2014/06/27 集団的自衛権、「最終的には、徴兵制も視野に」 自民党・村上誠一郎議員が解釈改憲を真っ向批判  

記事公開日:2014.6.27
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特集 集団的自衛権特集 憲法改正

 「30年近く国会議員をやってきたが、今回の問題はどうしても簡単に認めるわけにはいかない」――。

 小泉内閣で内閣府特命担当大臣(規制改革・産業再生機構)を務めた経歴を持つ衆議院議員・村上誠一郎氏(自民党)が6月27日、外国特派員協会で記者会見し、安倍政権が進める集団的自衛権の行使をめぐる解釈改憲について「今回の問題は戦後70年間の歴史の大きな方向転換となる重要な問題だ」と述べ、一内閣の閣議決定で済ませるべきではない、と強い懸念を示した。

  • 記事目次
  • 解釈改憲は下位法で上位法を変える「禁じ手」
  • 「我が国に武力攻撃がなければ武力攻撃できない」
  • 公人は感情で判断してはいけない
  • 国民と政治家に覚悟はあるか
  • 自民党本部は全員解釈改憲賛成
  • 「米艦に邦人を乗せるなどありえない、明らかな詭弁」

  • 会見者 道下徳成氏(政策研究大学院大学教授)/村上誠一郎氏(自民党衆議院議員)

解釈改憲は下位法で上位法を変える「禁じ手」

 村上氏は冒頭、安倍総理が自身を「政府の最高責任者」として位置づけ、憲法解釈を変更できる立場にあると主張したことに触れ、「それは間違い。憲法改正の最終的な責任者は司法にあって、立法府や行政府がやるべきことは最高裁から違憲だと言われない法をつくることだ」と指摘。解釈改憲は「下位法で上位法を変える禁じ手だ」と釘を刺した。

 その上で村上氏は、「日本国憲法の基本原理は個人の人権や自由を保障し、国家権力を制限することだ」と立憲主義に言及。「安倍さんは『憲法は不磨の大典ではない』と言うが、主権在民、平和主義、基本的人権の尊重は変えてはならない」との見解を示した。

 「もしこの方法で突破されれば、いつか主権在民や基本的人権の尊重まで侵される危険がある。憲法の基本原則が機能しなくなり、憲法が有名無実化すれば立憲主義は崩れる。内閣が変わるたびに憲法解釈が変われば、法の安定は根本的に崩れ、法治国家が成り立たなくなる」と語った。

「我が国に武力攻撃がなければ武力攻撃できない」

 村上氏は続けて、「集団的自衛権とは、自分の国が攻撃されていなくても、同盟国が攻撃されれば戦争する、ということだ」と展開した。

 「憲法9条は戦争放棄と戦力不保持を定めている。自衛権の発動は日本に武力攻撃があり、他にそれを防ぐ手段がないときのみ『必要最小限度』でできるものだ。いくら『必要最小限度』を緩めても、我が国に武力攻撃がなければ武力攻撃はできない」

 このように村上氏は、一貫して保持されてきた政府の憲法解釈を自身の考えとして改めて主張し、「憲法に書いていないことを行うのであれば、正々堂々と憲法改正を主張し、国民に徹底的に説明し、議論し、そして改正するかは最終的に国民の判断に委ねるしかない。それが民主主義だ」と説明した。

公人は感情で判断してはいけない

 また、「米国に見捨てられる」「国際情勢が変化している」などとして集団的自衛権行使容認を主張する論調について、村上氏は次のように反駁した。

 「米国への思いやり予算は最初60億円程度だったが、今は2000億円近くになっている。安倍総理の祖父の岸信介氏も『基地を提供しているということで、日米安保は双務性に等しい』と話していた。日本が見捨てられるとは考えられない」

