柳原弁護士「狐につままれたような判決だ」。ふくしま集団疎開裁判 判決は棄却 ~ふくしま集団疎開裁判 緊急記者会見 2013.4.24

記事公開日:2013.4.24取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・富山/奥松)

 2013年4月24日(水)18時から、東京都千代田区の衆議院第二議員会館第1会議室にて、「ふくしま集団疎開裁判 緊急記者会見」が行われた。柳原敏夫弁護士は、冒頭、今回の判決を「狐につままれたような判決だ」と述べ、低線量被曝の身体への影響が認められた一方で、「ただちに不可逆的な悪影響を及ぼすとまでは認められない」とする判決の矛盾点を問題視した。

■ハイライト

 記者会見の冒頭、井戸謙一弁護士は、今回の判決が「長期間、断続的に低線量放射線にさらされている市民の現状や、チェルノブイリの例を鑑みて、児童、生徒の生命、健康について、由々しき事態が進行している」と言い切った一方で、「放射線被害は、ただちに影響はない」としている矛盾を疑問視した。井戸弁護士は「非常におかしな理屈の下、判決が下され、ひとことで言うと肩すかし判決である。印象としては、結論ありきであり、結論に持っていくための理屈であると言える。しかし、裁判所が低線量被曝の影響を認めている点は、大きな成果である。これをテコにして、今後の運動を考えていく必要がある」と述べた。

 昨年、4月から集団疎開裁判の抗議行動に関わってきた園良太氏は、「判決の内容は『放射能の危険性は認めるが、集団疎開を認めない郡山市に責任はない』という、非常にわかりにくいものである。しかし、事故から2年以上経ち、放射能被害が続出している状況に対して、司法がどれだけ国から圧力を受けたとしても、誤摩化すことのできないレベルに達していることが、現れた判決である」と述べた。

 その上で園氏は、他の国への敵対感情を煽り、アベノミクスで誤摩化そうとする自民党政権を問題視し、「原発事故の収束作業は、今なお続いており、被災地では酷いことがたくさん起こっている。そのような明確な被害があるにもかかわらず、大人たちはそれを隠している。彼らは、未来を生きる子どもたちに対して、どのように責任を取るのだろうか。もう放射線被害は隠せない。体制や法の論理を乗り越えて、問題を解決してほしい」と話した。

 柳原弁護士は判決の概要を説明し、「ひとことで言えば、狐につままれたような判決である」と述べて、被曝の危険性を明確に示した判決文の前半に対し、さまざまな理由をつけて、避難を求める権利も、避難させる義務もない、とする後半部分の整合性のなさを問題視した。

(…会員ページにつづく)

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