【フルテキスト掲載!】「野党共闘」が実現した注目の熊本選挙区、自民党の松村祥史議員に3500万円もの「出所不明金」!〜岩上安身による神戸学院大学・上脇博之教授インタビュー 2016.3.26

記事公開日:2016.4.12取材地: テキスト動画独自
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(前文・西原良太、構成・岩上安身)

※6月28日、テキストアップしました!

 熊本が、ずっと人々の耳目を集めている。

 2016年4月14日、熊本地方は震度7を記録する大地震に見舞われた。熊本地方ではさらに震度6弱以上の大地震が連続して続き、16日には再び震度7の大地震が起きた。余震は現在も活発に続いており、最初の大地震から2か月近くたった今月12日にも震度5弱の地震が起きている。

 IWJは地震に対する緊急行動として、地震発生直後に識者に対して緊急取材をおこない、さらに現地からの生の声を報道した。

 もうひとつ、熊本が注目を集めたのは、地震から約4ヶ月前にさかのぼる。2015年12月25日、参議院熊本選挙区において、全国に先がけて初の野党統一候補が誕生した。候補として立ったのは、弁護士の阿部広美氏。2016年2月11日、野党統一候補擁立を後押しした「市民連合」(正式名称は「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」)と野党統一候補の合意書調印式がおこなわれ、野党統一候補は全国最初の「市民連合」推薦候補となった。

 自民党の現職・松村祥史(よしふみ)候補と一騎打ちとなり、連日、激しい選挙戦を展開している。

 大地震に見舞われた熊本では、当然、災害時の政府や自治体の緊急対応のあり方や復興支援が目前の参院選においてもテーマとなるだろう。

 大地震に際して、安倍総理は「リーダーシップ」を演出する好機とばかりに、支援物資を自治体の要望を待たずに送る「プッシュ型支援」をおこなった。

 その結果、やみくもな「プッシュ型支援」は見事に裏目にでて、避難所の状況を正確に把握できず、必要な救援物資が必要な場所に十分に行き届かなかったと批判された。「無能」なリーダーシップの典型である。

 また、現地対策本部長だった松本文明・内閣府防災担当副大臣は、「傲慢」にも被災地での差し入れに文句をつけ、わずか5日で「おにぎり更迭」された。さらにこの松本氏は妻が所有するマンションを政党支部の事務所として使用しており、政治資金でマンション購入費用を賄った税金還流疑惑が持ち上がっている。

 災害には現場の状況を細かく把握できる各自治体が主体的に対応すべきであり、国家に強権を与えたところで状況は改善しない。それどころか、現場を知らない「無能」で「傲慢」なリーダーによる画一的で的外れな指示により、かえって被害が増大しかねない。

実際、毎日新聞が「災害対応における緊急事態条項の必要性」について、東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島3県の42自治体に対して尋ねたところ、「緊急事態条項が必要だと感じた」と回答した自治体はわずか1自治体にとどまった。

 それにもかかわらず、安倍総理、菅官房長官、さらには「自称ジャーナリスト」の櫻井よしこ氏などの極右勢力は、盛んに緊急事態条項の必要性を主張し、自らの不手際の責任を日本国憲法へ転嫁している。

 災害への対応は「災害基本対策基本法」などによってすでに法整備されており、「国の経済および公共の福祉に重大な影響を及ぼすべき異常かつ激甚」な災害が発生した場合、「国民に物資をみだりに購入しないことの協力要請」、「行政機関の長などへの指示」、「自衛隊などの派遣要請」、「一時的な警察の統制」などの権限を総理大臣が持つことができると規定されている。

 さらに「都道府県知事の強制権」として、「医療従事者、土木関係者、輸送関係者を救助業務に従事させることもできる」、「市町村長の強制権」として「現場の災害を受けた物件の除去、その他必要な措置をとることができる」と規定されており、極右勢力の「災害対応のために一時的に人権を停止しないといけない、それができない憲法は欠陥品だ」という主張は真っ赤なウソである。彼らにとって、人が苦しんでいる災害は、ショック・ドクトリン的な手法で独裁権力を掌握するための緊急事態条項導入の口実に過ぎないのだ。

