2020年10月9日に行われた野党合同ヒアリングでは、Go Toイートに議題を絞り、クーポンを濫用することで半永久的に数十円でレストランや飲み屋で飲食が続けられる、俗に「トリキの錬金術」と呼ばれる手法について、議論が行われた。
現在、政府はコロナ禍で営業自粛を余儀なくされた飲食店を対象に、「Go Toイートキャンペーン」事業の一環としてオンライン飲食予約事業を行っている。
オンライン飲食予約事業とは、オンライン予約サイト経由で飲食店を予約し、来店するとポイントがもらえるという仕組みである。昼食は15時までの来店で500円、夕食は15時以降の来店で1000円が付与される。
しかし、この事業には欠陥がある。ポイント付与に最低利用額は設定されていないため、1品の金額が少額の飲食店(その代表例として居酒屋チェーンの「鳥貴族」)で、夕食に300円前後の注文をするのみで1000円分のポイント付与が可能な仕組みになっている。この仕組みを利用して、クーポンの利用で何度でも少額での飲食を続けることが可能となってしまうのだ。
立憲民主党の山井和則衆議院議員は「こういう制度、喜ばれる方もいるんですけど、税金の使い方として大丈夫なのか」と疑問を呈した。
続けて、山井議員は事業費700億円のうち、6分の1が手数料として予約サイトに流れることについても指摘した。飲食店の売上のうち20%が予約サイトに振り分けらているのである。
前述の「トリキの錬金術」で付与されるポイント以下の支払いで飲食され、20%が手数料として予約サイトに分配されると加盟飲食店の売上はないに等しく、経費を差し引くと赤字になる。
山井議員は「飲食店支援と言いながら、予約サイト支援」であると非難し、事業の見直しを早急に求めた。
なお、現在はすでに「Go To Eatキャンペーンを利用する場合は、付与ポイント以上の飲食が必要」との措置が取られており、差額のポイントで儲けることはできなくなった。
- 「Go To Eatキャンペーン事業」について(農林水産省)