「米軍とタリバンを仲裁できるのは日本だけ」――。集団的自衛権の行使で積み上げてきた信頼が崩壊する日 2014.5.17

記事公開日:2014.5.17取材地: テキスト動画
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(IWJ・原佑介)

 安倍政権によってこれまでの憲法解釈が変えられ、日本は他国の戦争に参加できる国になろうとしている。そんな中、1999年の憲法記念日に発足して以来、護憲を訴えて活動してきた市民団体「許すな!憲法改悪・市民連絡会」が5月17日、第86回目となる市民憲法講座を文京区で開いた。日本国際ボランティアセンター(JVC)の代表理事・谷山博史氏が講師として招かれ、「国際協力NGOの活動の経験から考える集団的自衛権問題」というテーマで講演した。

■ハイライト

  • 話 谷山博史氏(日本国際ボランティアセンター代表理事)

アフガニスタンでのタリバンと米軍の関係

 谷山氏は、NGOの活動を28年間も続け、カンボジアやタイ、アフガンなどで人道支援にあたってきた。安倍政権が集団的自衛権を行使できるよう調整していることを受け、「自衛隊が支援で海外に行くだけでなく、武力も行使しようという方向になる中、NGOは現場でどう動くべきかが問われている」と語る。

 谷山氏は2002年にアフガニスタンに入国した。同時多発テロ事件以降、米軍の攻撃を受けていたアフガニスタンで、JVCの現地代表として活動していた。谷山氏は国際シンクタンク「治安と開発の国際審議会(ICOS)」のデータを引用し、アフガニスタンにおける、タリバンと米軍の関係性を紹介する。

 「地域ごとに見ると、タリバンの勢力が濃い土地ほど、米軍との戦闘が行われていることがわかる。タリバンがいるから戦闘が起こるのか、米軍が活動するからタリバンが勢力を伸ばすのか、どちらか(決めるのは)難しい。しかし、私たちが医療活動している村には、タリバンはほとんど侵入してこない。同時に、米軍も入ってきていない。ちょっと離れると違う。スポット的に平和で、米軍もいないからタリバンも入ってくる理由がない。私たちはそういう感覚がとても強い」

「米軍が勝手に援助する必要はない。地域の人たちの不安を煽るだけ」

 米軍が入ってきた場合、「なぜあなたたちが入ってくる必要があるのか」と谷山氏らは抗議するのだという。2008年、診療所にきて米軍が食料を配ったことがあったそうだ。その時も谷山氏は、「あなた方の領域ではない。勝手に援助する必要はない。逆に地域の人たちの不安を煽るだけだ」と米軍に抗議した。その後、米軍がミサイルを村に落とすようになった。JVCの診療所の壁も被害を受けた。

 「診療所を狙うことは本当に許されない。明確に抗議した。NGOと米軍の会議の場で抗議し、初めのうちは米軍は否定したが、写真と、小型のロケット弾の破片を集め、次の米軍とのミーティングで提出した。最終的な回答は、『訓練をしていた』ということでした。JVCだけでは多勢に無勢なので他のNGOや国連の人を巻き込み、米軍は、ようやく『もうJVCのところでは(活動)しない』と約束した。その後、村人たちは、「JVCが米軍を追い出してくれた」と話していたそうだ」。

 谷山氏は言う。そこで米軍に抗議したことが安全に繋がった。逆に米軍と行動していたら我々の危険に繋がる。治安が悪いから軍隊が必要だ、という論理はとても危険だ。

米国によるアフガニスタン紛争を仲介できるのは日本だけだ

(…会員ページにつづく)

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“「米軍とタリバンを仲裁できるのは日本だけ」――。集団的自衛権の行使で積み上げてきた信頼が崩壊する日” への 1 件のフィードバック

  1. @55kurosukeさん(ツイッターのご意見より) より:

    集団的自衛権などという詭弁に頼らなくても、日本だからこそ出来ることはある。官より民の声を取り入れるべき。

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