┏━━【目次】━━━━
┠■はじめに~12月も3分の2を過ぎて、2025年も残すところあと7日です! しかし今月12月のご寄付・カンパの目標額達成率は、まだ26%です! 月間目標に達するには、あと74%、259万9000円が必要です! 真実を伝えていく活動を続けていくためには、皆様の有料会員登録と、ご寄付・カンパによる皆様からのご支援が必要です! 12月も、どうぞ皆様、お支えください! よろしくお願いいたします!
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┠■【中継番組表】
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┠■ジェフリー・サックス教授が、ドイツのメルツ首相に公開書簡!「欧州の安全保障はロシアと不可分」!フランスや英国さえ渋った東西ドイツの再統一を、「NATOを拡大しない」という約束を信じてソ連が支持したのに、「メルツ首相はほぼ連日のように、戦争の太鼓を叩いている!」とドイツ首脳を非難!
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┠■EU資金900億ユーロ(約16兆2837億円)と日本の資金9000億円が投入される汚職大国ウクライナは、その資金を本当に活用するのか? ミンディッチ・ゲートは国家犯罪! ゼレンスキー氏の親友で「金の便器」を保有していたミンディッチ氏だけが容疑者ではない! 元ウクライナ副首相も! エネルギー相も! 元エネルギー相顧問も! 現職の国家エネルギー委員会委員も! ミンディッチと米国側が接触していたという噂にゼレンスキー氏は狼狽!? なんとイェルマーク氏は相変わらず権力を振るっている? 日本は犯罪国家になぜ血税を投入するのか?(後編)
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┠■<IWJ取材報告 1>弁護団・西念京佑弁護士「福島では原発事故の直後に、本来計測されるべきであった放射性ヨウ素の放出線量をきちんと測定したデータがないのです」~12.17「311子ども甲状腺がん裁判」第16回口頭弁論後の記者会見 ―登壇:井戸謙一弁護団長、西念京佑弁護士
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┠■<IWJ取材報告 2>「どうやって、人口が伸びない、経済が伸びない中にあって、この国を持ちこたえていくかということを、我々は考えていかねばならないし、この厳しい時代にあって、どうやって我が国の独立と平和を維持するか、ということを考えていかねばならない」!~12.3 石破茂前首相 特別講演会~激動の一年間と日本の進むべき道
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■はじめに~12月も3分の2を過ぎて、2025年も残すところあと7日です! しかし今月12月のご寄付・カンパの目標額達成率は、まだ26%です! 月間目標に達するには、あと74%、259万9000円が必要です! 真実を伝えていく活動を続けていくためには、皆様の有料会員登録と、ご寄付・カンパによる皆様からのご支援が必要です! 12月も、どうぞ皆様、お支えください! よろしくお願いいたします!
IWJ編集部です。
12月は1日から23日までの23日間で、月間目標額の26%に相当する90万1000円のご寄付・カンパをいただいています。
ご支援くださった方々、誠に、ありがとうございます!
しかし、月間目標額の350万円に到達するには、あと74%、259万9000円も不足しています!
第16期がスタートして以降、ご寄付・カンパによるご支援は、月間目標額350万円に対し、8月は16%、9月は14%、10月は33%、11月は55%にとどまりました。これで1年の3分の1、4ヶ月連続、目標未達となってしまいます!
安定的な活動のための資金が、IWJは不足しています。財政的には厳しい状況が続いており、真実を伝えていく活動の困難を、痛感しています!
12月こそは、有料会員登録と、ご寄付・カンパによる皆様のご支援で、今月こそ、月間目標額に到達させてください! どうぞ皆様、よろしくお願いいたします!
米国の言いつけに、従順に従う、忠実な「同盟国」でありさえすれば、米国が必ず守ってくれるという幻想は、完全に終わりを告げました。
日本は、この国際情勢の変化に鋭く気づき、自らが生き残るために、自らのあり方を変えていけるでしょうか?
変えていかなくてはなりませんが、米帝国の変化への反応が、官民ともにあまりに心もとなく、懸念は尽きません。
肝心なことは、リアルな現実をまず直視することです。大小問わず、ほとんどのメディアが、現実直視を避けています。
IWJは現実を直視し、皆様にお伝えし続けてきましたし、今もお伝えしていますし、これからもお伝えし続けていきます。
しかし、現実は苦いものです。苦い現実を直視したくない心理が働くからこそ、甘い嘘をつくプロパガンダに人は飛びつき、騙されてしまうのです。
我々IWJは、プロパガンダの波にのまれることなく、ジャーナリズムの本道を歩み続けます。
我々は、破滅的な危機を回避できると信じています。しかし、そのためには、リアルを直視し、プロパガンダに流されないことが、絶対に必要です。
IWJは、厳しい経営が続いています。そのIWJの行方は、私達市民が、この苦いリアルと対峙した上で、なお希望をもてるかどうかにかかっています。
市民メディアであるIWJの活動運営費は、約半分が、会員の皆様からの会費によって支えられています。残りの約半分が、ご寄付・カンパによって支えられています。特定のスポンサーをつけず、スポンサーの意向に左右されることもありません! 権力に忖度することも、したことも、1度もありません!