 自民党改憲草案の緊急事態条項には期限がなく、災害や紛争、内乱などを口実に、国民の基本的人権を制限し、緊急事態宣言が続いている限り(事実上無期限に)衆議院は解散されず、内閣が「法律と同一の効力を有する政令」を制定することを可能とする「独裁条項」である。

 このような改憲を断じて許すわけにはいかない。改憲勢力による憲法破壊を食い止め、立憲主義を回復するため、新たな市民運動のひとつとして「落選運動」がおこなわれている。

 岩上安身は2016年3月27日、「落選運動を支援する会」の呼びかけ人の一人、神戸学院大学の上脇博之教授にインタビューをおこなった。上脇教授は落選運動の概要について解説した後、刑事告発第2号となる熊本県選出の松村祥史・自民党参議院議員の被疑事実について解説した。

上脇教授らの調査の結果、松村議員の収支報告書において、2010年の参院選の際に3500万円もの出所不明の寄付金が発覚、さらに会費名目でバレーボール協会や商工会青年部などに違法に寄付した疑いが明らかとなり、同議員は公職選挙法違反および政治資金規正法違反の疑いで刑事告発された。

 以下、インタビューの全編動画と全文文字起こしを、公共性を鑑みIWJ会員以外にも特別に全公開する。参院選の投開票日を迎える前に、ぜひとも多くの方々に読まれ、投票の参考となるように願う。

記事目次

■ハイライト

落選運動は国民の権利であり、全国どこでも誰に対してでもおこなうことができる!

岩上安身(以下、岩上)「ジャーナリストの岩上安身です。『刑事告発された8議員の正体』と題するこのシリーズ。昨日は第1号、島尻安伊子さんについてお話をうかがったのですが、本日は第2号、自民党の松村参議院議員。お話をうかがのは、神戸学院大学教授、上脇博之先生です。よろしくお願いいたします」

上脇博之氏(以下、上脇・敬称略)「よろしくお願いします」

岩上「このシリーズの一つのテーマは『落選運動』です。先生方は『落選運動を支援する会』をなさっている。ところが、落選運動というものが国民やメディアに十分に浸透していない、理解されていない。

 しかし、落選運動とは、きちんとした国民の権利であり、民主主義の健全化のためにも、これは必要である。下品な中傷や、匿名・偽名でやるなどというアンフェアな方法ではなく、理由を掲げて堂々とやればいい。

 あなたのような人は、国会議員になる資格はない。辞めてください。もしくは、支持者の皆さん、よくよく考え直してください。この人で本当にいいんですか、と訴える。

 例えば、高木毅復興大臣(※)は辞めてくださいと。この人を選んでしまう福井の人たちに向かって、日本全国の人たちが、いい加減にしろと訴える。これはエリアを超えてやっていいわけですね」

上脇「まったく自由です」

岩上「福井にはいろんなしがらみがある。福井に行くと、反原発の声をあげられないとか、自由がないとか言う人が、たくさんいます。すごくおびえた調子で言うんですね。『パンツ高木』なんていうのがまかり通ってきてきたのは、しがらみや利権が強すぎて、ものが言えないからだろうと思います。

 だから、地元で言えない人のためにも、外の人たちが声を上げる。ローカルの問題に外部から来て反対してもいい。例えば、沖縄で、外部の人間が基地反対の声を上げるのは余計なお世話だと言う人間がいますが、民主主義の原理として、余計なお世話をしていいってことですね」

上脇「おっしゃるとおりで、そもそも都道府県の境界線はありますけど、人はその境界内だけで生活しているわけではありませんね。『私はここから出ません』ということはないですよね」

岩上「国境じゃないですからね」

上脇「環境の面でも、風が吹いたら煙がいくわけで、公害だってそうですよね」

岩上「放射能プルームだってそうですね」

上脇「都道府県の境界線というのは便宜的なものですが、国会議員というのは全国民の代表です。だから、沖縄の選出議員に問題があれば、北海道の人がそれをおかしいというのは、まったくの自由です。これが自由に言えないんだったら、もう自由主義国家でもないし、民主主義国家でもないですよね」

