23日に発生し、33人の内部被ばく者を出した、東海村の加速器実験施設「J—PARC」の放射能漏れ事故について、29日、原子力規制委員会は、現地調査、事業者から聴取した当時の事故対応と、今後の課題を報告した。
23日に発生し、33人の内部被ばく者を出した、東海村の加速器実験施設「J—PARC」の放射能漏れ事故について、29日、原子力規制委員会は、現地調査、事業者から聴取した当時の事故対応と、今後の課題を報告した。
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まず第一に、23日11時55分頃、放射能漏れを確認したが、規制庁に報告したのは翌日の「23時56分頃」。規制委員会は、1日以上遅れた事業者の対応を、「国への法令報告の遅れ」とした。
また、放射能が漏れ出た建物の空間線量率を低下させるため、排風ファンを回し、管理区域外へ放射性物質を排出させたことなどの現場の対応にして、規制委員会のメンバーらは、「専門家の完璧なモラルの欠如」「信じられない対応」「大変残念な結果」などの意見が相次いだ。
委員の1人である中村委員は、 「プロフェッショナルとして疑わざるえない対応。55人がみんなおかしいと思わなかったことがおかしい」、「プロフェッショナルとしてのモラルの低下、安全文化の欠如」と、現場の対応について意見した。
規制委員会は、今後も事業者らに聴取を続け、事故原因を確認するとした。