困難は、迫ってきています。今は、東アジアにおいて、日本が、「代理戦争」の「捨て駒」として使われてしまうかどうかの正念場です! そうした事態は、絶対に回避しなければなりません!
しかし、そのリスクは、高市氏が総理大臣となり、小泉進次郎氏が防衛大臣となったことで、残念なことに加速しつつあります!
今期16期、IWJは、日本だけでなく、西側に広がり、やむことのないプロパガンダの毒素にのみこまれず、苦くても真実をお伝えしていきたいと思います!
どうぞ、緊急のご支援のほど、よろしくお願いいたします!
岩上安身 拝
※以下は、IWJの活動へのご寄付・カンパを取り扱っております金融機関名です(各金融機関ごとに口座名が非統一ですが、どれも、各銀行の仕様に従ったもので、間違いではありません)。どうぞ、ご支援のほどよろしくお願いします!
みずほ銀行
支店名 広尾支店
店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル
城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル
ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル
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◆中継番組表◆
**2025.12.25 Thu.**
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◆中継番組表◆
**2025.12.26 Fri.**
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「トランプ関税」の衝撃波が世界を襲う! 貿易政策と安全保障政策の融合!? 逆に米国と同盟国に、経済破綻と社会崩壊の危機が迫る!? 岩上安身によるインタビュー第1188回ゲスト エコノミスト・田代秀敏氏 第1弾 2025.5.2
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40年間続いた米国債の価格上昇が、下落へ! 世界一米国債を保有する日本には、巨大な含み損が発生! 米国債務は対GDP比100%を超え、利払い費だけで、米防衛費を超過!「アメリカの、世界に対する覇権を支えている財政システムが、大変動を起こしている」! 岩上安身によるインタビュー第1195回ゲスト エコノミスト・田代秀敏氏 第2弾 前編 2025.6.8
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/527763
フォン・デア・ライエン委員長は「我々が知っていた西側は、もはや存在しない」と宣言!「日本人がもっと真面目に考えないと。日本の立ち位置って何ですか?『西側の一員です』と。でも、その『西側』はないんです」! 米国債がクラッシュしてしまえば、最大保有国である日本は、最大の被害国に! 岩上安身によるインタビュー第1195回ゲスト エコノミスト・田代秀敏氏 第2弾 後編 2025.6.8
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ヒンドゥー至上主義のインド・モディ政権によって酷い差別を受けているカシミールは、ユダヤ人至上主義によって民族浄化を受けるガザと共通性がある! パレスチナ問題とカシミール問題はともに大英帝国支配の負の遺産! しかし、英国は責任を果たさない! 岩上安身によるインタビュー第1194回ゲスト 現代イスラム研究センター理事長 宮田律氏 第1回 2025.5.30
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/527633
イスラエルは、トランプ米大統領のリゾート開発構想のために、ガザ戦争を再開! 毎日100人単位でパレスチナ人を殺害しているのに、主要メディアではほとんど報じられず、批判もされない! ユダヤ教の極右政党と連立するネタニヤフ政権は、UNRWA施設を破壊し、職員も殺害! 人道援助を妨害し、ガザは「国際法の墓場」に! 岩上安身によるインタビュー第1194回ゲスト 現代イスラム研究センター理事長 宮田律氏 第2回 2025.6.6
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/527726
「トランプは戦争をしない」は嘘! 米大統領がバイデンでもトランプでも、イスラエルのやることは全部支持! キリスト教に妥協したユダヤ教徒と、キリスト教シオニストの福音派の猛烈な支持を抜きには考えられず、イスラエルの利益を最大限に追求!~岩上安身によるインタビュー第1176回ゲスト 現代イスラム研究センター理事長・宮田律氏
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/526058
「戦争をやめさせる」はずのトランプ内閣が、ウクライナ紛争を剛腕で停戦させようとしているのに対し、イスラエルのジェノサイドはなぜ野放し!? その謎に迫る!!【ガザ戦争とハマス】15ヶ月に及ぶ戦争は中東地域に何をもたらしたか? トランプ政権によってパレスチナはどうなるのか? 岩上安身によるインタビュー第1184回ゲスト 現代イスラム研究センター理事長・宮田律氏 2025.2.25
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/526531
2024年を振り返る! そして1ヶ月後に始まる第2次トランプ政権で、米国は、そして世界はどう変わる!?~岩上安身によるインタビュー第1175回 ゲスト 元外務省国際情報局長・孫崎享氏
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/525988
ハミッド・ダバシ氏が指摘「ガザのおかげでヨーロッパ哲学の倫理的破綻が露呈した」!「ガザ攻撃における植民地主義の視点」~岩上安身によるインタビュー第1145回 ゲスト 東京経済大学教授 早尾貴紀氏 2024.2.7
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/521575
「イスラエルがどんな戦争犯罪、人道に対する罪を行っても一度も裁かれなかった。こういう国際社会の『伝統』がジェノサイドを可能にしている」!!~岩上安身によるインタビュー第1144回 ゲスト 早稲田大学文学学術院教授・京都大学名誉教授・岡真理氏 2024.2.2
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/521515
イスラエルがパレスチナ・ガザ地区に対して行なっているのは「民族浄化」! イスラエルによる「報復」でもなければ、ハマスとの戦争でもない!~岩上安身によるインタビュー第1138回 ゲスト 東京経済大学教授 早尾貴紀氏 2023.11.13
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/519713
「絶望」に突き動かされたハマスがイスラエルを急襲! イスラエルは、「報復」の名のもとに「民族浄化」を開始! パレスチナ人の「完全追放」まで至るのか!?「第2のナクバ」に~岩上安身によるインタビュー第1137回 ゲスト 放送大学名誉教授 高橋和夫氏 2023.11.9
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/519653
対等な者同士の「ハマス・イスラエル戦争」ではない!「植民地主義とそれへの抵抗であるという基本的な視点が必要」~岩上安身によるインタビュー第1136回 ゲスト 東京大学名誉教授 板垣雄三氏 2023.11.2
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/519527
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■ジェフリー・サックス教授が、ドイツのメルツ首相に公開書簡!「欧州の安全保障はロシアと不可分」!フランスや英国さえ渋った東西ドイツの再統一を、「NATOを拡大しない」という約束を信じてソ連が支持したのに、「メルツ首相はほぼ連日のように、戦争の太鼓を叩いている!」とドイツ首脳を非難!