岩上「地方議員で、その地方の問題にしか発言しないというならばまだしも、国会議員ですから。福井の人たちが選んだ『パンツ高木』議員が、大臣になって我々の頭上に君臨してしまうわけです。福井県外の別の人たちにもきわめて否定的な影響を与える。

 これはたいへんな迷惑。冗談ではない。そういう議員には降りていただきたい。議員にならず、一市民として、生活していただく分には構いませんが、政治権力の階梯を登るのはやめてほしいということですよね」

上脇「そうです。日本では、問題のある議員が責任をとって辞めるという例が少ないんですよ。先日、愛人問題で辞めた議員がいましたけど、例えば、甘利明さんなんかは、大臣は辞めましたが、議員を辞めたわけではありませんね。安倍首相は、任命責任はあるとは言うが、責任は取ってないんですよ」

岩上「落選運動というと、選挙運動のようですが、先生は、選挙運動ではなく政治運動だとおっしゃっている。政治運動だから、選挙期間とは関係がない。

安倍総理は、例えば国会での質疑でも、息をするように嘘をつく。こんないい加減な人はもう本当に我慢ならないので、退陣だけではなく、議員を辞めて、長州に帰っていただきたいという運動はできないんですか。落選ではなく議員辞職運動もいいんですか」

上脇「大臣やめろとも言えるし、議員辞めろとも言えます。それでも辞めないから落選運動をせざるを得ないんです。けじめをつけて辞めてくれるんだったら、落選運動をしなくても済む」

(※)髙木毅:復興大臣。2015年10月15日発売の『週刊新潮』と『週刊文春』の両誌において、下着泥棒の常習犯であったと報じられた。
 被害者の妹の説明によれば、30代当時の高木は被害者の自宅に侵入し下着を持ち出していた。侵入するところを目撃していた近所の住民から話を聞いた被害者の妹が警察に通報したが、本件は示談となり、立件されることなく捜査は終結した。
 この一件は、1996年の時点で既に『財界北陸』が記事化しており、地元においては広く人口に膾炙している。2015年10月に第3次安倍改造内閣で入閣を果たしたことで、本件が全国的に大きく報道された。

「落選運動」は「選挙運動」ではなく「政治活動」!選挙期間にかかわらず、いつでも始められる、1年中できる。小選挙区制により生じる民意のゆがみを軽減するために、野党共闘と落選運動は車輪の両輪としておこなうべき!

上脇「落選運動をするもう一つの理由は、今の選挙制度にあります。やはり大政党に有利なんです。衆議院だと一人区の小選挙区で、1票でも多ければ通ってしまう。野党がバラバラだと、与党の候補に問題があっても当選してしまうわけです。

参議院も事実上の一人区二人区が多くて、大政党にとても有利ですよね。だからこそ、野党は共闘して候補者を絞り込むべきだという話が出てくる。これは、選挙制度にやっぱり問題があって、本当は通してはならない人が通ってしまう。

完全な比例代表だったら、自民党と公明党だけでは過半数はとれないんです。にもかかわらず、言わば憲法違反の選挙制度で当選した人が、憲法違反の安保関連法を通してしまった。憲法違反に乗じて憲法違反がなされているんです」

岩上「しかも今度は、改憲の発議をしようなんて言っている。ゆゆしきことですよね」

上脇「憲法違反によって選ばれた、問題のある国会議員によって、憲法違反が繰り返されてしまう。こういう悪循環に対抗するには、野党が共闘すると同時に、問題のある議員を落選させればいい」

岩上「なるほど、両輪でやるべきだ。いい候補者を当選させる一方で、問題のある議員は落選させる。当人に『立候補辞退してください』というだけではなく、『あの方に入れないでください』と一般の人に訴えかけていいんですね」

