「大変物足りない」衆院選挙制度調査会「10削減」答申で枝野幹事長が囲み会見〜制度是正前にダブル選挙突入で「次は『無効判決』が出てもおかしくない」 2016.1.14

記事公開日:2016.1.15取材地: テキスト動画
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(取材・文 ぎぎまき)

※1月15日テキストを追加しました!

 議員定数削減と一票の格差問題の是正を図るために設置された「衆院選挙制度に関する調査会」が2016年1月14日、大島理森衆議院議長に、議員定数を10削減する答申を提出したことをうけて、同日、民主党・枝野幸男幹事長が国会内で記者団の囲み取材に応じ、「大変物足りない」と不満をのぞかせた。

 一票の格差問題にも言及し、仮に是正される前に衆院選に突入すれば、「無効判決が出てもおかしくない」とコメント。その場合は「総理を辞職するくらいでは済まないでしょう」と、早期の衆院解散を牽制した。

 また、自民党の桜田義孝議員が、慰安婦は「職業としての売春婦だった」と発言したことについて、「『最終的、不可逆的』とおっしゃっている安倍総理の自民党総裁としてのガバナンスが問われている」と苦言を呈した。

記事目次

  • 日時 2016年1月14日(木) 16:50~
  • 場所 衆議院(東京都千代田区)

ダブル選挙が行われれば「違憲状態」よりもさらに踏み込んだ「無効判決が出てもおかしくない状態」

▲記者団の取材にこたえる枝野幸男・民主党幹事長

 「衆院選挙制度に関する調査会」は、2012年11月、当時の野田佳彦総理が、衆議院の議員定数削減など「身を切る改革」を約束するなら「解散する」と投げたボールに、当時の自民党・安倍晋三総裁が応じて設置された機関である。2013年1月の通常国会終了までに、法改正を行なうという合意文書も交わしていたが、長い間、意見の対立が続き、今回ようやく答申が出た。

  同調査会がまとめた制度改革の中身は、定数10削減で、衆院定数は465。465は戦後最少となるが、枝野幹事長は「当時の安倍総裁と野田総理との党首討論で一致した両者の意見からすれば、10削減では大変物足りない。政治の責任や役割が一定程度、発揮されなければならいのでは」と、党内ですみやかに議論を進めたいと回答した。

 「10削減」の配分は、小選挙区を「7増13減」で6議席減、比例代表を「1増5減」で4議席削減。一票の格差問題では、格差を最大で2倍未満に抑えるため、都道府県の人口に比例した議席配分の是正を図りやすい、「アダムス方式」を採用。5年ごとに区割りを見直すことも求めている。

 「(2016年夏に)衆院選が行われると、また『違憲状態』という指摘が出ると思うが、タイムスケジュール的には、今国会で法改正をすべきだと考えるか」

 記者からこう問われた枝野幹事長は、法改正をしても、新しい区割りを実行するまでには一年以上を要すると指摘し、その上で、仮にダブル選挙が行われれば、「違憲状態」よりもさらに踏み込んだ「無効判決が出てもおかしくない状態」であるとの見方を示す。

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「「大変物足りない」衆院選挙制度調査会「10削減」答申で枝野幹事長が囲み会見〜制度是正前にダブル選挙突入で「次は『無効判決』が出てもおかしくない」」への1件のフィードバック

  1. 武尊 より:

    削減も多少は必要だと思うが、余り少なくすると官僚を監視する機能が低下して、今より悪くなるんだけど。民主枝野にしても自民党にしても知っていてそれを遣ろうとしているんだよな(怒)
    何故したがるかというと官僚制度維持の為さ。自民は高級官吏の為。民主は一般官吏の為。
    削減よりも歳費削減なんだが、議員はする気なしだ。まぁ、そりゃそうだわな。テメエの懐痛めたくねえもんな(怒)

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