2013年2月9日(土)13時30分から、「鮫川村放射性廃棄物焼却実証実験施設 北茨城市住民説明会」が、茨城県北茨城市の小川田園都市センターで開かれた。福島県鮫川村に予定されている、放射性廃棄物焼却実証実験施設に関して、隣接する茨城県北茨城市の住民を対象にした、環境省による説明会である。市民からは、地域住民に対する説明の遅れを指摘する声や、焼却計画の白紙撤回を求める声が上った。
※一部録画が欠けております。何卒ご了承ください。
(IWJテキストスタッフ・富山/奥松)
2013年2月9日(土)13時30分から、「鮫川村放射性廃棄物焼却実証実験施設 北茨城市住民説明会」が、茨城県北茨城市の小川田園都市センターで開かれた。福島県鮫川村に予定されている、放射性廃棄物焼却実証実験施設に関して、隣接する茨城県北茨城市の住民を対象にした、環境省による説明会である。市民からは、地域住民に対する説明の遅れを指摘する声や、焼却計画の白紙撤回を求める声が上った。
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■Ustream録画
・1/2(12:55~ 1時間38分)34分~ 開始
・2/2(14:45~ 16分間)
はじめに環境省の担当者から、放射性廃棄物を焼却する実証実験施設で行われる予定の、8000ベクレル/キロ(以下Bq/Kg)以上の指定放射性廃棄物処理についての概要と、環境省の取り組みが説明された。担当者は「一定の濃度を超えるものについては、基準に従って処理していく必要がある。8000Bq/Kg以上の廃棄物については、国の責任で処理しなければならない」と述べ、バグフィルターで放射性物質を取り除くことができる、と強調した。
質疑応答は、北茨城市長の豊田稔氏の「反対のための反対ではなく、冷静になって、環境省がこの事業をやるのか、やらないのか、じっくり聞いて判断しよう」という呼びかけから始まった。
市民からの「なぜ、鮫川村青生野地区に建設するのか」という質問に対しては、「環境省として、放射性物質汚染対処特措法に従って、廃棄物の処理を進める責任がある」とした上で、「個別に市町村を訪ね、説明を行なっている流れの中で、鮫川村の施設の話も出た。農畜産業で発生した汚染物を処理して、元の環境に戻したいという要望を受けて、焼却施設について検討してもらったところ、理解を得られそうだということで、鮫川村での建設に着手した」と説明した。
「なぜ、今まで、近隣市町村の住民に対する説明会を行わなかったのか」という質問には、「放射性廃棄物を燃やすことに懸念を持つ人がいる。それによって、安全な処理方法で行っているにもかかわらず、騒ぎになり、それ自体が風評被害に繋がる恐れがある。その観点から、なるべく粛々と進めていきたいという思いがあった」と説明し、「地元の方もナーバスになっていたので、鮫川村と相談して、積極的に、どこで実証実験をやるかという報告はしない方が良いと判断した。正式な説明が遅くなってしまったのは、申し訳なく思う」とした。
「われわれの声を届けることが、官僚の皆さんの役割だと思う。ゼネコンにお金を回すために、このようなことが行われているのでは、と勘ぐってしまう。もっと、お金のかからない方法を検討してほしい」などと、建設の一時休止や白紙撤回を求める声が上がる中、環境省の担当者は「焼却施設は、今後、試運転を含め、安全であることを示していく。本日の意見は持ち帰り、上まで報告し、その後、豊田市長にお返しする」という説明に終始した。
最後に、豊田市長が「信頼回復のために、しっかり対応していただきたい」と述べて、説明会は終了した。