上脇「まったく自由です」

岩上「いま議員をやっている人に、もう辞職すべしという運動を起こしていいんですね」

上脇「まったく自由です」

岩上「『甘利さん、辞職してください』と言うべきでもあるんですね」

上脇「はい」

岩上「『安倍総理は辞めていただきたい。危険な方向へ日本を導く安倍は辞めろ』と、日本中にこだまさせていいわけですね」

上脇「まったく自由です」

岩上「『安倍に投票するな。山口の人は投票するな』と、呼びかけていいんですね」

上脇「まったく自由です」

岩上「たいへん大事な新しい運動の呼びかけです。もちろん、ずっと前から認められていたのに、そんなことされたらかなわないからアナウンスされてこなかった。市民運動をやっている人たちも気付かなかった運動の形式です。

 アメリカではネガキャンがすごく盛んですね。ネガティブキャンペーンという言葉自体には否定的な響きがありますが、フェアな方法で、正義を貫き、不道徳を弾劾するということであれば、少しもおかしくない」

上脇「批判すると言っても、事実無根とか誹謗中傷ではなく、事実に基づいて、正々堂々と批判していくんです。

 世間では、落選運動が選挙運動だと思っている人がいるかもしれません。選挙運動というのは、特定の選挙で具体的な候補者AさんならAさんという人を当選させるための運動ですね。落選させるための運動は、選挙運動ではありません。

 選挙運動をやりたい方は、選挙期間中に選挙運動をやればいい。選挙運動に入る前に『この人は落選させるべきだ。選挙に立候補させたくない』というのであれば、すぐに落選運動を始められます。政治活動としてできるんです」

岩上「選挙運動期間ではないこういう平時こそ、落選運動、立候補させない運動、辞職を求める運動にとって、オン・シーズンなんですね。こちらのほうが長いですね」

落選運動で、主権者の側から選挙の争点を作り出すことができる!品格・根拠・理性のある落選運動は暴走する政治に対するブレーキとして重要!

上脇「政府与党は、自分たちに都合のいい選挙の争点を作って、自分たちに不利なものは争点にしない。政治とカネもそうです。もう成立してしまった安保関連法の是非なんていうのも、選挙の争点にしたくないわけです。

 しかし、今ここで、安保関連法に賛成した議員は落選させようと。具体的に、この選挙区ではAさん。この選挙区はBさんだと。落選させようと言い続けることで、主権者の側から選挙の争点を作っていくことができる。

 要するに、権力を持っている側に争点を握られるんではなくて、主人公である主権者、私たちが争点を作り出すということにもつながるんです。日本の選挙運動は法律でがんじがらめに縛られていて、自由な運動ができない。それに対して、落選運動はいつでもできますから、選挙運動に入る前から運動ができる。ですから、これを生かすべきです」

岩上「ネット上やツイッター上で、秘密保護法賛成に票を投じた人間を許さないと、その名前を繰り返しBOTで流している人がいます。安保法制賛成に一票投じた議員を許さないと、名前を繰り返し挙げている。でも、細々とです。

 細々とつぶやくよりも、街頭に出て集会を開いて、目立つ形でやり続けていいとは思っていないんですね。しかし、街頭に出ていいんですね」

上脇「ええ、まったく自由です」

岩上「拡声器を持って『だれだれさんは辞めてください』と言っていいわけですね」

上脇「いいのです」

岩上「(カメラに向かって)皆さん、聞きましたか。さらに、越境してもいいわけです。『パンツ高木は辞めろ』を、大阪の御堂筋で言おうが、神戸の三宮、東京の銀座で言おうが、これは自由なんですね」

上脇「まったく自由ですね」

岩上「もう一つの質問ですが、政党に対してやめろと言うのはダメなんですか」

上脇「まったく自由ですね」

岩上「自民党はやめろだの、公明党はやめろだのと言ってもいいんですか」

上脇「まったく自由です」

岩上「これはケンカになりそうだな。公明党支持者が聞いたら、ものすごく腹立ちますからね」

上脇「広い意味での落選運動ですね。候補者を具体的に言っていないので、狭い意味での落選運動ではないんです。言論の自由の問題です」

岩上「ネトウヨも大喜びで、民主党はやめろとか共産党はやめろとか言いそう。反共もいいということになるわけですね」

上脇「それはもう、まったく自由です。言論の自由です。ただし、何が問題なのかですね」

岩上「明確にしろと」

上脇「例えば、今度の選挙での争点は何かと考えたとき、憲法違反の法律を通したとか、原発を再稼働させたとか、TPPに賛成してしまったとか、それなりの争点があるはずです」

