save immigrants OSAKAの中野里佳と申します。ウィシュマさんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。また、同時に日本人として申し訳ない思いでいっぱいです。

 Save immigrants OSAKAは仮放免中の方の支援、収容されている方との面会、大阪入管前での抗議行動、SNSによる発信などを行っているグループです。

 私は3年ほど前、初めて抗議に行きました。が、当時は難民と移民の違い、在留資格、入管にはどんな人たちがなぜ収容されているのか、仮放免って?とわからないことだらけでした。

 しかし、どんな理由があるにせよ、人権侵害の事実は許せない、私たちは見ているし、怒っているということを入管の職員に伝えたいという想いでした。

 入管前で、外からマイクで抗議を始めると、中から『ありがとう』『ヘルプミー』といった声が聞こえ、窓越しに手を振ってくれる様子が見えました。『人権守れ!』『Human Rights!』などのコールには、一緒に声を合わせてくれました。ニュースで少し知った一収容者の方が、一気に近くに感じた体験でした。

 現場の職員に文句を言って体質や制度が変わるのか、仮放免を出せるのか、職員皆が酷いわけじゃなく、心ある人もいる、と思ったりもしました。

 しかし、他者の目が入らない閉鎖的な空間では人権侵害は容易に起こります。だから、私たちは見ていること、関心を持っていること、日本の入管は国際的にみて異常であり、当たり前ではない、ここでの非人道的な日々に慣れないでほしいことを口酸っぱく言おうと思い、抗議を続けてきました。

 そして何よりも、収容されている方たちに、日本に来てくれてありがとう、なのにこんなつらい思いをさせてごめんなさい、あなたは大切な人です、あなたは1人じゃありません、あなたの声を伝えます、変えようとしている人たちが日本にはたくさんいます、あきらめないでほしい、生きていてほしい、私たちは絶対にあきらめません、ということを伝えたいと思い、続けています。

 最後になりますが、私は作業療法士という仕事をしています。

 作業とは、個人にとっての営み全てをさします。家族との食事、仕事、趣味など、その人にとって大切な作業をする権利は、誰もが等しく持っていて、その権利を守ることが作業療法士の務めです。なぜなら作業ができないと、人は心身の健康を損なうからです。

 仕事がないことは人を抜け殻にし、何もさせないことに勝る殺し方はない、と言われています。諸外国では日本よりも収容期間がずっと短く、無料のインターネット環境、スポーツジム、有償の仕事などがあり、面会は広いロビーで仕切りもないなど、人権を守る努力がされています。

 外国籍だからということで理不尽に権利と尊厳を失われている人たちが入管にいる限り、私は声をあげることをやめません。人らしい当たり前の生活が保障されることを望みます。廃案はその第一歩です。ここに集まっておられる方たちと力を合わせたいです。よろしくお願いいたします」

 集会後には、14時から西梅田公園までデモ行進が行われ、その道中でも、IWJ記者は参加者に取材を行いました。

 デモ後、中井雅人弁護士に報道各社が囲み取材を行い、IWJ記者も質問しました。

 さらに、この囲み取材後に改めて中井雅人弁護士は、IWJ記者の単独インタビューに答えました。

 アピールの全体とインタビューを、ぜひ本日午後4時からの下記再配信で御覧ください!

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【緊急シリーズ特集!入管法改悪反対・IWJ_YouTube Live】16:00~
「入管法改悪反対アクション Vol 2 ~ウィシュマさんに想いを寄せて~」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

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 それでは、本日も1日よろしくお願いします。

IWJ編集部(岩上安身、城石裕幸、渡会裕、木原匡康、六反田千恵)

IWJ 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル
岩上安身サポーターズクラブ事務局
公式サイト 【 https://iwj.co.jp/