12月18日、19日の2日間にわたって開催された欧州首脳会合では、元ドイツ国防大臣である、ウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員長とドイツのフリードリヒ・メルツ首相が推進してきた、ロシア凍結資産の流用と「EU・メルスコール貿易協定」という2大政策が、通りませんでした。
しかも、これまでウクライナ支援と対露制裁に反対し続けてきたハンガリー・スロバキアに加えてイタリア・フランスといったEUの中心的な国、ベルギー、チェコ、ポーランド、オーストリア、アイルランドなども、フォン・デア・ライエン=メルツによるドイツ勢力に反旗を翻したのです。
「ロシア=悪、欧州の脅威」であると単純化して、ウクライナ紛争をできるだけ引き伸ばし、欧州とロシアの直接戦争へのエスカレーションも辞さない、好戦的な姿勢を見せる、フォン・デア・ライエン氏とメルツ氏ですが、彼らが交代しても、欧州の中核をなすドイツの好戦的な姿勢は、「戦争反対」を掲げるAfD(「ドイツのための選択」)が単独与党にでもならない限り、ロシアに対する強硬姿勢は、変わりありません。
※<ウクライナ紛争の転換点(その11)>「EU・メルコスール貿易協定」に抗議する農民らがブリュッセルにあるEU本部の前に終結し、ジャガイモや卵を投げつけて抗議デモ! ベルギー警察は、過激化するデモ参加者らに催涙ガスと放水砲を発射! フォン・デア・ライエン欧州委員長らが進めてきた「EU・メルコスール貿易協定」は、イタリア、フランスの反対もあり、批准できず!(日刊IWJガイド、2025年12月22日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20251222#idx-2
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/55305#idx-2
※<ウクライナ紛争の転換点(その12)>「EU・メルコスール貿易協定」に抗議する農民らがブリュッセルにあるEU本部の前に終結し、ジャガイモや卵を投げつけて抗議デモ! ベルギー警察は、過激化するデモ参加者らに催涙ガスと放水砲を発射! フォン・デア・ライエン欧州委員長らが進めてきた「EU・メルコスール貿易協定」は、イタリア、フランスの反対もあり、批准できず!(日刊IWJガイド、2025年12月23日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20251223#idx-2
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/55308#idx-2
EUは戦勝国フランスと、敗戦国ドイツによる、欧州経済共同体(EEC)としてスタートし、フランスとドイツが中核となって、EUを率いていきました。
フランスが戦勝国であり、長い間、表面的にはEUにおいて、指導力を発揮してきましたが、ドイツが経済力をつけると、EU全体における存在感を増していきました。人口学者として名高いエマニュエル・トッド氏は、かねてより、EUを事実上の「ドイツ帝国」であると指摘しています。
15日付『エル・パイス』は、「フリードリヒ・メルツは、長年エマニュエル・マクロンが占めてきた欧州の権力の座を、事実上掌握しようとしている」と報じました。
『エル・パイス』の書いているように、メルツ首相になってから、ドイツが力をつけて、フランスのマクロン大統領の指導者としての地位を奪った、というのは、いささか事実とは異なっています。もっと前から、ドイツはEU内で隠然とした力を発揮していました。
ただ、メルツ首相になってから、ウクライナに援助するだけでなく、ドイツ自ら軍拡し、ロシアとの敵対姿勢が表面化したので、欧州内では、このように「見える」ということなのでしょう。
また、パリを拠点とするシンクタンク、モンテーニュ研究所のジョセフ・デ・ヴェック氏は、「メルツのリーダーシップの時代が到来した」とも述べています。
デ・ヴェック氏は、2025年3月に、ドイツ連邦議会が軍事費の予算上限を撤廃する憲法改正を可決し、「中期的には、ドイツ陸軍はヨーロッパ最大の軍隊となる」と見込まれていると指摘しました。
2025年3月の憲法改正によって、ドイツでは、防衛費がGDPの1%を超える部分を「債務ブレーキ」の制限対象から外すことが明記され、大規模な軍事費・インフラ投資のための新たな資金ルールが導入されることになりました。ドイツは、明確な国家意志をもって、軍拡の方向に踏みきっていることがわかります。
※Merz tries to replace Macron at the helm of Europe(EL PAIS、2025年12月21日)
https://english.elpais.com/international/2025-12-21/merz-tries-to-replace-macron-at-the-helm-of-europe.html
※Germany’s parliament passes historic package boosting defence spending(euro news、2025年3月18日)