岩上「原発でも、TPP、安保、反基地でも、一生懸命運動している人たちにお勧めしたい。我々は、TPPはいかに危険かという報道をやっているけど、埒があかない。そこで、TPPに賛成だと言っている議員は全部落選させる、という運動も並行してやればいい。原発を再稼働させると言った議員は、自分の選挙区には何の関係もなくても、ことごとく落としますと言ってもいいんですね」

上脇「まったく自由です」

岩上「これは世の中が変わるかもしれないですね。すごく重要ですよね」

上脇「変わると思いますよ。今の主権者は怒っていますから。例えば、安保関連法にしても、強行採決されたときで終わりではなく、その怒りはずっと続いています。その気持ちを選挙に爆発させていく。

 落選運動が投票行動にも影響を与え、問題のある政治家は、国民の信を得なければ落選させられてしまうという流れになれば、落選運動は根付いていくと思うんですね」

岩上「品格・根拠・理性のある落選運動。ポジティブなネガティブキャンペーン。何かの理想を実現するための手段としてのネガティブキャンペーン。個人への憎悪でやっているのではない」

上脇「暴走する政治にブレーキをかける。ブレーキをかけるというのは、安全だということじゃないですか」

岩上「アクセル一辺倒の車では、事故を起こします。原発は、その典型です」

落選運動第2号は安倍シンパの松村祥史議員(熊本県選挙区)!2004年の初当選直後から不祥事が多発!大ボスの安倍総理は官房機密費でマスコミ関係者と酒食を共にしている。権力と癒着したマスメディアによる「大本営発表」では国民の知る権利が守られない!

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岩上「第2弾にはいります。松村祥史(よしふみ)参議院議員。熊本選挙区です。議員資格にクエスチョンマークのつく方です。『全国商工会青年部連合会・会長だった2004年、参院選で比例区より出馬初当選』自民党の議員です。

 『日本経済成長のためには地域経済の再生が不可欠とし、「日本経済を支える零細企業が、活力を出せるようにしたい」と訴える』と。ところが、初当選ですでに不祥事が多発している。

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 『2004年の当選後、選挙に関わる数々の「汚職」が発覚。運動員だった会社員2人が、参院選告示前に、町商工会の関係者十数人集め、一人あたり数千円の酒食をさせ、松村氏への投票と票のとりまとめを依頼した疑いで逮捕』これはなぜいけないんですか」

上脇「『汚職』とありますけど、厳密に言うと『買収』です。

 中小零細の経済の活性化とかおっしゃっているのに、なんで自民党なのか、がよく分からないですね。そもそも地方をつぶしてきたのが自民党なのに、どうして『再生』って言えるのか。逆に言うと潰してしまったことを認めているのかもしれませんが。なんか違和感があるというのが、まず第一点ですね。

 二点目は、買収ですね。つまり、アンフェアな形で選挙を戦って当選された方なんだなと」

岩上「なるほど。酒食とは買収なんですね。そう言われないと、ピンと来ない人もいるかもしれませんから、強調しておきます。

 ここで、選挙とは関係ないんですが、安倍総理は税金で、年がら年中メディア関係者、それも経営トップや編集トップと酒食をともにしている。

 テレビでそれを誇る人もいる。『昨日、安倍総理がこう言ってた』なんて蕩々と語る。高山佳奈子さんという京大の先生は、これは贈収賄に当たる可能性があるとおっしゃっているんですが、先生はどう見ますか」

上脇「これは、買収とは次元の異なる、ジャーナリズムの問題だろうと思います。ふつうけんか腰で飯を食うって、あまりないですよね。ふつうは仲良く和やかにという形になりますよ。

 記者の側は、虎穴に入らずんば虎児を得ずとか、相手の懐に入って情報を得ないといけないとか言うけれど、本来、権力とは一線を画して、チェックする側が一緒に食事しているのは、ミイラ取りがミイラになっているのに近い。どちらかというと、取り込まれている」

