参議院選挙での自民党の敗退により、永田町や大手メディアで、「石破茂総理退陣」の声が日増しに大きくなっている。
2025年7月25日午後7時より、東京都千代田区の首相官邸前にて、こうした「石破退陣論」に抵抗するデモ「#石破辞めるな 官邸前激励0725」が開催された。
主催者発表では、およそ1200人が参加し、「石破辞めるな」、「がんばれ石破茂」などのプラカードを掲げたスタンディング抗議、そして、「がんばれ、がんばれ石破! 辞めるな、辞めるな石破!」「民主主義守れ!」など、石破総理を激励するシュプレヒコールが行われた。
首相官邸前は、参加者に加えて、YouTuberや報道陣、警察官が入り乱れ、激励の叫びと罵声とが飛び交い、カオス状態となった。
デモ開始予定時刻の午後7時より約1時間前に、IWJ記者が現地に到着した時には、すでに大手テレビ局の取材スタッフが、数人の参加者達にコメント取材を行なっていた。
デモの主催者の女性は、石破総理を激励する理由について、スピーチで次のように述べた。
「極右の高市早苗氏や、ポピュリストの小泉進次郎氏などより、石破茂氏は、はるかに、首相にふさわしいと思います。
差別・排外主義を掲げる政党が急速に議席を伸ばし、それに追随して、差別を掲げる政党も出るなど、ファシズムの脅威が迫っています。
石破首相には、そのファシズムへの防波堤として、引き続き、頑張っていただきたい」。
IWJ記者は、どのような気持ちでこのデモに参加しているのか、その動機について、参加者に取材した。
Aさん(女性・都内在住)「もう、この選挙でメディアが機能していなくて。
IWJさんは、ちゃんとお仕事してくれてましたよ、もちろん。
それはそうなんですけど、既存のメディアがちゃんと仕事をしないために、参政党の議員が14人も生まれてしまって、もう絶望してます。
日本が壊れるんじゃないですか。カルトまみれですよ、日本。どうするんですか。
だから、もし石破さんがやめるようなことが、もしもあったら、次は誰がなるんですか。
高市さんがなるんですか。知りませんが、そうなったら、参政党ときっと組んで、やりたい放題、戦争突入じゃないですか?
その未来が見えてるんですよ。だってもう、参政党の、この選挙中の発言とかを聞いていたら、あの人達、戦争大好きですもん。核武装とか、徴兵とか、もう、ふざけんなってこと言ってる。
さやさん(東京選挙区で当選した参政党の塩入清香氏)は優しそうな顔で、『みんなのお母さん』っていうか、ズッコケましたよ。あの、優しそうな、美しい優しそうな顔で、『核武装したほうがいい(安上がり)と思います』とかね、『徴兵の大切さ』とか。
もう、核武装とか徴兵とかが、なんだか優しいことのように、何か、印象付けてるっていうのが、本当に罪深いと思います。
やってることが、全部おかしい」。
Bさん(男性)「選挙は、石破さんで負けたんだろうけど、それは結局、前の安倍政権の負の遺産というんですかね、裏金作りのそれを一身に、それを石破さんがいろいろと改革はしていると思うんですよ。
そういったことで、石破さんのせいじゃないんです。『あの人達』が悪いんだ。
都議会だってそうですよ。都議会だって、都議会議員の人が、同じようなことをやって、私の友人も都議会議員だったんだけど、落選した。
あんな、金を1500万円ももらってて…」。
このデモに先立つ、7月23日、石破政権の懸案の一つであった日米相互関税交渉が合意されたと伝えられた。
※トランプ大統領が15%の相互関税で日米合意したとトゥルース・ソーシャルにポスト! そのポストには、日本への誤解や強要もある! IWJは、経産省に、このポストの内容について緊急取材! 交渉にあたった赤沢経済再生担当大臣は「ジャパン・インベスト・アメリカ・イニシアティブ」という協定を結び、日米2国間だけでサプライチェーンを構築すると発表! 半導体、医薬品、鉄鋼、造船、重要鉱物、航空、エネルギー、自動車、AI、量子等の10分野に5500億ドル(約86兆円)を政府系金融機関が投資! この資金源はどこから捻出するのか? しかも、その投資から得られる利益の9割を米国のものとするという奴隷的協定!
(日刊IWJガイド、2025年7月24日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20250724#idx-1
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/54934#idx-1
日本は、5500億ドル(約80兆円)を米国の再建のために投資し、その利益の90%は、米国が受け取ることになる。そして、その見返りとして、当初25%と提示されていた相互関税率は、15%へと軽減された。
IWJ記者は、この米国隷従の極みとも言える、奴隷的・屈辱的、かつ不平等な合意内容についてどう思うか、デモ参加者の意見を聞いた。
Cさん(男性・兵庫県尼崎市在住)「それは、あんまりよくないと思います。私はね。
でもね、この際、この状況の中では、僕はちょっとアメリカと仲良くしておいた方が、石破政権が長生きできるから、私は、渋々、容認します。
でも、将来的にはちゃんと、『それはおかしい』ということを考えていただかないと、日本の政府はあかん。我々の国民生活が、むちゃくちゃになりますからね。
それは、私の尊敬する伊勢崎賢治さんが力説するところです。アメリカにきっぱりとものを言える。そういう人が増えないといけない。
伊勢崎賢治さんは、石破さんと親しい。ブレインですから。
中谷(防衛大臣)も、しょうもない奴やけど、それでもまだ、安倍系よりはマシやろという。
『より、マシ』な政治がいいと思う。これからね」。
Bさん(男性)「うまく、15%というのは、取ったんだけども、見返りにね…。
どうも、トランプの交渉術に、そこは負けたんだと思うんですよ。
でも、とりあえず15%を維持したって、これからまた、さらに交渉していってもらって、なんとかそういったものは減らしてもらうとか、うまく、実際にね。すぐに実行するものじゃないからね、あれは。
と、私は思っているんですけどね」。
Aさん(女性・都内在住)「それは、石破さんじゃなくても、そうなるんじゃないですか。
だから、『日米地位協定』をどうにかしないと、日本は前に進めないんですよ。それをね、早くどうにかしてくれる政治家を、早く選びましょう。
だからもう、石破さんはね、さっきおっしゃったようなこと(関税に関する不平等な合意内容)があるとしても、石破さんには留まってもらわないと。
だから、それが高市さんだったらどうなるのかと言えば、同じことだと思うし、もっとひどいことになっていると思いますよ。
だから、これはもう、石破さん頑張ってください!」。
詳しくは、ぜひ全編動画を御覧いただきたい。





























