維新躍進の裏に、やしきたかじん氏の番組制作会社の偏向メディア・コントロール! 政界引退後の橋下徹氏は、偏向著しいフジテレビで「大活躍」!? 海外メディアは維新を「右翼ポピュリスト」と正しく報道! 2022.2.12

記事公開日:2022.2.12 テキスト
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(文・尾内達也 文責・岩上安身)

 2021年10月31日の衆議院選挙で躍進した日本維新の会の原点は、創設者・橋下徹氏の2008年の大阪府知事当選にあるが、その裏には、橋下氏が読売テレビ(日本テレビ系列)の番組『たかじんのそこまで言って委員会』で顔と名前を売ったことがある。

▲橋下徹氏(IWJ撮影)

 このたかじん氏の番組と、極右ネット番組『ニュース女子』の制作会社は、同じ「ボーイズ」社である。

 ボーイズ社が制作し、2017年1月2日、TOKYO MX(東京メトロポリタンテレビジョン)で放送された番組『ニュース女子』は、沖縄県国頭郡東村高江の米軍ヘリパッド建設に反対する市民運動を取り上げた。番組は、デモ隊に「日当」が払われている、救急車を止めた等のデマや、テロリスト呼ばわり、参加する高齢者や在日外国人への侮蔑的表現であふれていた。

 視聴者から批判が相次ぎ、番組で取り上げられた「のりこえネット」共同代表の辛淑玉(しん すご)氏が、事実を歪曲したとして放送倫理・番組向上機構(BPO)に申立書を提出。BPOは「重大な放送倫理違反があった」と結論づけた。同番組はTOKYO MXでの放送を2018年3月に終了したが、地上波地方局の放送は続き、ネットの定期配信は2021年3月まで続けた。

 辛淑玉氏は2018年7月、番組制作元のDHCテレビジョンと司会の長谷川幸洋氏(元東京・中日新聞論説副主幹)を名誉棄損で東京地裁に提訴。2021年9月、DHCテレビに550万円の賠償等が命じられた。

 また、『たかじんのそこまで言って委員会』が、たかじん氏没後に改題した『そこまで言って委員会NP』も、繰り返し沖縄ヘイトを垂れ流した。例えば2016年11月20日の同番組は、やはり高江ヘリパッド問題を扱い、そこでも出演した長谷川幸洋氏が「基地に反対しているのは沖縄の人たちか」「かなりの部分は『外人部隊』。沖縄以外の反対派が反対している」と発言。「沖縄に基地があるのは何も差別ではない」と述べる出演者もおり、『ニュース女子』同様、沖縄をめぐるデマやヘイトのオンパレードだった。

 さらに、同社の相原康司社長が、日本維新の会副代表の吉村洋文大阪府知事の政界入りを橋渡ししたことを、吉村知事自身が明かした。

 吉村知事は、弁護士時代に大手サラ金「武富士」の代理人を務めていた。橋下氏もかつて大手サラ金「アイフル」子会社の顧問弁護士だった。2人の共通点は、弁護相手が被害者ではなく加害者であることだ。そこから見えてくる、日本維新の会の特徴とは何だろうか!?

 政界引退後、メディア業界に復帰した橋下氏は、「私人」と称して、フジテレビの衆院選特番等に出演している。しかし、維新の会の創設者で、現在も同党に影響力もつ橋下氏は「公人」ではないのか。そのような形で橋下氏を起用した番組は、政治的公平性を欠いていたのではないか。

 衆院選の報道で、海外メディアは、維新の本質を「右翼ポピュリスト政党」「自民党の改憲推進の協力者」と正確に伝えた。国内の大手メディアが、維新を、立憲民主党や共産党、社民党、れいわ新選組などとともに、「野党」として扱い、その本質に切り込めなかったのとは対照的である。維新を「野党」とあえてカウントして、与野党が伯仲しているかのような情報操作を行っていた、というべきか。

 特に、ロイターが予想した、維新のカジノ事業推進に関しては、2025年大阪万博との関連で要注目である。

維新躍進の原点、橋下徹氏の大阪府知事就任の原動力は、TV番組「たかじんのそこまで言って委員会」で顔と名前を売り、たかじん氏に後押しされたこと! 橋下氏はもともと「メディア政治家」だった!