岩上「迎合していってしまう」

上脇「最初からそういう人たちなのかもしれませんが」

岩上「かなりの程度そうですね」

上脇「ジャーナリズムは、本来であれば、国民の知る権利に答えて、報道しないといけないのに、権力側にすり寄って取り込まれてしまうとなると、本来のマスコミではありません」

岩上「政府広報をやっているにすぎないという」

上脇「大本営発表に近いような報道がなされてしまうと、国民が不幸ですよね。

 マスコミは私たちの知る権利のためにある。生活に忙しい国民の代わりに権力をチェックする。それを職業としてやっているわけだから、自由な取材のもとでチェックできる立場の人がそういう行為をしているとなれば、国民は裏切られたような思いになる。だったら必要ない、となりかねない。マスコミ不信を生んでしまうのは不幸ですよね」

2005年には自民党本部から寄付された1,200万円の記載漏れ。発覚後「人件費」として訂正したが、裏金に消えた可能性も!

岩上「さて、松村議員の二つ目の問題、『北海道選挙区の選管委員長が松村議員への投票呼びかけや運動への働きかけ(選挙運動)をした疑いで書類送検』です。選管委員長は、選挙運動してはいけない。中立でなくてはいけないということですか」

上脇「選挙の開票などの手続きに関わる方については、選挙運動について一定程度の制限がかかっていますので、その是非をどこまでとするかについての議論はありますが、少なくとも今の制度を前提にすると、問題がありますよね」

岩上「さらに『2005年には1200万円の記載漏れ』これはどういうことなんですか」

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上脇「政党支部は、毎年の政治資金について収支報告をする義務があるんです。収支報告には真実を書かないといけないという法律になっていますが、ご自身が政党支部の代表なのに真実を書かなかったんです。

 党本部は支部にお金を寄付します。形式的には交付金と呼んでいるんですが、それを受け取ったことを書いていなかった。受け取っているにもかかわらず、書いてないとなると、裏金になってしまいますよね。報告しなくていいわけですから」

岩上「使途不明金ですね」

上脇「受け取ったお金を書かないということは、裏金として、何らかの形で使っている。この年は、選挙の翌年だから、ひょっとすると選挙がらみの残りの精算をした可能性もなくはない。政治の場面で裏金として使っている可能性もあるだろう。そういう問題がまず一つですね。

 人件費に支出していた可能性もあって、1200万円という数字が合ってしまうけれど、支出も書いていない。収入であれ、支出であれ、両方真実を書かないといけないという法律に違反する『不記載』ということになりますね」

岩上「実態としてはどうだったんでしょう。『2007年に総務省へ訂正を届けた』そうですが、1200円や12000円ならケアレスミスはありえますが、1200万円受け取って記載漏れってあり得ますか。受け取りも現金ではなく口座でしょうから、通帳を確認するでしょう。支出だって通帳を見ますよ。当たり前ですけど。

 経理担当者がいるはずなのに1200万円の人件費を忘れますか。経理が非常に苦手な零細企業の社長の私としても、ありえないと感じますが」

上脇「おっしゃるように、本部から支部にたぶん現金では渡さないと思うんですね。口座間のやりとりならば、支部の金融口座に記録が残りますよね。1200万円という収入があれば、ふつう見落とすはずがありませんね。

 発覚してから訂正して『人件費などに』と言うのも、本当は怪しい。まず、入りで1200万円が入っているのに見過ごすはずがないし、使っているのにそれを記載しないというのもあり得ない。両方を偶然に見逃すということもないですよね。仮に百歩譲って、入りについてすぐ気付かなかったけど、残高を見たら合わないはずで。

 だから、1200万は表に出せない使い方をして、発覚したので、人件費で処理した可能性がある」

岩上「後付けかもしれない。闇に消えた可能性がある。これは告発の理由の一つとして挙げてるんですか」

上脇「これは2005年なので時効ですね」

岩上「時効でなかったら、告発の理由にしますか」

上脇「します。明らかにおかしい。1200万を単純にミスするとは思えないですよね」

岩上「今回の刑事告発には入っていないけれども、もし時効になっていなかったら、告発に至る十分な疑いがあるということですね」

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