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2022年5月14日、午後6時15分より、千葉県千葉市の千葉市民会館にて、「みずほ塾 in 千葉運営委員会」の主催により、「みずほ塾 in 千葉 第2回『コロナ禍における困窮者支援活動の現状と課題』」が開催され、反貧困ネットワーク事務局長の瀬戸大作氏による講演が行われた。
瀬戸氏は、コロナ禍における困窮者の問題について、「非正規（雇用）の問題です。（コロナの発生から）2年数カ月経っていますけれども、状態は変わっていないと思います。僕らのところへ寄せられるSOSの件数は、ほぼ変わっていません。非正規の問題を放置している限り、この問題は続きます」と前置きした上で、次のように述べた。
「夜の8時から9時にSOSが来る。野宿している女性がいて、200円しかないという状態で、役所や行政機関は、17時を過ぎるとなくなる（利用できなくなる）わけですよね。児相（児童相談センター）なんかも、みんなそう。勝負の時間帯には閉まっている。行政に相談しても、追い返され、相談先次第では、地獄を見ることになる。
『あなたは働いているのだから生活保護は受けられない。施設に行かないとあなたは生活保護を受けられないです』というふうに言って、それで、施設というのが、集団生活が多いんですね。そこを経て、3か月から6か月くらい生活の状態を見て、アパート生活ができると判断しないと認めない。
そして、施設に入って、劣悪な環境の中で、相談者は逃げざるを得なくなる。福祉事務所などに相談すると、追い返されるか、ひどい対応を受けるから、もう二度と生活保護を受けたくない。その結果、所持金が底をついてしまって、もう、死ぬしかない。そういう状態でSOSが来るわけです。こういった凄まじい現状があります」。
質疑応答では、瀬戸氏の講演の内容に「非常に衝撃を受けた」という参加者からの「こういうことを毎日考えていて、非常に辛くはないですか？」との質問に対し、瀬戸氏は「辛いですね。辛いと言うか、へたってるんです。支援が上手くいかないんですよ」と述べ、現状について以下のとおり説明をした。
「シェルターを運営しているメンバーと相談する場があるんですが、『もう疲れたよね』という話はみんなしている。なぜかというと、最初の段階ではわからないが、どんどんやっていく間にいろんな（相談者）本人の課題が出てきてしまって、それに対して、地域医療のリソースが十分ではないところもあって、丸抱えになる場合がある。
相談してくる当事者の人たちが壊れていくっていう状態が続くじゃないですか。コロナ禍の中で2年以上やっていると、同じ相談者と会うわけです。例えば、1年半前に駆け付け支援をした人が、また首を切られて戻ってくるわけです。それを繰り返しているんですね。
何と言うか、『とりあえず支援をしている』という形になってしまっていて、根本的な問題解決ができない状態に今、ほぼなっているのではないかと思っています。そういったときに、民間支援の限界というか、根本的に、非正規の問題などを直していかないと、これをあと数年やるというのはかなりしんどい。
要するに、我々支援者が病んでいくというか。朝6時くらいになったら、もう相談者からバンバン電話が来たりするじゃないですか。『これは本当にまずいな』という感じですね。だから、新しく来るスタッフももたない。
逆に言うと、福祉事務所が17時に閉まって、土日休んで、それで僕らはそれ以降も動くわけであって、例えば、歌舞伎町で働く多くの女性たちの苦しみや逃げたいと思う時間帯というのは夜になるわけですが、その場合、施設はやってないわけです。
そういうことがわかっているのだから、そういう意味で言うと、（行政や施設は）僕ら民間の現場の状態を本当にしっかりと聞いて、ひざを交えた上で分析を行わないと、本質的な問題の改善にはつながりません。（中略）
福島瑞穂さんもよく『生活の底が抜けてる』と仰ってますが、じゃあそれをどうするのかという問題をちゃんとやらないと、まずい。非常にまずい状態だと思います」。
瀬戸氏の講演の内容については、ぜひ全編動画を御覧いただきたい。
