「原発事故の補償をできるのか。できないから逃さないと」 〜緊急・避難プロジェクト 6.9 キックオフ会議 2013.6.9

記事公開日:2013.6.9取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・花山/奥松)

 2013年6月9日(日)13時30分より、東京都新宿区のラクアス東新宿で「緊急・避難プロジェクト 6.9 キックオフ会議」が行われた。野呂美加氏は、チェルノブイリ原発事故の際、なぜ、大規模な住民の強制移住ができたのかについて、「社会主義体制の旧ソ連では、家と土地は国のもの。強制移住させても補償をしなくてよかったからだ」と話し、福島の原発事故が起きて、フランスの記者から「資本主義の国で、どうやって補償をしていくのか」と問われたと話した。

■ハイライト

  • 第一部「チェルノブイリから学ぶ」報告 野呂美加氏(チェルノブイリへのかけはし 代表)
  • 第二部「パネルディスカッション」避難者を交えて

 野呂氏は「子どもたちのために、何ができるかといえば、一刻も早く保養に出すこと、疎開させることである。年間総被曝量5ミリシーベルト以上で強制移住となったチェルノブイリでは、今でもドイツやイタリアに子どもたちが保養に出ている。保養の形態としては、主にホームステイ形式。滞在国に入るとバラバラになって、それぞれのホームステイ先に入る形である。対象年齢は、海外に1ヶ月滞在するのであれば、小学生以上となる。中学生になると思春期に入るので、ホームステイは難しくなってくる。中高生になると、集団生活が長期にできるので、合宿形態や、学校ごと移って寮形式で住むことができる。こうした保養は何のためにあるかというと、心身のリハビリである。子どもたちが遊ぶことで、放射能のことをすっかり忘れることが一番大事である」と述べた。

 北海道深川市立総合病院の内科部長、松崎道之医師は、2013年6月5日発表の第11回県民健康管理調査検討委員会の結果を受けて、子どもの被曝の現状について、次のように話した。「17万4000人を検査して、甲状腺がんと診断された子どもが12人、疑いがあるけれど、まだ手術までいかない人が15人、最大で27人にがんが起きている可能性がある。この数字は、実はチェルノブイリと同じか、それを2倍くらい上回っている。チェルノブイリ事故から5年経った頃に、山下俊一氏のチームが甲状腺の検診をした結果、5万5000人の子どものうち、4人にがんが見つかった。確実な甲状腺がん患者の数だけでも、今の福島は、事故の5年後のチェルノブイリと同じくらい出ている。さらに、細胞診の結果が出ていない子どものデータが判明すれば、分母の17万4000人に対し、甲状腺がんやその疑いのある子どもの数は、2倍、3倍に増えていくのではないか。結節がある子どもについては、この先大きくならないか、数が増えないか追跡する必要がある」。

(…会員ページにつづく)

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