2021年10月18日、「公正な税制を求める市民連絡会」が、東京都千代田区の衆議院第一議員会館で記者会見を行った。
同会は、今回の衆議院議員選挙に際し、各政党に対して税制・財政に関するするアンケート調査を実施した。アンケート調査は10月5日から10月14日までの期間に行われた。
各党からの回答では、格差の問題については「大企業、富裕層への増税と低所得者層への対策を行う」と答えた立憲民主、共産、社民、れいわに対し、自民は「経済社会の構造変化をとらえながら、経済成長の実現と再分配機能の回復を図る」と、抽象的な表現にとどめている。
また、財政赤字については、すべての野党が「基礎的財政収支(プライマリーバランス)を2025年度までに黒字化させる方針を抜本的に見直し、歳出・歳入にわたる長期的計画を立てるべき」と答えたのに対し、自民党は「プライマリーバランス2025年度までに黒字化する方針を維持」と答えた。
税制と社会保障に関する公開質問事項および回答書:公正な税制を求める市民連絡会
▲アンケートの回答
共同代表の宇都宮健児弁護士は「コロナ渦で大規模な財政出動が行われた。この間、貧困や格差が拡大しているので、財政を裏付ける財源をどうするのか、貧困や格差の是正をどうするのか、ということが大きなテーマになっている」と述べ、「今回の衆議院選挙ほど、税制のあり方、財政のあり方をどうするかが大きな争点になった選挙は、初めてなのではないか」と指摘した。
アンケートに対しては、自由民主党、立憲民主党、日本共産党、国民民主党、日本維新の会、れいわ新選組、社会民主党がそれぞれ回答したが、今回が4回目となる調査に対して、公明党は一度も回答を寄せていない。