https://www.euronews.com/my-europe/2025/03/18/germanys-parliament-passes-historic-package-boosting-defence-spending
メルツ首相は、キエフに送る兵器の射程距離制限を解除するなど、多くの好戦的な発言を繰り返しています。例えば、今年5月にはドイツの長射程ミサイル「タウルス」をウクライナに供与することを明らかにしました。
「ウクライナに輸送される兵器には、英国、フランス、米国、そして米国のいずれによるものであっても、もはやいかなる射程距離制限もない」(2025年5月26日、WDRヨーロッパフォーラム2025)
「これは、ウクライナが今や、例えばロシアの軍事拠点を攻撃することで自国を防衛できることを意味する。ごくわずかな例外を除いて、最近までウクライナはそうしたことはしていなかった。今やそれが可能になったのだ」(2025年5月26日、WDRヨーロッパフォーラム2025)
※Germany’s Merz: No more range limits for weapons to Ukraine(DW、2025年5月26日)
https://www.dw.com/en/germanys-merz-no-more-range-limits-for-weapons-to-ukraine/a-72676864
メルツ首相の言説は、ロシアとの緊張を煽る発言が多く見られますが、言説だけではなく、兵役制度の再構築(徴兵制度に準じる措置)、リトアニアなど東欧へのドイツ軍の常駐、ラインメタルなど軍需企業の急成長など、法制度上・軍事上の措置や経済的要因も目立ちます。
先述した通り、ドイツは第2次大戦の敗戦国であり、できるかぎり軍事的には控えめにふるまい、経済と、外交を優先する姿勢を守ってきましたが、メルツ政権発足以降、急速に軍事色を強めていることがわかります。「ロシアの脅威」があるからというよりも、「ロシアの脅威」を言い立てることで、千載一遇のチャンスとばかりに、自国の軍拡を急いでいるようにみえます。
ジェフリー・サックス教授は、ドイツとEUを急速に軍事的に強化し、ロシアとの緊張を高めているフリードリッヒ・メルツ首相への公開書簡を出しました。
その書簡は、「安全保障は不可分であり、歴史は重要である」と題して、独立系のオンライン・メディア『ブレイブ・ニュー・ヨーロッパ』に掲載されています。
※Jeffrey Sachs – An Open Letter to Chancellor Friedrich Merz: Security Is Indivisible – and History Matters(Brave New Europe、2025年12月20日)
https://braveneweurope.com/jeffrey-sachs-an-open-letter-to-chancellor-friedrich-merz-security-is-indivisible-and-history-matters
サックス教授は、19日、グレン・ディーセン教授のYouTube番組に登壇し、メルツ首相への公開書簡の意図を「メルツ首相が、ほぼ連日のように、戦争の太鼓を叩いているからだ」と、説明しています。
サックス教授は、「欧州は、間違った方向に進んでいて、非常に危険なコースを歩んで」おり、「ウクライナ戦争に至る過程と、その継続において、ドイツがかなりの役割を果たしてきたことを、メルツ首相は認識すべきであり、誠実な反省を求める」と述べました。
1990年の東西ドイツ統一の際、ドイツと米国の両国は、ゴルバチョフ書記長らに対して、NATOは「1インチも東へ行かない」と繰り返し約束し、それを信じたソ連が、容認したからこそ、東西ドイツ統一が実現しました。
サックス教授は、NATOの東方拡大こそが、ウクライナ紛争の「開戦理由」なのだから、メルツ氏はドイツ首相として、その歴史を理解すべきだと強調しています。
サックス教授「メルツ首相への手紙の要点は、首相として責任を持ってほしいということです。これは、あなたの国です。あなたの国は、この危機の中心にいます。この歴史を理解し、真実を語り、戦争の太鼓を叩くのをやめてください」
サックス教授はNATOの東方拡大について、ドイツは「単に自分の約束が破られるのを、見ているだけの傍観者」だったのではなく、「積極的な参加者」であったと指摘しました。
ディーセン教授は、皮肉なことに、「フランスや英国は、東西ドイツ統一を『第4帝国』と見て快く思わず、ソ連が東西ドイツ統一を支持したのに、ドイツはロシアを裏切っている」と指摘しました。
ディーセン教授「ドイツはある意味で、ロシア人の背後を刺したように見えます。欧州を統合する際、最終的にはロシア人を除いて全員が席に座ることになり、結果的にブロック政治を復活させてしまったのですから」
サックス教授は、1999年のベオグラード(セルビア共和国の首都)への爆撃や、2002年の弾道弾迎撃ミサイル制限(ABM)条約からの米国の離脱、2008年のNATO爆撃後のドイツによるコソボ独立承認と、ブカレストNATO首脳会議(旧ソ連邦構成共和国であるウクライナとジョージアのNATO加盟を認める)、2014年のユーロ・マイダン・クーデター、ウクライナによるミンスク合意違反などをあげて、いずれもドイツがきちんと役割を果たさなかったから、惨劇を招いたのだと述べています。