 さらに東アジア情勢の悪化については、石原慎太郎氏を発端とした「尖閣国有化問題」と、安倍総理らの「靖国参拝問題」が影響している、と分析。「(日本にも)反省すべき点はある。私の母の兄がビルマで戦争し、靖国に祀られている。他国から言われたくないという思いもあるが、しかし、公の立場の人は自分の感情だけでものごとを判断してはならない」と訴えた。

国民と政治家に覚悟はあるか

 「最終的には国民と政治家がどこまで覚悟できているかということだ」――。

 最後に村上氏は、集団的自衛権が現実に行使された場合について言及した。

 「イラク戦争でかかった予算は、米国が80兆円、集団的自衛権を行使したイギリスが4兆3000億円。当時のパウエル国務長官でさえCIAに騙され、大量破壊兵器があるとして戦争した。結果、大量破壊兵器はなかったが、米国は死傷者4489名を出し、イギリスが179名の死者を出した。一番気の毒なのは、イラク国民の中から15万人の死傷者が出たこと。誰が責任をとるのか」

 さらに、「日本には米国やイギリスのような『CIA』や『MI6』はない。どの情報を根拠に集団的自衛権に参加するか決めるのか」と現実的な問題を提起した。

 「最終的には国民の理解と覚悟だ。自衛隊員を集めることが非常に難しくなるだろう。石破さんたちが言うような『限定的容認論』などない。地球の裏側まで命がけで若い人たちに行ってもらわなければならない。最終的には、徴兵制も視野に入れなければ集団的自衛権の行使などできない。口で言うのは簡単だが、非常に難しい問題だ」

 森内閣で財務副大臣を務めた経験もある村上氏は、「財政の専門家としてはっきり言うが、日本に戦争する金なんてどこにもない。それでもやるなら、本当に国民の理解がなければできない」とし、「国民を説得するには正当な法手続きが一番大切。これをすっ飛ばせば、権力の暴走を止めることができなくなる。ワイマール憲法が全権委任法で葬り去られたが、これが日本国憲法で行われてはならない」と語気を荒らげた。(IWJ・原佑介)

自民党本部は全員解釈改憲賛成

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46件のコメント “2014/06/27 集団的自衛権、「最終的には、徴兵制も視野に」 自民党・村上誠一郎議員が解釈改憲を真っ向批判

  1.  自民党内に、村上さんのようなご意見をお持ちの方は何人くらいいらっしゃるのか知りたいです。もし10人とか20人と言った賛同者がいらっしゃるのなら、ぜひ、何らかの行動を起こして頂きたいです。公明党は全く信用出来ない現状では最早、野党と言うものがゼロに等しいと言えます。このままでは、なし崩しに拡大解釈が可能になる事は明白です。
     全く村上さんの仰る通りだと思います。どうか頑張って下さい!。

  2. 大変だ‥とうとう中からは無理だと、海外に向けて自ら発信‼︎

  3. 自民党議員最後の良心ともいうべき村上誠一郎議員の威風堂々とした正論に涙が出た。

  4. 【自民党内からの声。いや、これヤバイでしょ。】

  5. おっしゃる通りです。これは安倍の国家方針を変える空前絶後のクーデターです。

  6. こんな骨太(カラダも)な議員が自民党にいたんだ・・・!

  7. あえて主張する村上議員の勇気にエールを送りたい。
    熱意も伝わってくる。
    地方の自民党員こそ立ち上がるべき時だ。

  8. 自民党本部は全員解釈改憲賛成
    「米艦に邦人を乗せるなどありえない、明らかな詭弁」

  9. こんな当たり前のことが理解できない人がいるのが不思議だ。何が起ころうと国民だけが責任を負う。

  10. こんな逸材が自民党の中に居たんだ!村上議員に総理大臣になって欲しい(^_^)/

  11. 安倍に刃向かう議員なら誰でも応援する!頑張れ村上誠一郎!!

  12. 村上誠一郎さん、安倍シンゾーに殺されないで~!!誰か村上誠一郎を守って下さい!!

