NPO法人自殺対策センター・ライフリンク代表の清水康之(しみず ・やすゆき)氏に、2011年10月19日、岩上安身がインタビューを行った。清水氏は年間3万人を超える日本の自殺者の現状を示し、それに対して取るべき施策を述べた。
(取材・記事:IWJ・原、記事構成:IWJテキストスタッフ・富山)
※2015年3月11日テキストを更新しました。
NPO法人自殺対策センター・ライフリンク代表の清水康之(しみず ・やすゆき)氏に、2011年10月19日、岩上安身がインタビューを行った。清水氏は年間3万人を超える日本の自殺者の現状を示し、それに対して取るべき施策を述べた。
■ハイライト
日本は年間約3万2000人の自殺者を生み、この状態はすでに13年間続いている。諸外国と比べると、アメリカの2倍。イギリス、イタリアの3倍。毎年12~15万人が残された遺族となり、現在、自殺者の遺族は全国で約300万人となっている。
自殺が社会問題化され始めたのはここ数年。その間、この問題は、多くは語られずにいた。自殺問題が顕在化しない理由として、清水氏は「亡くなった人は、亡くなったことを自分の口では伝えられない。遺族は周囲からの冷たい視線を避けるため、また『なぜ気づかなかったのか』と責められることを避けるために、口をつぐむ」と説明する。
清水氏は、自身のシンポジウムや講演会で、参加者から「20~30年間、誰にも言えなかったが、実は身内が自殺した」と打ち明けられることが多々あるという。「語りべ不在」の自殺問題は、自己責任として、あたかも個人的な事情かのように処理されてきた。
日本社会の特徴として、幼少時から周りを強く意識し、「どうすれば虐められないか、どうすれば先生に褒められるか」と考え、実行し、育っていく。そうして教育課程を終え、待っていた社会の現実は、非正規雇用、フリーターなどで、選択肢は限られている。こんなバカバカしさの中で、「死にたい」というよりも「生きていたくない」という意識が働く、と清水氏は言う。
内閣府が行った自殺の意識調査によると、30代が28%と一番高く、続いて20代が24%。社会経済的要因から見ると、社会で再出発をする困難さが挙げられる。もう一度、夢を見ようと思えない社会。右肩上がり経済であれば借金もできるが、その逆の現代、お金を返すめども立たない。
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