サックス教授「彼(メルツ首相)は、ドイツの説明責任について、ドイツの責任について、一言も触れません。この戦争の核心的な理由であるNATO拡大についても、一言も触れません。
ドイツが約束したことと矛盾するマイダン・クーデターについても、ドイツが履行を保証すると約束した、ミンスク合意2の失敗についても語りません。
私は、今の状況が極めて危険であると同時に、我々を惨劇へと、欧州を惨劇へと導いているこれらの『いわゆる指導者ら』に、何の反省も見られないことに驚いています。
これは、2人のドイツ人指導者、メルツとウルズラ・フォン・デア・ライエンです。彼らは互いを知っており、手を取り合って動いています。この2人のドイツ人指導者は、平和に対するドイツの責任や、我々をこの悲惨な状況に追い込む手助けをしたという責任を、一瞬たりとも認めようとしません」
※Jeffrey Sachs: An Open Letter to Chancellor Merz – Security Is Indivisible and History Matters(Glenn Diesen、2025年12月19日)
https://youtu.be/GbyXNj2P9KE
ウクライナ・メディアの『ストラーナ』は、16日、YouTubeで、ウクライナの真の安全保障は「EUとロシアの関係の正常化」にあると指摘しています。
(ストラーナ)「しかし、友人達よ。ここにある最大のパラドックスは何か、わかりますか?
ウクライナにとっての真の、そして長期的な安全保障の保証とは、戦争の継続でも賠償融資でもありません。それは『EUとロシアの関係の正常化』であり、『欧州における新しい安全保障システムの構築』です。
これこそが、ウクライナだけでなく、少なくとも欧州全体、最大でユーラシア大陸全体に永続的な平和をもたらす唯一の道なのです」
まさに、その通りです。ウクライナと欧州にとっての真の安全保証は、「EUとロシアの関係の正常化」にかかっています。
ウクライナのメディアの中から、こうしたまともなオピニオンが、ゼレンスキー独裁の圧制下で、ようやく出てきたのは、戦場での劣勢、汚職スキャンダルによる独裁政権の基盤の不安定化によるものだと思われます。
※Блэкаут в Одессе, чем закончились переговоры в Берлине, последствия репарационного кредита. 15.12(オデッサでのブラックアウト、ベルリンでの交渉の結果、賠償金貸付の影響、CTPAHA.UA、2025年12月16日)
https://youtu.be/xxBeAFc7EYU
以下に、サックス教授が、メルツ首相に宛てた公開書簡の全文を、仮訳・粗訳でご紹介します。
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メルツ首相
あなたはこれまで繰り返し、欧州の安全保障に対するドイツの責任について発言されています。その責任は、スローガンや恣意的に選択された記憶、あるいは戦争に関する議論の常態化によって果たすことはできません。
安全保障の保証は、一方通行の手段ではありません。それは双方向のものです。これは、ロシアの主張でも、米国の主張でもありません。ヘルシンキ最終文書、OSCEの枠組み、そして戦後数十年にわたる外交に明確に組み込まれてきた、欧州の安全保障の基本原則なのです。
ドイツには、現在の局面に対して、歴史的重みと誠実さをもって向き合う義務があります。しかし、その点において、近年の言説と政策の選択は、危険なほど不十分です。
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■EU資金900億ユーロ(約16兆2837億円)と日本の資金9000億円が投入される汚職大国ウクライナは、その資金を本当に活用するのか? ミンディッチ・ゲートは国家犯罪! ゼレンスキー氏の親友で「金の便器」を保有していたミンディッチ氏だけが容疑者ではない! 元ウクライナ副首相も! エネルギー相も! 元エネルギー相顧問も! 現職の国家エネルギー委員会委員も! ミンディッチと米国側が接触していたという噂にゼレンスキー氏は狼狽!? なんとイェルマーク氏は相変わらず権力を振るっている? 日本は犯罪国家になぜ血税を投入するのか?(後編)
(前編)からの続き
※EU資金900億ユーロ(約16兆2837億円)と日本の資金9000億円が投入される汚職大国ウクライナは、その資金を本当に活用するのか? ミンディッチ・ゲートは国家犯罪! ゼレンスキー氏の親友で「金の便器」を保有していたミンディッチ氏だけが容疑者ではない! 元ウクライナ副首相も! エネルギー相も! 元エネルギー相顧問も! 現職の国家エネルギー委員会委員も! ミンディッチと米国側が接触していたという噂にゼレンスキー氏は狼狽!? なんとイェルマーク氏は相変わらず権力を振るっている? 日本は犯罪国家になぜ血税を投入するのか?(後編)(日刊IWJガイド、2025年12月24日)