  13. 外国特派員協会で記者会見した事は意義あると思う。あとは世論と海外の世論がどこまで援護射撃できるか?

  14. 会見動画(3分程度)など☆村上議員があげる問題点など分かりやすく、
    是非観てもらいたい

  15. 自民党議員は内閣改造で飴を、官僚は公務員法の改正で鞭をちらつかせて骨抜きに。幼稚な手法だが、それだけに怖ろしい。

  16. 「財政の専門家としてはっきり言うが、日本に戦争する金なんてどこにもない」

  17. 集団的自衛権の閣議決定を行うのなら、将来の自衛隊先細りや徴兵制までの覚悟がいる。

  18. タイトルで少し混乱した。徴兵制を危惧している主張。これは注目したい。

  19. 集団的自衛権海外での行使となれば、自衛隊入隊は減少。退役者続出。そして徴兵制復活

  20. 最近はラーメン屋でも徴兵制の話題を耳にする。軍靴の音が聞こえて来るよ。

  21. 自民党・村上誠一郎議員は自民党所属では最後の希望

  22. これはまさに正論。少し長いですが、一人でも多くの方々に読んでいただきたい。

  23. 集団的自衛権に賛成の人も反対の人も一読して欲しいな。

  24. 自民党内の有力者ら力で阻止するか、大衆蜂起で革命的に安倍をねじ伏せるか

  25. 働き盛り世代がいなくなって日本経済破綻ですね。

  26. 二度目だけど、国家は自分の命なんて顧みちゃくれないことを学生は心に留めるべきだよ

  27. 法改正を謳っていたのに解釈改憲だなんて、本当に真っ当じゃないよな。

  28. 戦場に行かない奴は黙っとけ!絶対に反対!

  29. “最終的には、徴兵制も視野に入れなければ集団的自衛権の行使などできない。”

  30. 「30年間近く国会議員をやらせてもらって今回の事は認める事ができない」

  31. 公明党との茶番も終わりいよいよ。ってさせたらあかん。

  32. 大学生にこういう話したら「マジですか?絶対嫌だ」って言ってた
    当たり前だよね。

  33. 集団的自衛権の憲法改正絶対反対!
    決められたシナリオの中で、国民が『ワールドカップや拉致問題、党派の分裂、東京オリンピック等』で関心が薄い中で
    徴兵制で実際に駆り出される若者に対し、詳しい説明もなく強引にたった6週間で憲法第9条を変えようとしています。
    私も30歳、35歳の息子達はやっと幸せな生活に入りましたが、この法案が改正されれば子供たちに『国のために死んでくれ』或は『相手は悪い人だから10人以上は殺してきてくれ』等の指示はとてもできません。みなさんはどうですか?
    ※『どうしても良い法案だから賛成に投票したい!』~『議員さんは是非正々堂々と親族一同率先して戦場に随行します。』
    賛成した上で記銘投票を実施してください。議員さんや大手企業の皆さんは多分険悪なムードになったら安全な国へ移動されるものと思います。今や日本人は世界各地で生活しています。全部救うのは困難で、意地で行動しているように思います。日本海軍の戦力を誇っているようですが、軍人の数や軍事予算等では中国、韓国、北朝鮮とは5倍以上違います。
    今まで通り、まずは政治家による話合い解決に努力してもらいたい。これを辞めたら軍事国家になりますよ!

