2016年10月3日(月)13時より、新宿区・明治公園の一角にある通称「こもれびテラス」で、国立競技場周辺で暮らす野宿生活者を応援する有志による「東京都・JOC・日体協による野宿者追い出し緊急記者会見」が行われた。野宿当事者と支援者に加え、吉田哲也弁護士や山本太郎参議院議員が出席した。
現在東京都は、2020年東京オリンピックまでに、主会場となる新国立競技場建設を含めた神宮外苑地区の再開発を急ピッチで進めている。今年2月には、都の神宮外苑地区計画の中に、明治公園こもれびテラスの用地を利用して、日体協(公益財団法人日本体育協会)とJOC(日本オリンピック委員会)の新会館が建設されることが追加提案された。
また東京都は、現在日体協とJOCの本部が置かれている代々木公園脇の岸記念体育館の敷地を買い上げる計画を進めているが、その予算を明らかにしていない。これを都による民間団体への利益供与だと疑う声が、今、高まっている。
今年4月には新国立競技場の建設を急ぐJSC(日本スポーツ振興センター)の申し立てで、明治公園に暮らす野宿者4名が強制排除を受けている。また東京都は9月30日付で「こもれびテラス」を含んだ明治公園の廃園を決定しており、今月中にはボーリング調査を開始するとしている。今後、JOC・日体協のビル建設計画でも仮処分による強制排除が懸念される。
野宿当事者と支援者は「工事によって野宿当事者の寝場所を奪うことは人権侵害だ」と批判の声を上げている。また吉田哲也弁護士も、記者会見で「都市公園法16条」を根拠に、「公園管理者はこもれびテラスを廃止する代替地として霞ヶ丘団地の跡地を使うと言っていたが、計画をいじくり回して、結局工事ヤードに使うと言っている。代わりの公園については何も答えが出てこない状態だ」と、都のずさんな対応を批判した。