東芝は10日、2017年3月期の有価証券報告書を提出した。最終損益は国内製造業で過去最高となる9656億円、債務超過も5529億円(17年3月末)と巨額にのぼった。
米原発事業の損失計上での不適切な事項を除き、適正とする「限定付き適正」との監査意見となり、東証の上場廃止基準に触れる恐れがある「不適正」は避けられた。しかし、不正会計発覚以来、問題を指摘されている「内部統制監査」に関しては「不適正」意見が表明された。
巨額の債務超過を解消するため、進められている半導体事業の売却計画も、米ウエスタンデジタル(WD)と訴訟を抱えるなど難航している。東芝は18年3月末の決算までに、半導体事業を売却し債務超過を解消できなければ、東証の上場廃止基準に抵触し上場廃止となる。
もし、上場廃止となれば、資金調達が困難になり「東芝倒産」という事態が現実味を帯びてくることになる。
記者会見終了後、「東芝 原子力敗戦」などの著書があるジャーナリストの大西康之氏に、今回の決算と東芝の現状を解説していただいた。