  34. 自民党 内部から勇気ある発言!応援します。 国民の命、生活を守るのが議員の務め。

  35. 自民党議員は内閣改造で飴を、官僚は公務員法の改正で鞭をちらつかせて骨抜きに

  36. 私は有料会員ではないので、見ていない部分が有ることはご了承ください。
    まず言いたいことは
    憲法9条って守られてますか。
    自衛隊を違憲判断できなかった時点で日本は立憲国家では有りません。その認識は有るのでしょうか?
    それから、憲法9条って実態になっていますか?
    ミサイルで攻撃する時代、他国に侵略できなくて攻撃を防げるのでしょうか?
    この時点で護憲も改憲も関係なく憲法不在国家であると思います。
    では、具体的に目次に従って(6項目なので1~6と表現します。)
    1.同意
    2.不同意
    3.同意
    4.同意
    5.不明(情報がないので)
    6.不明(本文読んでないので、項目からするとたぶん同意)
    で、有りますが冒頭で述べた憲法不在国家であるという前提から、限定的(憲法文否定せず)の集団自衛権容認には賛成です。
    憲法論は別として個人的には「武力を持たない国家は国家でない。」と思っています。(使うかどうかは別ですが)

  37. やめてもらいたい。自分には関係ないと思っていた政治がおかしな方向に走っていることに気づいた。
    徴兵制はあり得ないと言った議員もいるが、徴兵制は復活するかもしれない。
    なので私も徴兵制には反対です。安倍総理には今すぐにでも辞任してもらいたい。

  38. 自民党村上誠一郎議員が外国特派員協会の記者会見で発言して下さったことは大変意味のあることだと思っています。期間限定公開ありがとうございます!

  39. 公の立場の人は自分の感情だけでものごとを判断してはならない」感情を煽るだけの安倍や石破は主張以前に政治家の資質が無い!

  40. 村上議員はまず自民党を離党すべきだ、海外メデア前で自分が支持した、総理、総裁、の批判は、戦場で後方から味方に鉄砲するに等しいことで、非難されるのは、村上議員で即刻辞職すべきです。なぜ外国の記者クラブが呼んだのか、そのことを考えて、みればすぐ分かることではないか、中国、韓国が、このことどう報道したか、この集団自衛権が中国、韓国以外ではなぜ支持されるのか、特に小国の東南アジア諸国では、台頭する中国に今まさに翻弄されているではないか、
    中国国内の混乱は経済の衰退、汚職、失政、異民族間あつれきに伴い、年間五万から六万件起きている暴動は日本では
    考えられない事が起きている。中国は人心をそらす為、今後益々日本を挑発してくることは、目に見えている。誰だって戦争はしたく無い、集団自衛権がすぐ徴兵や戦争にむすびつく様に考える人たちは将来の日本をどう考えているのか、かのスイスは永世中立として第一次世界大戦、第二次世界大戦参戦しなかった国ですが、軍隊、徴兵制度、集団自衛権、専守防衛
    を有しています、侵略すれば断固として国を守ると、平和時でも準備しているからこそ今まで戦争に巻き込まれずに済んだのです。今まで日本が戦争に巻き込まれずに済んだのは憲法九条が有るからでは有りません。今こそ国民一致団結し安部首相を支え国を守る姿勢を内外に示すのです。

  41. 安倍首相は徴兵制は憲法上は無理だとしているが、つまり改憲する必要があるということ。

  42. 涙を流しながらIWJの岩上代表のインタビューにお答えになって「集団的自衛権」に反対を訴えられた村上誠一郎衆院議員に感動しました。とくに機雷除去の件で「自衛隊員の犠牲者が出るかも知れない」云々と涙で訴えるシーンはIWJを見るわたしにとってもこころに強く重く響いた。村上誠一郎衆院議員の想いがよくわかった。IWJ様!安倍政権の大本営発表をぶっつぶして真実の報道を広く国民に伝え続けてて下さい☆♪

  43. 安倍政権が進める集団的自衛権の行使に強く反対する。一度決めてしまったらあとには引けない。戦争をする国に経済的支援をするだけで、ひとを殺す国になって行くということをよく考えるべき。戦後70年にして、日本はまた戦争をする愚かな国に舵をきるのか。私(70歳)より10歳も若く戦争の悲惨さを肌で知らない安倍晋三総理には わかっていない。経済問題などより はかりしれない国民のいのちにかかわる問題だ。少なくとも国民の63%は不支持を表明しているということを もっと重く受けとめるべきだ。

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