「有識者会合の検討は公平、公正さを欠き、科学的でない」。日本原電・濱田康男社長は2013年5月22日、原子力規制庁を訪問し、規制委員会が敦賀原発下を通る「D-1」破砕帯について「活断層である」とする報告書を了承したことについて質問状を提出。直接抗議した。原電はこれまでも規制委員会に対し、質問状や抗議文を送っている。
この日も濱田社長は「科学的な検討を求めたが、そうした形跡が見られず、誠に遺憾である」と訴え、さらなる調査を進めて活断層認定を覆したいとした。対応にあたった規制庁・桜田道夫審議官は、「委員長には伝える」と返答し、原電が有識者らに対し、個別に抗議文を送ったことについて、「科学的、技術的な態度を欠くものであり、個人への抗議は筋違い」と強く非難した。
面会後、ぶら下がりに応じた濱田社長は、これについて、「議事の運営や結論の出し方の問題点を指摘してきたにも関わらず、ほとんど汲んでもらえなかった。止むに止まれず上程した」と説明。また、7月の新安全基準施工後の再稼働申請については、「破砕帯問題を解決後、申請させていただきたい」との考えを示した。