IWJ記者の質問「政権交代したら、米中どちらを優先?」に、枝野代表は「近い将来は米国を選ぶ」!~11.30立憲民主党 枝野幸男代表 定例会見
2020年11月30日午後2時、立憲民主党・枝野幸男代表の定例会見が行われ、IWJは生中継した。
質疑応答でIWJは、日本が米中各々と結ぶ、経済と安全保障の協調体制に矛盾が生じているなかで、立憲民主党はどのような国家の方向を目指すのかについて、以下の質問を行った。
IWJ記者「RCEPが署名され、日本と中国は他のアジアの国々とともにEPAを結ぶことになります。他方、中国は『主役』だったはずの米国のいないTPP11に参加を検討することも表明しました。経済面で中国との関係は今後深まっていくことは避けられません。
しかし一方で、与党である自民党は米国の意向で米日印豪の4ヶ国による軍事上の中国包囲網クアッドを推進しています。
しかし、日本とオーストラリアは中国とともにRCEPに入っており、TPPには日本とオーストラリアは参加していて、そこでも中国と一緒になるかもしれません。米国と中国包囲網4ヶ国クアッドのうち、米国とインドはRCEPにもTPPにも加わっていません。
経済ではオーストラリアとともに中国と自由貿易協定を結び、安全保障では、RCEPに参加しない米・印と結んで、中国を包囲するという話は、明らかに矛盾します。この矛盾について防衛大臣等に質問しても納得のゆく回答はありません。政府・与党からも、この経済と安全保障の矛盾についての国民へのきちんとした説明はありません。
立憲民主党は、これまで日米同盟基軸とおっしゃっていますが、この不自然な状態をどう御覧になっているのでしょうか? 仮に政権交代をした場合、経済と安全保障のどちらを優先されるおつもりですか?
どちらも大事なのはわかりきっていることですが、もう少しはっきりとおききしますと、米国と中国との対立が深まった場合、どちらとのつきあいを優先すべきとお考えですか?
自民党同様にあくまで米国よりの政策を取るおつもりですか? それとも、より中国よりにシフトするのでしょうか? あるいは、独自の安保を強めて主権国家の道を目指されるのでしょうか? 近い将来に向けての国家ビジョンを示していただきたいと思います」
枝野代表「近い将来についてであれば、アメリカを選びます。
中国の軍事的なですね、増強路線は、明らかに周辺国に対しての脅威になっていると思っていますし、それからチベットや香港などに対する人権問題、それから台湾海峡に対する圧力、こうした軍事的な膨張路線に対しては、しっかりと牽制をしていかなければならないというふうに思っていますので、安全保障について、米国やインドなどとしっかりと連携をしていくことはたいへん重要なことだというふうに思っています。
一方で、そうした中国の膨張路線にブレーキをかけていくためにも、経済的な一体化を進めていくということは、その経済の点を考えたら、無茶なことはできないという状況に取り込んでいくということにつながっていくというふうに思っていますので、矛盾するものではないと思っています」
枝野代表は、冒頭発言では、結党以来初の国会で、休業支援金拡充法案などの新型コロナ対策を提起したことや、新型インフルエンザ特措法改正案提出する予定を報告。また、選挙は年内や1月にないとの各社報道に、むしろ1月選挙かと予想した。
さらに、新型コロナ対策について、7兆円の予備費で国民生活下支えや検査拡大を進め、新型インフル特措法改正など、国会を延長して取り組むことを主張。またGo To キャンペーンでの政府の「小手先の中途半端な対応」を指摘、キャンセルに責任を持たない政権の「自助」を強いる体質を批判した。訪問介護職の有効求人倍率が15倍を超える背景に、感染を恐れるヘルパーの退職・休職を指摘し、エッセンシャルワーカーへの公費での定期検査を主張した。最後に選択的夫婦別姓の導入を訴えた。
他社の質問では、政府の新型コロナ対策への評価、国会会期延長、生殖補助医療出生児の出自を知る権利、新型インフルエンザ特措法改正案、国民投票法改正案、桜を見る会問題、種苗法改正、菅総理が会見を開かないこと、「皇女」制度について、Go Toトラベルの東京都と国の責任について質疑応答が行われた。