広渡清吾氏「憲法改正を『過半数民主主義』に委ねることは非常に危険」 〜「96条の会、発足記念シンポ」で安倍政権を激しく批判 2013.11.16

記事公開日:2013.11.16取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・富田/奥松)

特集 憲法改正
※2016年1月7日テキストを追加しました!

 11月16日、京都市伏見区の龍谷大深草キャンパスで行われた「京都96条の会、発足記念シンポジウム」では、専修大教授で元日本学術会議会長の広渡清吾氏が基調講演を担当した。

 日本の憲法にはドイツのそれのような、憲法の本質的内容の改正を防ぐ仕組みがないことを紹介した広渡氏は、「だからこそ、その時々の政権に、自分たちの政策に合わせて憲法を都合よく変えようとする意思が働く」と指摘。「96条の改正」という立憲主義の緩和がなされてはならないことを、何度も訴えた。

記事目次

■ハイライト

  • 開会あいさつ 諸根貞夫氏(龍谷大学教授)
  • 基調講演 広渡清吾氏(専修大学教授、元日本学術会議会長)「約束と希望としての日本国憲法」
  • 京都96条の会代表あいさつ 岡野八代氏(京都96条の会代表、同志社大学教授)
  • 参加者との意見交換─今後の京都96条の会

 「自民党による改憲案の中身は、最初から最後まで問題が目立つ」──。演壇に立った広渡清吾氏はこう発言し、スピーチの口火を切った。

 広渡氏はまず、日本国憲法の66年の実績をアピール。「大日本帝国憲法(1889〜1946年)の下では、やがて軍国主義が国家・社会を覆い、日本は『戦争と侵略への道』を突き進んでいったのに対し、日本国憲法(1947年〜)の下では、戦争なき平和が実現し、国民主権の民主主義が発展した。日本の勤勉な国民性でもって、世界で有数の経済大国に成長した」とし、さらにまた、「日本政府による対米従属的な政策が、いろいろな問題をもたらした点でも、日本国憲法が一定の歯止めをかけてきた」とも述べた。

 そして、「今の憲法は、『日本は、戦争と侵略を二度と行わない。そのために軍隊を持たない』ということを、アジアと世界の国民に約束したものであり、また、日本国民の『二度と戦争をしない国家に生きたい』という希望が託されたものでもある」と続け、「しかしながら安倍政権は、その日本国憲法の内容の形骸化を図ろうといる」と警告を発した。

なぜ、発議要件は「3分の2以上」なのか

(…会員ページにつづく)

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