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NABUが収集した容疑者らの会話を記録した約1000時間分の音声録音は、当然、米側にも渡っているはずです。
ミンディッチ・ゲートの最重要容疑者のティムール・ミンディッチ氏と、FBIあるいはCIAが接触することは当然ありえます。
このように、政権中枢が、組織的に汚職を行っている国家に、EUは、900億ユーロ(約16兆2837億円)を貢ぐというのは、正気の沙汰ではありません。
ウクライナ紛争に、直接の責任問題がなく、ウクライナの敗戦が決定した場合も、責任問題が浮上することがないはずの日本までが、9000億円を貢ぐ必要がなぜあるのか!? 新たに金を融資する前に、これまでの支援の使い道が、どうなっているのか、ウクライナ政府から説明を受けるとともに、それにもとづき、日本政府はじめ、西側政府は、自国民に説明する責任を負っています。それなくして、追加の支援など許されません。
しかも、戦況においては、ロシアが、攻勢を強めています。
ロシア軍は、欧州からの支援軍事物資の主要な供給ルートであるルーマニアからウクライナへの鉄橋をロシアが破壊して、欧州とウクライナとの間を物理的に遮断する作戦を本格化させています。
資金がキエフに届けられ、その金で欧米の武器弾薬を購入しても、輸送することができなくなるようにする作戦なのです。
この作戦が奏功すれば、いくら欧州や日本が支援しても、武器は東南部の前線に届きません。
9日付『レジデント』は、もうひとつ、興味深い情報をポストしています。
「我々の情報源によると、元大統領府長官アンドリー・イェルマークは、近く非公式にロンドンを訪問する予定だという」。
※『レジデント』のテレグラムへのポスト(2025年12月9日)
https://t.me/rezident_ua/28336
ミンディッチ・ゲートで摘発はされませんでしたが、国民と政府各機関からの強い圧力で辞任した、イェルマーク元長官は、英国に潜伏を画策しているのかもしれません。
汚職捜査の手が回ることを恐れて大統領府長官を辞任(事実上の解任)したイェルマーク氏は、少なくともまだ10件の役職を保持していると『日刊IWJガイド』12月10日号でお伝えしました。
※ウクライナ大統領府長官を解任されたはずのイェルマーク氏は、いかなる犯罪についても容疑通知を受け取っていない!? イェルマーク氏は、自分が解任されるとはまったく思っておらず、辞任を求めたゼレンスキー氏に対して侮辱や非難、糾弾に満ちた30分にわたる激しい罵倒を浴びせた!! 大統領府のメンバーは、誰もイェルマーク氏を擁護せず! イェルマーク氏は大統領府長官解任後も10以上の要職を兼務していたが、そのうち安全保障に関するポストを解任される!「イェルマーク氏の100%の支持者」である対外情報局は、イェルマーク氏の逃亡の支援を行っている!?(日刊IWJガイド2025.12.10号)
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■<IWJ取材報告 1>弁護団・西念京佑弁護士「福島では原発事故の直後に、本来計測されるべきであった放射性ヨウ素の放出線量をきちんと測定したデータがないのです」~12.17「311子ども甲状腺がん裁判」第16回口頭弁論後の記者会見 ―登壇:井戸謙一弁護団長、西念京佑弁護士
2025年12月17日午後3時より、東京・司法記者クラブにて、「311子ども甲状腺がん裁判」の第16回口頭弁論後の記者会見が開催され、弁護団長の井戸謙一弁護士、弁護団の西念京佑弁護士、そして、元松本市長で甲状腺外科医の菅谷(すげのや)昭氏が登壇しました。
会見では、井戸・西念両弁護士が、この日の口頭弁論期日における陳述の内容について説明し、その後、この裁判を初めて傍聴した菅野氏が、裁判についての感想を語りました。
第16回口頭弁論の提出書類などの裁判資料については、「311甲状腺がん子ども支援ネットワーク」のサイトをご参照ください。
※第16回口頭弁論 2025/12/17(311甲状腺がん子ども支援ネットワーク)
https://www.311support.net/preparatorydocuments13-15/#j16
西念弁護士は、「第51準備書面(被告の主張する線量推計の相互矛盾と内部比較との関係について)」について、以下の通り説明しました。
西念弁護士「この福島の甲状腺がんについては、県民健康調査が行われていまして、そこの甲状腺検査評価部会が、これまで中間的なまとめを何度か出してきました。
その中では、福島県内において、甲状腺がんが発見されている割合と地域ごとの放射性ヨウ素の線量──推計値になるんですけれども──、との間に一貫した関係、要するに、『線量が高いところほど、がんが発見されている』という一貫した関係が認められていない。『量反応関係』というんですけど、それが認められていないので、『因果関係があるとは認められない』みたいなまとめ方をされてきていたんですね。
ところが、そのまとめの仕方が、いかにおかしいかということを主張したのが、この『51準備書面』(※上記のホームページ参照)です。