 2021年10月31日の衆議院選挙で日本維新の会が躍進した。この躍進の原点は、日本維新の会の創設者である橋下徹前大阪府知事の2008年の大阪府知事選出馬に始まる。

 このとき、弁護士だった橋下徹氏が大阪府知事に当選していなかったら、現在の大阪、あるいは日本の政治地図はずいぶん違ったものになっていたはずである。

 2014年にタレントで歌手のやしきたかじん氏が亡くなったとき、橋下氏は「たかじんさんの番組で顔と名前を広く知ってもらった。それだけで当選したようなものですから」と大阪市役所で大阪市長として取材陣の質問に答えている。

 橋下氏は、2003年から読売テレビのやしきたかじん氏が司会を務める「たかじんのそこまで言って委員会」にレギュラー出演し、この番組に5年出演したことで、広く名前が知られるようになった。たかじん氏に府知事選出馬の後押しをされたと橋下氏自身も述べている。

 橋下氏は、2008年に大阪府知事に当選した後、2011年11月、自らが掲げる大阪都構想などの政策実現を目的として、任期を3ヶ月余り残して大阪府知事を辞職、任期満了に伴う大阪市長選挙に立候補して当選した。

 このように、橋下氏は、もともと、やしきたかじん氏の番組から登場した「メディア政治家」だったと言ってもいい存在なのだ。

たかじん氏番組と極右ネット番組『ニュース女子』の制作は同じ「ボーイズ」社! 相原康司同社社長が、日本維新の会副代表の吉村洋文大阪府知事の政界入りを橋渡し!

 日本維新の会のスタートに欠かせない人物として、タレントで歌手のやしきたかじん氏の他に、もう一人のキーパーソンがいる。それは、やしきたかじんの名前を冠したテレビ番組を制作してきたテレビ制作会社「ボーイズ」の社長、相原康司氏である。

 「ボーイズ」は、現在も読売テレビ(日本テレビ系列)の『そこまで言って委員会』を制作しているだけでなく、インターネット配信を行うDHCテレビの『ニュース女子』も制作している企業である。スポンサーのDHCもその番組『ニュース女子』も思想的には極右として知られている。また、『そこまで言って委員会』も『ニュース女子』も出演者が重複するなど、思想的傾向も人脈も共通している。

▲ボーイズ社のサイトでは、制作番組として、『たかじんのそこまで言って委員会』の後継番組『そこまで言って委員会NP』と『ニュース女子』を掲載している。BOY’S TVDIRECTION COMPANY/

 これだけではない。日本維新の会の副代表の吉村洋文大阪府知事も、やしきたかじん氏とテレビ制作会社「ボーイズ」と深い関係にある。

▲吉村洋文・大阪府知事(IWJ撮影)

 2020年7月23日の東洋経済オンラインに発表されたノンフィクションライターの塩田潮氏による吉村知事へのインタビューの中で、吉村知事は次のように述べている。

 塩田潮氏「弁護士登録から10年余りが過ぎた2011年、大阪市議選に出馬して当選し、政治の道に入っていますが、何がきっかけだったのですか」

 吉村知事「まったく運みたいなもので、そんな気は全然なかったんですよ。大阪で法律事務所を開設し、やしきたかじんさん(歌手・タレント・ラジオのパーソナリティ)の顧問弁護士になりました。やしきさんの『そこまで言って委員会』という番組を作っているプロダクションの社長と知り合いで、その会社の顧問弁護士をやっていた。その社長から『やしきさんと一緒に飲みに行こうや』と誘われ、意気投合した。それで、個人的な顧問弁護士をぜひ、とやしきさんから言われたのがきっかけです」

塩田潮氏「2008年2月に橋下府知事が誕生し、2010年4月に大阪維新の会が結成されました」

吉村知事「橋下さんが知事になり、大阪維新の会ができる前です。議会が古い体質で、大阪の改革は何も進まないから、政治勢力を作りたいと思った橋下さんが、大阪維新の会結成のための人集めをしていました。

 そのとき、多分、橋下さんはやしきさんにいろいろと構想を話したと思う。僕はやしきさんから『橋下さんからそういう話を聞いた。1回、やってみたら』と言われたのです。大阪で生まれ育って、大阪をよくしたいという思いがありましたので、チャレンジしてみるかと思いました。選挙はどうなるか、わからんけど、チャンスがあったら飛び込む。そういう性格だと思います」

 こうして見ると、日本維新の会は、やしきたかじん氏と相原康司「ボーイズ」社長の人脈があって成立したことがわかる。

 橋下徹元日本維新の会代表も吉村洋文副代表も、こうした人脈から政界へ進出したのだ。

吉村知事は大手サラ金「武富士」代理人、橋下氏も大手サラ金「アイフル」子会社の顧問弁護士だった! 共通点は弁護相手が被害者ではなく加害者! そこから見えてくるものは!?

 また、吉村知事の弁護士活動の端緒とも言えるものは、大手サラ金「武富士」のスラップ訴訟の代理人だった。

▲武富士・枚方店(大阪府枚方市)(Wikipedia、mariemon)

 橋下氏にも、大手サラ金「アイフル」の子会社の顧問弁護士を務めていた過去がある。

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