「この映画で選挙に影響を与えたい」
『新聞記者』『i-新聞記者ドキュメント-』の制作を手掛けた、エグゼクティブプロデューサー・河村光傭(かわむら みつのぶ)氏は約2分間の予告編を披露して、そう宣言した。
2021年7月28日、東京都千代田区の日本外国特派員協会(FCCJ)で、シニカルな鋭い視点で「ニッポンの本当の姿」を映し出すかつてない政治バラエティー映画「パンケーキを毒見する」の内山雄人監督と、前出のエグゼクティブプロデューサー河村氏が記者会見を行った。
映画のタイトル『パンケーキを毒見する』は2020年9月に第99代内閣総理大臣に指名された菅義偉(すがよしひで)氏が、就任早々マスコミを取り込むため、非公開でオフレコの私的な会合を招集し、好物の「パンケーキ」をふるまって「パンケーキ政権」と揶揄されたことに由来する。
会見冒頭、河村氏は「この映画『パンケーキを毒見する』のツイッター公式アカウントが6月23日、映画の披露試写会の夜、凍結された」「6月24日夕方よりこの件(ツイッター社によるアカウント凍結)について大きく報じられ、25日未明凍結が解除された」と述べ、「『新聞記者』という映画のリリースの時にも全く同じことが起きている」「意図的なものを感じた」と述べた。
続いて、映画制作の動機を語った河村氏は「この映画を某大学の芸術学部の学生に見せてアンケートを取った」「(見る前は)政治にまったく興味がないとしていたが、見た後のアンケートではほとんどの学生が選挙に必ず行くと答えた」と述べ「若い人が無党派層であり、まったく政治に興味がないというのが日本の現状だ」「ぜひとも若い人に見てもらいたい、それから無党派層に、さらに自民党員にみてもらいたい」と述べた。
また、内山監督は「オリンピックの興奮を利用して、コロナ(対策)の失敗や政治の不正・欺瞞をすべて忘れさせようと狙っている政府、そこに警鐘を鳴らしたい」「同調圧力を使って加担するマスコミへの喚起をうながしたい」と述べ、「そのためにこのタイミングで公開する」と意気込みを語った。