ひとつは、今言ったみたいに、その地域ごとの線量の高低、それとがん発見率の高低とを比較するというのが、量反応関係の前提なんですけれども、その地域ごとの線量の高低、『ここが高い』、『ここが低い』、『福島が高い』、あるいは『避難13市町村が高い』という、その位置関係が、部会まとめのたびに、毎回変わっているんです。
ご存じのように、福島では(原発事故の)直後に、本来であれば計測されるべきであった放射性ヨウ素の放出している線量というもののデータがないんですね。
実際に、きちんと測定したデータがないので、幾つかあるデータから推測をしたり、推計をしたりするんですけれども、この評価部会が推計をしているやり方が、毎回毎回変わるので、毎回毎回地域区分がばらばらなのです。
そうすると、そのきちんとした『一貫して増える量反応関係』が示せますか、というと、片方がばらばらだと、きちんと出ないです。
なので、そういうばらばらなことをしておきながら、『量反応関係がない』と言っていることが、まずおかしいということを示しました」
井戸弁護士からは、「準備書面52(被告準備書面[20]に対する反論:福島で甲状腺がんが多数見つかっているのは、スクリーニング効果によるものであるとする被告に対し、甲状腺腫瘍診療ガイドラインや、福島県立医大の論文などにもとづき、スクリーニング効果では説明できないことについて補充)」、及び「準備書面53(原告らが受けた被曝の程度について:事故初期の計測結果を示しつつ、原告が相応の放射線被曝を強いられた事実について補充)」(※52、53ともに上記のホームページ参照)などについての説明、そして、今後の予定などについての報告がありました。
菅谷氏は、ベラルーシで5年半にわたり、子供達の甲状腺がんの治療をした経験を振り返りつつ、次のように語りました。
菅谷氏「ベラルーシでは、健康被害を持つ子供達に対して、当時、本当に物心両面でもって、かの有名な独裁者のルカシェンコさんは、本当に一生懸命やってくれたんです。確かに、独裁者ではあるものの、あの当時は本当に優先的に、子供達に対して物心両面で支援している。
国が、大統領がやっているのです。どうして日本で、できないのか?
国が原発推進政策を、またとり始めていますけれども。だとしたら、事故が起こったときは当然、国はそれに対して責任を持って、支援していくとか、そういう対応をとってもらわないと、これはちょっと大変だなと。(中略)
私は、ベラルーシで向こうの人とお話ししたときに、ベラルーシは経済的に非常に苦しいけれども、子供達に対してこんなに支援をしているんだよ、と言ったときに、『日本はやっていませんよ。みんな自費とか、あるいはまたボランティアの皆さんでもって出して』と言ったら、『あの豊かな日本で、そういうことしないんですか』ってびっくりされました」
会見の詳細については、全編動画を御覧ください。
※「311子ども甲状腺がん裁判」第16回口頭弁論後の記者会見 ―登壇:井戸謙一弁護団長、西念京佑弁護士(Movie IWJ、2025年12月19日)
https://youtu.be/fh-E7u5OTh0
※「311子ども甲状腺がん裁判」第16回口頭弁論後の記者会見 ―登壇:井戸謙一弁護団長、西念京佑弁護士
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/529887
■<IWJ取材報告 2>「どうやって、人口が伸びない、経済が伸びない中にあって、この国を持ちこたえていくかということを、我々は考えていかねばならないし、この厳しい時代にあって、どうやって我が国の独立と平和を維持するか、ということを考えていかねばならない」!~12.3 石破茂前首相 特別講演会~激動の一年間と日本の進むべき道
12月3日、東京都新宿区の早稲田大学大隈記念講堂にて、早稲田大学の政治サークル「鵬志会(ほうしかい)」の主催により、「早稲田政治祭2025」が開催されました。
午後2時30分より、そのプログラムのひとつとして、石破茂前総理による「激動の一年間と日本の進むべき道」と題した特別講演が行われました。
石破氏は、講演の冒頭、自身が政治家になる1年前に聞いた、故・渡辺美智雄氏(※)の講演会の内容を紹介しつつ、石破氏自身が考える「政治家の仕事」について、以下のように語りました。
(※)渡辺美智雄:
日本の政治家。1923年千葉県習志野市生まれ、栃木県那須郡川西町育ち。旧制東京商科大学(現・一橋大学)附属商学専門部卒業。読売新聞東京本社記者出身。
自由民主党政務調査会長(第33代)。衆議院議員(11期)、厚生大臣(第54代)、農林水産大臣(第2代)、大蔵大臣(第81代)、通商産業大臣(第45代)、副総理兼外務大臣(第114代)を歴任。中曽根派を継承して渡辺派を率いた。
「ミッチー」の愛称で親しまれた。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%A1%E8%BE%BA%E7%BE%8E%E6%99%BA%E9%9B%84)
石破氏「(前略)渡辺美智雄先生の講演を、私は議員になる1年前に聞いた。昭和61年の8月のことです。
あの時に、現職の政治家、政治家志望の青年・中年50人ぐらいが話を聞いたですかね。箱根で。その時に渡辺先生が、こういうことを言われたですよ。
『お前らは、何のために政治家であるのか』と。『何のために政治家になりたいのか』と。
