「有識者会合で議論したい」-規制委調査団、建屋南側の新たなトレンチを入念に調査 〜大飯発電所敷地内破砕帯の調査に関する有識者会合による現地調査(第3回2日目) 2013.7.28

記事公開日:2013.7.28取材地: テキスト動画
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(IWJ・須原拓磨)

 大飯原発敷地内を南北にのびるF-6破砕帯が、活断層であるか否かが調査の争点だ。F-6破砕帯が活断層であると判断されれば、大飯原発3・4号機は停止せざるを得ない。

 27日から28日の2日間にわたり、原子力規制委員会の有識者らが、福井県おおい町の大飯原子力発電所で現地調査を行なった。調査に参加したのは、島﨑邦彦氏(原子力規制委員会 委員長代理)
、渡辺満久氏(東洋大学 社会学部教授)、廣内大助氏(信州大学 教育学部准教授)
の三人。岡田篤正氏(立命館大学グローバル・イノベーション研究機構(歴史都市防災研究センター)教授)と重松紀生氏(産業技術総合研究所 活断層地震研究センター 地震素過程研究チーム 主任研究員)は、予定が合わなかったため、後日調査へ出向く予定だ。

■ハイライト

  • 9:15~ 調査内容の確認(研修館2階中ホール)
  • 9:50~ 調査(南側トレンチ、他)
  • 15:10 調査行程終了

 関西電力は、規制委からの要請で、今年4月4日から6月23日の間、敷地内南側に長さ70メートル、幅50メートル、深さ40メートルのトレンチを新たに掘削した。この南側トレンチで発見された破砕帯の向きや傾き、活動センスが、山頂トレンチやボーリングコアの結果と一致したため、関西電力はこれをF-6破砕帯であると判断。有識者らは、二日間にわたり、ボーリングコアや、この南側トレンチを丹念に調査した。

 争点となるF-6破砕帯は、大飯原発2号機と3号機の間を走り、なおかつ非常用取水路の直下を通っている。全長は、650メートル以上あり、発電所敷地外に及ぶ可能性もある。

 南側トレンチには、「K-Tz」と「hpm1」と呼ばれる火山灰が堆積し、中でも火山灰「hpm1」は、約23万年前に降った火山灰であるとされており、F-6破砕帯の上部に位置している。関西電力は、この「hpm1」を含む層にずれがみられないため、F-6破砕帯は活断層ではないと主張。なお、新規制基準では、後期更新世(約12万年前~約13万年前)以降に活動性のあったものを活断層と定めている。

 島崎委員長代理は、ぶら下がり会見で、「そもそも破砕帯が、トレンチ間をどう結んでいるのかが、一つのポイントである」と課題を挙げた一方、「詳しい知見については、今日はご勘弁願いたい。有識者会合で議論したい」と明言を避けた。

 さらなる追加調査の有無や、有識者会合の開催などは未定であるが、有識者らがどのような判断を下すのかが、今後注目される。

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