2023年9月8日(金)午後1時より、福島県福島市の福島市市民会館~福島地裁において、「ALPS処理汚染水差止訴訟」福島地裁に提訴!~事前集会・デモ行進・記者会見・報告集会が行われた。
原告団共同代表・いわき市の鈴木茂夫氏は、今回の提訴にあたっての「三つの思い」を、次のように語気強く述べた。
「まず一つは東電は福島の復興という風に言いながら、福島に二重の負担を負わせるようなALPS処理汚染水の海洋放出をなぜするのかということです。
私たち、いわき市民や福島県民は、十二年前の原発事故の被害者です。そして現在避難している人がたくさんいます。生業が回復しない人もいます。被害を継続している人たちがまだまだたくさんいます。
国・東電がALPS処理汚染水の海洋放出を強行するということは、被害者や被災者に対して新たな被害を与えるということだと思います。いわば二重の被害を生み出していると言えると思います。
しかも多くの県民の不安や反対を押し切って、今回のALPS処理汚染水の海洋放出は完全に意図的な行動です。
やめようと思えばいつでもやめられる、そういうことだと思います。
原発事故被害者に二重の被害を負わせるような、ALPS処理汚染水の海洋放出は、何としてもやめさせたいというのが一点目です」
「二つ目に言いたいことは、今回のALPS処理汚染水海洋放出について国・東電は一切謝罪をしていません。
漁業者との約束を破ったにもかかわらず、約束を破っていないという風に表現をして、『すみません』の一言も発していません。こんなことがまかり通っていいのでしょうか?
社会の常識から言えば、やむを得ず約束を守れないという状況になったら、その理由を説明し・頭を下げて謝罪をし、理解を求めるのが人の道ではないでしょうか?
謝罪もせず『理解は進んでいる』、これはどういうことなんでしょうか?」
「三つ目は、今福島第一原発では、毎日汚染水が増え続けています。廃炉を進めるためには、この汚染水(の増加)をストップさせる、そのことがまず必要なことです。
そうしないと、これから数10年の長きに渡って、このALPS処理汚染水を海洋放出し続ける状況が生まれるわけです。
私はこの海洋放出を、黙って見ているわけにはいきません。この海洋放出を何としてでも一旦止める、そして根本的な対策を考えさせる。そのための本日の提訴だと思っています。
そのためには、一日でも早い方がいい。皆さんの力を結集して、実現していきたいと思います。
今日はその第一歩です。皆さんこれからよろしくお願いいたします」
一行は、「国は原発事故の責任を取れ!」「汚染水を海に捨てるな!」「海を汚すな!」とシュプレヒコールを挙げながら、デモ行進を行った。
- 処理水海洋放出の差し止め求めて提訴 1都5県の151人「ことごとく約束を破った」政府と東京電力に憤り(2023.9.8、東京新聞)
- 汚染水放出阻止を 福島 市民ら国・東電提訴へ(2023.8.24、赤旗)