合流新党に参加せずに新党結成を表明した玉木雄一郎・国民民主党代表への批判が相次いでいる。維新のような「政権補完勢力」と疑われても仕方がない問題発言を連発、「大きな塊」を作って政権交代を目指す気運に水を差す役割をしているのだ。
(取材・文:フリージャーナリスト横田一)
合流新党に参加せずに新党結成を表明した玉木雄一郎・国民民主党代表への批判が相次いでいる。維新のような「政権補完勢力」と疑われても仕方がない問題発言を連発、「大きな塊」を作って政権交代を目指す気運に水を差す役割をしているのだ。
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合流新党に対するネガテイブキャンペーンで玉木氏が足並みをそろえているのが、安倍政権(首相)を評価する記事をよく書くジャーナリストのA氏。A氏が聞き手のインタビュー記事(8月28日配信の「夕刊フジ」)で玉木氏は、枝野幸男代表が消費税減税に関する政策論議を拒否しているかのように印象づける発言をした。これは事実と異なるものだ。
以下はその記事からの引用である。
玉木氏「(消費税減税について)コロナ禍で経済、家計が痛んでいる今こそ、追加給付と消費税減税は不可欠だ。政党にとって大事なのは、国民に大義を示すこと。だから、立憲民主党の枝野幸男代表にサシの党首会談を提唱した」
--枝野氏は応じない
玉木氏「我々が目指すのは『国民目線の政治』で、これまでも一律10万円の特別定額給付や家賃補助など、実効的な政策を提案してきた」
この記事を読めば、誰もが、枝野代表が党首会談を拒否したと受け取るが、事実は違う。両代表の会談は8月17日に実現しており、8月18日のTBSニュースは「枝野・玉木両代表が会談」と銘打って、次のように報じていた。
「会談は17日、都内で行われ、立憲民主党の枝野代表、国民民主党の玉木代表に加えて連合の相原事務局長が同席しました。両党の合流に向け、今後の対応などを協議したものとみられます」
夕刊フジの記事は、事実と異なる玉木氏の発言も、事実確認も確証もなしに載せたものだといわれても仕方がないのではないか。
玉木氏が同じ主旨の事実歪曲発言をしたのは、この時が初めてではない。党首会談が報じられた翌8月19日の両院議員総会後の会見でも、読売新聞記者の政策議論不足を指摘する質問に対して玉木氏は「党首会談もできず(消費税減税について)一致点が見出せなかったことは非常に悔やまれる」と述べていたのだ。
「事実とは違うことをまた発言している」と思いながら私は、前日の報道内容をぶつけてみた。
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