フリーランスは特定秘密保護法で本当に処罰されないのか――パスポート返納問題、警察の取材制限、戦前に成立した治安維持法など、ジャーナリストらが秘密保護法の危険性に言及 2015.2.16

記事公開日:2015.2.24取材地: テキスト動画
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(IWJ・石川優)

特集 秘密保護法
※2月24日テキスト追加しました!

 フリーランス記者ら43人が提訴した「秘密保護法違憲訴訟」をめぐり、2月16日、原告側が集会を開いた。原告は、フリーランスの記者や編集者・カメラマンなどで構成されている。

■ハイライト

  • 第一部 秘密保護法違憲訴訟報告会(東京原告団、横浜原告団を中心に、静岡訴訟、広島訴訟の現状報告)
  • 第二部 講演「緊迫する辺野古最新情報」 森住卓氏(東京訴訟原告、フォトジャーナリスト)
  • 日時 2015年2月16日(月) 18:30〜
  • 場所 文京区民センター(東京都文京区)
  • 主催 秘密保護法違憲訴訟原告団(詳細報告

フリーランスは本当に秘密保護法で逮捕されないのか

 フリーライターの黒薮哲哉氏は、フリーランスの佐藤裕一記者が取材現場で経験した出来事を紹介した。

 鉄道での自殺事故を取材していた佐藤裕一記者は、埼玉県内で起きたある鉄道事故について、埼玉県警に問い合わせをしたところ、「あなたは自称記者だから、対処しませんと言われた」という。

 それまで、佐藤記者の問い合わせに応じていた埼玉県警の態度が急に豹変したため、自称記者ではないことを証明するため、それまでに書いた記事をFAXした。それでも、埼玉県警は記者ではないと突っぱねたという。権力側が、「フリーの記者」を「自称」とレッテルを貼り、取材を拒否している。

 黒薮氏はこうした背景について、「ツイッターで、埼玉県警を批判したそうで、つまり、何か、自分たち(権力側)の気に食わない報道をされれば、こういうふうに、あなたは出版関係者(報道関係者)じゃないとレッテルを貼ってしまうわけです」と語り、取材を妨害されるだけなく、秘密保護法のリスクがあると指摘した。

フリーカメラマンのパスポート返納事件 これも秘密保護法で逮捕?

 先日2月7日、新潟在住のフリーカメラマン・杉本祐一氏が外務省からパスポートを返納するよう命じられるという事案が発生した。黒薮氏は、こうした事例も秘密保護法で摘発されてしまう可能性を排除できないと主張する。

 「仮にパスポートを返さずに直接、シリアに踏み込んでしまって、特定秘密に関わる事実を見つけて、公表したとすると、外務省の指示を無視したわけですから(仮定の話をしている)、著しく、不当な方法で取材したということで、特定秘密保護法が適応される。そういう危険がある」

治安維持法で逮捕された人を弁護した弁護士も同法で逮捕

 原告のひとり、丸田潔氏は、戦前の治安維持法の恐怖を伝えるとともに、秘密保護法は弁護士の弁護権を侵害するものだと紹介した。

(…会員ページにつづく)

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