『金が欲しいのか。「先生、先生」と呼ばれたいのか。いい勲章がもらいたいのか。女にモテたいのか。
そんな奴は、今すぐ辞めろ。そんな奴は、絶対政治家になってはならん。
よく聞け。政治家の仕事というのは、たった一つなのだ。それは、勇気と真心をもって、真実を語る。それしかないのだ』。
1時間半ぐらいの長い講演でしたが、随分いいお話もなさいましたがね。
『日本は、世界のシンガポールを目指すべきだ』と言われたのをよく覚えていますが、その中で『政治家の仕事というのは、勇気と真心を持って真実を語ること』って言われたことが、すごく印象に残っていて…。(中略)
私は、次の年の7月に、初めて衆議院議員になったのだけれど、(中略)その言葉は、今でも真実だなというふうに思ってます。
当たり前のことのように思えるけれど、私も政治家を40年やっていて、いろんな役職もやって、総理大臣までやったけれども、そのことって、どんなに難しいことなのか。
何で難しいことを、渡辺先生は言われたのかということで、己を顧みて、恥じることばかりであります。(中略)
真実は、自分で一生懸命努力して見つけなければいけない、ということだと思います。
で、見つけた真実というのは、大体ウケない。ウケが悪い。
このあと、いろんな経済政策の話があるんでしょうけれど、私はやはり、財政は持続可能性がなければいけないし、財政は健全でなければならないと思っています。
憲法改正は必要であり、自衛隊は軍隊であると正直に認めないと、安全保障政策は成り立たないと思っています。
だけど、どっちもウケないです。財政は健全であるべきだ(と言うと)、『お前は財務省の回し者か』みたいな話になるわけですね。ウケが悪いです。
『自衛隊は軍隊であると、ちゃんと認めよう』(と言うと)、『軍国主義者か』みたいな話になります。ウケけないです。
だけど、もうウケなくても、それを語る勇気は持たねばならないと思っています。どんなに真実を、勇気をもって語っても、『ああ、そうだね』と言ってもらわなければ、どうにもなりません。渡辺美智雄先生風に言えば、それが『真心』ということなんだろうと思っています」
石破氏は、講演の後段、明治維新から日清・日露戦争、そして第1次・第2次世界大戦と、日本の近代史を振り返りつつ、今を生きる我々日本人が求めるべき価値観について、以下のように自説を語りました。
石破氏「敗戦後、焼け野原となった国家。もう一度、経済を再興させねばならぬ。もっと、東京1極集中が加速をされた。1968年には、日本の、当時はGNPと言っていた、世界第2位になった。
昭和39年に東京オリンピック、45年に大阪万博、47年に札幌オリンピック。日本は、あっという間に経済成長の坂を駆け上がった。
それが終わったのが、平成という時代だろう。強さでもない、豊かさでもない。じゃあ、我々が求めるべき価値観とは何なのだということであります。時代が変わるってことは、価値観が変わるってことでしょう。
大阪万博を成功に導き、そして関西万博の発案者であったのは、堺屋太一さんという方でした。『油断!』という小説を書き、経済企画庁長官も務めた立派な方でした。
この方が、言っておられた。『強さでもない。豊かさでもない。楽しい日本を作ろうじゃないか』ということ。『ウェルビーイング(well-being=身体的・精神的・社会的に満たされ、良好な状態が持続すること)』ということかもしれません。
『楽しい日本』って、私が施政方針演説で言ったら、無茶苦茶叩かれたけどね。『何が楽しいだ。バカヤロー』みたいな話になったんだけど、その言い方が、私の言い方が悪かったのでしょう。
一人一人が幸せを実感できる日本って何なんだ、と。『首都一極集中』というのは、東京とソウルだけにある現象であり、『パリ一極集中』とか、『ロンドン一極集中』って、聞いたことがない。
じゃあ、これから先、シェアリングエコノミー(※)の世の中になって、(中略)どうやって、人口が伸びない、経済が伸びない中にあって、この国を持ちこたえていくかということを、我々は考えていかねばならないし、この厳しい時代にあって、どうやって我が国の独立と平和を維持するか、ということを、考えていかねばなりません」
(※)シェアリングエコノミーとは、インターネットを介して、個人と個人・企業等との間で活用可能な資産(場所・モノ・スキル等)をシェア(売買・貸し借り等)することで生まれる新しい経済の形のこと(消費者庁)。
https://www.caa.go.jp/notice/assets/future_caa_cms201_211001_02.pdf
講演内容の詳細については、全編動画を御覧ください。
※「どうやって、人口が伸びない、経済が伸びない中にあって、この国を持ちこたえていくかということを、我々は考えていかねばならないし、この厳しい時代にあって、どうやって我が国の独立と平和を維持するか、ということを考えていかねばならない」!~12.3 石破茂前首相 特別講演会~激動の一年間と日本の進むべき道
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/529834
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